広がる格差社会化で低所得者の親たちは高学歴を諦め始めた!
低所得者層の一部では諦めが始まった
私立中学を中心に、日本の公立教育と私立教育との教育費格差は拡大を続けています。そのために、所得の低い低所得者層では経済的に子供を私立学校へ通わせることが難しいので、子供を公立学校へ通わせることになります。しかし今の公立教育は、私立が盛んになった原因を作ったように教師の腐敗や教職を利用した汚職、教育の質の低下など様々な問題を抱えています。2008年に発覚した大分県教育委員会汚職事件でもわかるでしょう。このような公立教育の目に見える腐敗を感じながらも、私立教育を受けさせることができない低所得者層の親の一部では、教育に関してさじを投げ始めた人たちまで出始めました。つまり・・・低所得層の親たちの中に・・・
も う ダ メ だ ・ ・ ・ と
教育を諦める親たちまで出てきてしまったのです!
教育に熱心でない低所得者層
あなたは教育に対してどのような認識をもっているでしょうか?もしも教育を軽視するようなら絶対に考えを改めるべきです。歴史を勉強すればよくわかりますが、教育とは家庭や国家を豊かに発展させ、存続させるために最も需要なものです。貧しい植民地が独立すると真っ先に教育にとりかかるように、貧乏人から成り上がった家庭の親も子供を貧乏にしないように、子供の教育をなにより重視しています。いかに不景気になろうとも、教育費だけは削れない家庭も多いはずです。教育を重視するのは勝ち組家庭である証拠となります。
では実際の家庭はどれだけ教育を重視しているのでしょうか?上の図は子育て家庭の経済状況に関する調査研究による 「こどもの教育は何番目に重要であるか」 の答えを所得別に表したものです。ご覧のように所得が低いところほど、教育を重要視せず、所得が多い層ほど教育を重視していることがわかります。これは高所得者層は教育が子供によって大変重要であることを認識しており、低所得者層では重視していないことの表れです。
高学歴を望まなくなった低所得者層
さらに家庭の教育に対する取り組みを見ていきましょう。上の図は子育て家庭の経済状況に関する調査研究による 「子に望む学歴」 の回答を所得別にあらわした図になります。学歴が社会でどれだけ重要なのかは、今更説明すべきことでもありませんね。
ご覧のように低所得者層ほど高学歴を望んでおらず、200万未満の低所得者では大学の学歴を望む人が3割ほどしかいません。これに対して、所得が高くなるにつれて子供に高学歴を望む親が増えていることがわかります。特に1,000万円以上の高所得者層では子供に大学以上の学歴を望む親が8割以上もいるのです。これほどまでに親の間でも子供に対する教育姿勢に差が出てしまっているのです。
教育というのは受ける立場の子供が望む望まざるに関わらず、親の影響が強く出てしまうので、低所得層の子供たちには高学歴を得ることがますます難しくなっていくことになります。さらに低所得層の親の中には 「諦めが肝心だよ」 と子供に対して諦めを諭す親もいる状態です。
身分相応という考えがあるのかどうかはわかりませんが、江戸時代の士農工商のように、貧乏人に生まれたら一生貧乏人でいようという低所得層の諦めが出始めているのです。
確かに私立学校は結果を出し続けているところに人気が集中し、教育費も右肩上がりです。特に少子化であるため1人あたりの子どもに掛ける費用は親だけでなく祖父母世代も入れてさらに上昇しています。上がれば上がるほど、低所得層は諦めるのも無理がありません。
とんでもなく広がる公立学校と私立学校の教育費格差
負け組が諦めると勝ち組は喜ぶ
上記のデータのように現在、低所得層の親たちの中では 「教育に対する諦め」 が急速に浸透しています。このことにより、低所得層の子供は高学歴を得られなくなり、学歴を必要とする高度な職へつけずに低所得層から抜け出せなくなる負のスパイラル・・・格差の継承がすでに始まっています。しかし政府はこういった教育格差是正に本腰を入れて動こうとせず、教育格差をむしろ喜んでいる傾向があります。それにはいくつかの理由が存在していますが、ここでは勝ち組・金持ちに存在している利己的な考えを紹介しましょう。その理由とは負け組が絶望すればするほど勝ち組にとって都合がいいという理由です。どういう意味?とわかりにくいですが、カンタンに言えば下克上を恐れているということです。
