東大生の半分以上が年収約1000万以上の家庭

東大生の親は一般家庭よりも裕福

今の日本では教育格差が学歴格差を所得格差を生む負のスパイラルが起こっています。

その最初の教育格差も結局は親の経済・租特格差に由来するものであり、親の格差がそのまま子供に継承されてしまう貧困が遺伝する事態になっているのです。教育格差で見てみると、日本の教育の最高峰の東京大学、通称東大のデータを見てみましょう。

東大生は(金のかかる)塾通いは当たり前

東大家庭教師友の会が現役東大生277人に行ったアンケートによると(2009年2月実施)、「学習塾に通った経験はありますか?」という問いに対して85.9%の学生が「ある」と回答。また、「学習塾が必要だと思った時期はいつですか?」という問いに対しては、

学習塾が必要だと思った時期
  • 中学受験時 ………33.6%
  • 高校受験時 ………23.5%
  • 大学受験時 ………27.8%  
  • その他の時期 ……15.2%

と、中学受験に備えて学習塾に通いはじめた学生が多いことがわかっています。

東大生の親の年収について

他のデータでは東京大学が在校生の家庭状況を調査した「2010年学生生活実態調査の結果(PDF)」(2011年12月発行)によれば、世帯年収 950万円以上の家庭が51.8%に上った。つまり東大生の親の世帯年収は1000万円並の家庭が半分以上ということです。

最近はやや減っているかそれでも3割以上は1000万以上

ただ一番差が激しかったのは2008~2009年ごろであり、2013年以降は比率がやや回復し低所得家庭も少し盛り返しています。下記は「2016年学生生活実態調査の結果(PDF)」の中にある東大生の家計を支えている親の年収推移です。1999年から2009年まで一気に低所得家庭が少なくなり、その後回復したことがわかります。

それでも年収1000万以上の家庭は3割以上を超えています。なお、国税庁発表の「民間給与実態統計調査」によると民間において年収1000万以上の給与をもらっている労働者の方は、全体のわずか4%に過ぎません。この数値はここ10数年変わるどころかむしろやや減ってすらいます。金持ち優遇を当たり前とする私大ならともかく、公費で作られた国立の東大ですらそんな1000万円以上稼いでいる親が普通の割合よりも多いのが現状です。

日本全体における平均年収は約422万円(平成28年度)

ちなみに、厚生労働省発表では平均年収は約422万円(平成28年度)になっています。東大生の親の大半は平均年収よりも上の家庭であり、年収1000万円以上は3~5割にのぼります。明らかに一般家庭よりも裕福な家庭の子のほうが多く東大に入っているということです。

データ参考:東京大学 学生生活実態調査の結果

 

東大生と一般家庭を図にして比較すると一目瞭然

下記は遺伝子と出身大学について記述した 石田雅彦 さんの記事にありました日本の全世帯の所得の分布と東大生の家計支持者の年収分布を比較した図を引用します。こうしてみると日本全体では一番多いはずの400万円未満の割合が一番低く、全体では割合が低い高所得の家庭がとても多いことが一目瞭然です。

日本の全世帯の所得の分布(%、青いバー)と東京大学の学生(東大生)の家計支持者の年収額分布(赤いバー)の違い。調査の金額が異なっているのでズレがあるが、日本の全世帯では年収400万円未満の世帯が45%もある一方、東大生の豊かな経済状態がうかがえる。Via:2017年の国民生活基礎調査、2017年の東京大学の学生生活実態調査

東大生の親の年収中央値も1000万円超え

上記のように東大生の親にも年収1000万円以下の家庭もそこそこいることがわかりましたが、それでもなお1000万円以上の家庭が3割以上いることがわかり一般家庭よりも裕福な家庭が多いことがわかります。その年収の平均ですが、やはり1000万円を超えていました。

下記は「2016年学生生活実態調査の結果(PDF)」にある東大生の親の生計を支えている方の税込み年収の分布です。生計を支えている方全てになるので共働きであれば2人分の年収になりますが、それでも平均が1068万円、中央値でも1010万円になります。

平均値と中央値

平均値はデータの総和をデータの個数で割った値のことです。 一方の「中央値」は、データを小さい順(または大きい順)に並べて真ん中に来る値のことです。平均値は総数を個数で割るだけなので、巨大な値が含まれていると全体を押し上げてしまいます。例えば年収100万円の人が9人、年収9100万円の人が1人いても、平均年収は1000万になってしまいます。

これに対して中央値はそういった巨大な数値の影響を受けないので、実態に則したデータであれば中央値のほうが参考になります。特に年収は平均年収よりも年収の中央値を見たほうがいいと言われています。

東大生の親の職業にも明確な格差

平均年収・年収の中央値もそうですが、職業格差もかなりのものです。先程の図では東大生の親で最も多い職業が「管理的職業」となっています。

これは要するに管理職、企業でいう役員クラスや社長であることを示しています。他には専門的・技術的職業であり、例えば弁護士や公認会計士、医師などの国家資格をもった専門職などです。この2つの職業が際立って多くなっています。

