ソーシャルレンディングで貸出先開示の動きが強まる

今のソーシャルレンディングでは融資先の情報が見れない

今までのソーシャルレンディングというものは貸し手である一般投資家が「貸金業」の法律に抵触しないように融資先の情報は匿名になっていました。これにより我々一般投資家は自分の資金が一体どの物件に融資されているのか、総額で一体いくら融資されているのかわからないままでした。

これは投資家にとっては情報が全くないため圧倒的不利であり、逆にソーシャルレンディング業者は悪質行為を行っても情報が漏れにくく、業者が意図的にやりたい放題できる状況になっていました。みんなのクレジットのような業者が悪質行為を行っていても、投資家側からは情報が全くないため見抜くことが非常に難しいのです。

やはりこんな状況は異常であり不公平極まりないということで、「ネット融資の貸出先の情報開示」の動きが強まってきています。

証券取引等監視委員会が融資先情報の開示を要請

動いたのは証券取引等監視委員会です。

この証券取引等監視委員会は2018年初頭にも、あのラッキーバンクに対して「融資先の誤解をまねく情報」や「担保評価の誤解表示」を指摘して、金融庁に処分を行うよう勧告を行っています。実際、証券取引等監視委員会の調査のとおりラッキーバンクは身内企業に融資を行っており、担保評価も市場価格から異常に乖離した価格をつけていました。

この証券取引等監視委員会が金融庁に対して「貸出先の情報開示」を要請しています。

証券取引等監視委員会は7日、インターネットで集めた資金を企業などに貸し付ける「ソーシャルレンディング」の仲介会社に、融資先企業の開示を要請すべきだとの報告をまとめ、金融庁に提出した。

 資金の使途が募集内容と違うなどトラブルが相次いでいるためで、金融庁はこれを受け、仲介会社に融資先企業名の開示を促す通達を年度内に出す方針。

 ソーシャルレンディングは、仲介会社が小口資金を個人などからネットで集め、投資ファンドを通じて企業に融資する。配当利回りが比較的高く、近年人気が高まっているが、仲介会社は融資先の事業分野などを示しても個別の企業名は開示しないケースが多く、虚偽表示などのトラブルも増えている。 

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181207-00000176-jij-pol

[東京 7日 ロイター] – 証券取引等監視委員会は7日、金融庁に対し、ソーシャルレンディング業者の情報開示を充実するため、貸金業登録の際に借り手の匿名性などを求める運用を見直すよう要請した。要請は金融商品取引法に基づく「建議」として行われ、4年ぶり。

2017年以降、監視委がソーシャルレンディング業者に対し、金商法違反で行政処分するよう金融庁に勧告するケースが6件起きた。勧告理由には、貸付先に関する虚偽の説明が入る場合が多く、現行制度では投資家保護がおろそかになると判断した。

ソーシャルレンディング業者は金融商品取引業と貸金業の登録が必要。しかし、貸金業の登録に当たっては、融資先を複数持つとともに、融資先の「匿名化」が求められてきた。

匿名化は、貸し倒れになった際に投資家が融資先に取り立てを行うことを防ぐ目的で必要とされてきたが、監視委はこれが「隠れみの」になってソーシャルレンディングの融資先についての情報提供が十分になされず、投資家の判断に支障が出てきたとみている。

引用:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181207-00000075-reut-bus_all&pos=1

2018年中に、情報の開示が可能になる?

日経新聞記事の情報によると、2018年中に情報開示が可能になるという話まで進んでいるようです。これが本当であればソーシャルレンディングの仕組みで一番の問題点であった「情報の不透明さ」が解決されるため、業界も一気にクリーン化することも期待できます。

金融庁がファンドの運営会社や関係する業界団体を対象に、2018年度中に情報開示を可能にすると通知する。

引用:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO31871260W8A610C1MM8000/

どうやって開示させるのか

しかしどのような解釈をして情報の開示を行うのでしょうか。

単に融資先の情報を開示すると投資家が貸金業に抵触してしまう今の法律を変えるのでしょうか。それともTATERUやCREALのような国土交通省管轄の不動産型クラウドファンディングのように新しい仕組みを作るのでしょうか。

こればかりは金融庁がどのような対応をとるか期待してみていくほかないですね。

情報の開示によってさらなる業者の問題が発覚する恐れも

と、同時に匿名なのをいいことに身内に融資していたり、信用のないところに融資をしていた事実が明らかになって、いくつかのソーシャルレンディング業者がさらに飛んでしまう可能性も捨てきれません。

そんな業者はもういないと思いたいところですが、1社いれば3社、3社いればさらに悪質な業者はいるものです。

過去の経験でそれがよく起こっていました。2009年頃、淘汰の時代を迎えていた店頭FX会社は金融庁かr自己資本規制比率の開示の義務化や、信託保全の義務化など規制が次々とかかっていました。これをきっかけに、不透明な運営や資金管理をしていた悪質業者や中途半端な業者もこれでもかと廃業や事業譲渡を繰り返しました。当時の店頭FX会社は200社以上存在していましたが、淘汰の時代を乗り越えて今も存続しているのは50社に満たない数です。それだけ多くの業者が消えてしまったのです。業界が正常になるにはある程度痛みをともなうものであり、この情報の開示が「パンドラの箱」を開けてしまわないか心配です。

 

 

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