下克上させない社会のほうが都合がいい
下克上とは弱いものが強いものを倒して成り上がっていく様のことです。戦国時代の豊臣秀吉などが代表的な例ですね。しかし下克上をした秀吉は、その後刀狩などを行って自分のような下克上を行えないようにしました。秀吉は、自分が下克上される立場になって堕ちることを恐れていたのです。それは現在も同じです。勝ち組にとっては自分が下克上されるかもしれませんので、負け組にはがんばってほしくありません。そのためには負け組が絶望し成り上がりを目指さない環境というのとても都合がいいのです。このような社会になれば、負け組は絶望し成り上がりを諦めるので、勝ち組は安泰になります。現在はそのような社会を作っている最中といえるのです。だから今政府は、本腰を入れて教育格差是正を行わないと考えられます。すべては今の勝ち組が安泰し、負け組が絶望する社会を作るためです。
支配者は自分に都合のいい社会を作る
かのナポレオンは封建制度に苦しんでいる人々を解放すべく戦争を行いましたが、革命が成功した後には結果的に独裁を行って自分に都合がいいように社会をコントロールしようとしました。かのクロムウェルも革命を成功させた後は独裁を行いました。(この点は賛否両論ですが)ヒトラーも、スターリンも、明治政府も、旧日本軍です。世を支配した人間が自分に都合のいい社会を作ろうとするのはいつになっても変わりません。現在だって例外ではありませんよ。
負け組が諦めるほど
勝ち組の地位は安泰する
だから階級社会になっていく
ドラゴン桜:桜木の言葉
「社会のルールってやつは全て頭のいいやつが作っている。そのルールは頭のいいやつに都合がいいように作られているんだ。逆に都合の悪いところはわからないように隠してある。つまり頭使わずに面倒くさがっていると一生騙されて高い金払わされるんだ。騙されたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前ら勉強しろ」 <by.ドラゴン桜 01巻 >
大学進学率にも親の所得格差がくっきり
年収400万円以下の低所得層と
1050万円以上の高所得層では、
子どもの国公立大進学率に3倍近い差がある。
高校を卒業した子どもの保護者を対象に所得と進学率の調査を朝日新聞が行い1064人が回答した。 国公立大進学率は、400万円以下の低所得層が7・4%。所得階層が上がるほど進学率も上がり、1050万円以上の高所得層では20・4%となった。私立大はそれぞれ20・5%と42・5%だった。 06年の同種調査では、私立大では同じ傾向が出ていたが、国公立大はそれぞれ9・1%と11・9%で、あまり差がなかった。国公立大の年間授業料の平均額は約54万円(11年度)で、私立大の約86万円より安い。研究班は06年の状況について「国公立大は低所得層への高等教育の機会の提供というミッションを果たしていた」と評価。今回の結果は、「教育機会の格差拡大を示唆している」と結論づけた。 調査に携わった小林雅之・東大教授は「09年以降に雇用情勢が悪化したことで、高所得層でも国公立志向が強まり、その分、低所得層が入学しにくくなっているのではないか」と分析した。 これとは別に、保護者が子どもの成績を「上位」と評価している場合の4年制大学への進学率も調べた。06年は低所得層が67%、高所得層は72・9%だったが、12年はそれぞれ53・3%と76・9%で、低所得層での落ち込みが目立つ。「わが子は成績がいい」と考えていても、大学に入れるための経済的な余裕がなくなってきている可能性があるという。 小林教授は「低所得層の進学が困難になってきていることが、明らかになった。給付型奨学金の創設など学生支援を充実させることが重要だ」と話している。調査結果は、広島大で開かれる日本高等教育学会で26日に報告される。
金持ちの子は頭がよく貧乏の子はバカである証拠データ