教育格差が学歴格差を所得格差を生む負のスパイラルが格差を固定させる

親の格差が継承され、世代を超えて格差が固定化する

今の日本は、あらゆるところで大きな格差がひろがっています。良い教育が行われる私立学校と、ゆとりで腐敗した公立教育との教育格差。こどもの学力によって、入れる大学に差ができてしまう学歴格差。そして優秀な人と、バカの人に生じる賃金の収入格差。これらは縮まるどころか拡大を続けており、格差社会に拍車がかかっています。ハッキリ言って想像以上にヤバイ状況なのです。

格差は遺伝(継承)するのがタチが悪い

しかも一番タチの悪いのが、こういった教育格差、学歴格差、収入格差というのはそれぞれが影響してしまい、世代を超えて格差が継承されて固定化しやすい傾向があることです。

つまり単刀直入に言ってしまえば、 ”親の格差が遺伝してしまう” ということです。

遺伝というほどではありませんが、親の経済格差がこどもの将来の経済格差に影響するのは確かな事実です。

教育格差、学歴格差、収入格差がどうつながっていき、
どのように格差が遺伝するのかみてみましょう

格差継承の発端は ”教育格差”

公立学校と私立学校の教育費推移を見ると、お受験と中学受験の時期に金がたくさんかかる!
まず格差が継承される発端となるのが教育格差です。

現在の日本の公立教育は、”ゆとり教育” で教育内容はスカスカであり、”でもしか先生” のように教育に熱心でない無能教師がのざばっている状況です。2008年に発覚した大分県教育委員会汚職事件でもわかるでしょう。そのため公立の学校は教育崩壊を起こしてしまっており、お金持ちの家庭はこどもを優秀な私立学校へ通わせるようになっています。しかしそこには教育費という、強力に格差を痛感させられるカベが存在します。

(余談ですが、このウィキペディアにある大分県教育委員会汚職事件の項目はいつの頃からか消えてしまっているのです。なにか見えざる手でも働いたのでしょうか。都合の悪いことは表に出さないようにしているのかもしれません)

上の図は学年別の公立・私立中高の教育費の推移を表したものです。ご覧のように公立学校と私立学校の教育費の格差はとんでもないものです。幼稚園の時点で、すでに2~2.5倍もの格差が生じています。そしてなによりも教育費格差が生じているのが小学校からの急激な私立学校の教育費の伸びです。その格差は一番大きい小学1年生において公立が30万に対し、私立が170万もかかることから約6倍もの教育費格差が起きているのです!

これにより貧乏な家庭は
高い教育費を払うことができないため
質の高い教育をうけられない教育格差が生じます

”教育格差” による学力の差が ”学歴格差” を生む

教育格差によって、貧乏な家庭は腐敗した公立教育しか受けられず、金持ちの家庭だけが質の高い私立教育を受けられることになりました。その結果、双方には大きな学力の差が生じることになります。勉強など個人の問題だという人もいるかもしれませんが、大多数をみれば、差がでているのは明らかです。では、私立学校と公立学校がどれくらい学歴格差をうむかみてみましょう。

日本一の難関大学の合格者数は私立学校が大半を占める

上の図は、公立校、私立校の生徒がどれだけ日本一の難関大学:東京大学に合格しているかの割合を示したものです。ご覧のように公立校と私立校との合格率の差は歴然たるものがあります。有名私立校である開成や、灘高校の東大合格者数は突出しており、下位のところでも私立校がかなりの部分を占めています。さらにこれは東大だけのデータであって、他の大学を含めればさらに差がつくことが予想できます。

このように有名私立学校の合格率は公立学校よりも相当良く、私立学校がかなりを占めています。しかし大学には定員があり、入学できる数というのは限られています。私立学校の合格者が増えるということは、対する公立学校の合格者が必然的に少なくなります。つまり貧乏な家庭の子どもでも通え、教育を受けることができる公立学校出身者の席が少なくなってきているのです。そう、私立学校の出身者だけが有名大学の席を独占し始めているのです。つまり教育格差が学歴格差を生み出しているのです。

教育格差によって少ない有名大学の席は私立学校出身者が独占しはじめており、貧乏な家庭の子はよい大学にいけず、金持ちの子だけがよい大学に入れる学歴格差を生み出します。そして日本社会は偏見ともいっていいほど学歴を重視する社会です。この学歴が労働者の待遇の格差をも生み出して、非常に大きな賃金の格差を生み出しています。そう、学歴が大きなお金の格差を生んでしまうのです。

中卒と大卒との生涯賃金格差は実に8000万円以上にも

上の図はサラリーマンの生涯賃金の総額を学歴別に表示したものです。中卒の生涯賃金というのは、2億円をわずかに超えるのが精一杯ですが、大卒の生涯賃金は実に3億円を超えるものになります。この賃金差は実に7000万円とも8000万円とも言われます。ただでさえ、一年の平均年収に大きな差があるのですから、退職金や昇進などの要因を加えると、これほどまでに賃金格差が広がってしまうのです。つまり学歴格差が賃金格差、所得格差を生んでしまうのです。

ふりだしに戻る ”格差の負のスパイラル”

上記のように私立学校の台頭によって貧乏な家庭の子が高学歴を身につけようとすることはどんどん難しくなってきています。貧乏な子は高学歴を身に着けることができないので、学歴格差による偏見で高給を得る仕事に就くことができず所得格差を生みます。しかしその世代が親になったとき、低収入なので高額の私立学校の教育費は払えません。このように、次の世代でも教育格差を生み出してしまいます。順序を追っていけば、イヤになるほど格差が遺伝しやすいものであることがわかるのです。

金持ちは高いお金をかけて有名私立学校へどんどん子供を入学させ、そこの私立学校の卒業生が有名大学の席を独占し、その高学歴を利用して、高度な職に就いて高給を稼ぐ。一方、貧乏人はお金をかけることができず、質の悪い公立学校へ行くしかなく、有名大学によって席を独占された大学へ行くことができずに、低学歴のまま職に就かざるを得なくなり、低賃金に苦しむことになります。その結果が親の格差の継承・・・つまり格差固定です。教育格差が学歴格差を生み、学歴格差が賃金格差を生んで、格差が世襲される負のスパイラルができてしまっているのです。

格差固定の負のスパイラル
教育格差

学歴格差

所得格差

教育格差(以下ループ)

大学教授によって、親の経済力と子供の学力に関係があることがわかった

実際の親の経済力と子供の学業成績の関係を調べた人がいます。御茶ノ水女子大学教育学部の耳塚教授です。

教授は小学校6年生約1,200人とその保護者を対象に、親の経済力と子供の学業成績の関係を調べました。統計的にも1,200人というのは充分証明に値する数値なので、この研究結果はかなりの信憑性をもっています。

金持ちの子は頭がよく貧乏の子はバカである証拠データ

子供の人生は(親の)課金額によって決まる

結果、お金をかけることで、子供の成績は確実に上昇ことがわかり、親の所得格差が子供の学力格差に直結していることが判明しています。

スマホゲー的に言うなら、「人生は(親の)課金額によって決まる」といった感じでしょうか。世知辛いですね。

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