東大生の父親の半数は大企業

東大生の親の所属する企業についてのデータも「2016年学生生活実態調査の結果(PDF)」にありました。これによると東大生の父親の勤務先の従業員数も比較されています。

その図を見てみると従業員数1000人以上というほぼ間違いない大企業に勤める人の割合はほぼ50%。理学部や経済学部に通う東大生の父親にいたっては60%を超える割合でした。

上記と合わせて考えると従業員数1000人を超える大企業の管理的業務に従事する親がかなりの割合を占めるという結果で間違いないでしょう。

 

ベネッセの調査でもお金で中学受験を諦めた家庭が多い

また教育大手のベネッセコーポレーションが行った中学受験調査によると、「中学受験を迷う理由」 の1位は 「私立中学は授業料が高いから」(28.8%)、2位は「受験準備(塾など)にお金がかかるから」(22.9%)となっており、中学受験に踏み切る際の最大のネックは経済的な問題であることが浮き彫りになっています。

それもそのはず小学校受験と中学校受験は幼稚園から高校までの教育期間の中で最も資金がかかってしまう時期なのです。私立と公立の学校に行くだけでも教育費の総額差は1000万円にものぼります。

公立学校と私立学校の教育費推移を見ると、お受験と中学受験の時期に金がたくさんかかる!

このようにゆとり教育の危機感が招いた一部の加熱な受験戦争のおかげで、有名私立学校の合格率は公立学校よりも相当良くなりました。有名大学の席の数は決まっていますので私立学校の合格者が増えるということは、対する公立学校の合格者が必然的に少なくなります。

低所得者層でも通え、教育を受けることができる公立学校からの席が少なくなってきているので、私立学校が有名大学の席を独占し始めているのです。東大生の親の世帯年収が平均世帯年収から離れているのも、親の経済格差が高騰する教育費格差に影響し、結果教育機関の差がそのまま合格の格差につながっている、つまり親の経済格差が子供の教育格差につながっているのです。

東大の半数は有名私立大学卒ゆえ、経済格差が教育格差へ

ちなみにそれほどまでに子供を入れようとする有名中高一貫私立校。この私立学校がと公立学校からどれだけの人が東大に進学できているかを見てみましょう。

下の図は、公立校、私立校の生徒がどれだけ日本一の難関大学:東京大学に合格しているかの割合を示したものです。ご覧のように公立校と私立校との合格率の差は歴然たるものがあります。有名私立校である開成や、灘高校の東大合格者数は突出しており、下位のところでも私立校がかなりの部分を占めています。

日本一の難関大学の合格者数は私立学校が大半を占める

だから?人生は不公平で不平等。負け組は文句ばかりで何もしてない

非常に残酷な結果ですが、”全体を見れば” 親の経済格差が子供の教育格差を生み出してしまっていることはほぼ間違いありません。

その延長線上にある学歴格差がそのまま所得格差となり、そして次の世代の教育格差へとつながっていくことが容易に想像できます。今の時代ではさらに酷く、所得格差が結婚格差さえ生み出している世知辛い世の中になってしまっています。男性は年収300万円以下だと結婚できない率が大きく上昇していいることは事実です。女性も例外ではなく低年収だと結婚しにくくなっています。貧困の世襲、遺伝とは一番相続したくないものです。

しかしだからといって親のせいにするのはやめましょう。

親を批判しても誰も得をしない

考えてもみてください、自分が親だったら、実の子供に 「親(あんた)のせいで自分は人生不利なんだ」 と言われたら・・・。おそらく非常に悲しい思いをします。親も子供も。誰も得をしません。

いつの時代、どの世代をみても、結局他人のせいばかりにするやつは成功しません。偉そうに他人を否定する奴は大抵たいしたことありません。たいしたことないから器量も小さく、自分のせいではない、他人が悪い、社会が悪いと言って現実を見ようとしないのです。

人生とは不公平で不平等なもの

今の時代メディアの発達で平等、平等、公平、公平とさかんに綺麗事を叫んでいますが、人生は不公平で不平等なものであり、それが事実で現実です。親が裕福なら目標達成に10の努力が必要な所、貧乏な家庭だったら100の努力が必要かもしれません。

だから?ここで 「親のせい!」、「社会のせい!」 と文句を言っても誰も助けてくれません。

スタートは平等ではありませんし不平等です。○○が悪い!○○のせいだ!と口を動かす前に、手を動かしましょう。それができないからなら何も変わりません。不遇な環境が嫌なら脱しようと努力し、努力するのが嫌なら不遇を受け入れましょう。努力しないで金持ちになりたい・成功したいと言うのは 「勉強しないでテストで満点取りたい」 という子供と同レベルです。自分の人生です。自分で自分を助けましょう。

かの著名音楽家:ベートーベンが残した名言

努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功する者は皆努力している。
音楽家 : ベートーベン

努力した者が全て報われるとは限らん。
しかし、成功した者は皆すべからく努力しておる!!

努力した者が全て報われるとは限らん。

 

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