ラッキーバンクで多くの案件に遅延が発生中!最悪の事態も覚悟
ラッキーバンクの返済遅延が多発している
GW中に不穏なニュースが入ってきました。ラッキーバンクの案件の多くに利息の遅延が発生しているという報告があちこちで聞かれています。私のところにもいくつかの案件の返済遅延の連絡が来ています。
ラッキーバンクは今年2018年の頭に業務改善命令の行政処分を受けました。ラッキーバンクは身内会社に顧客からの資金を流しており、その身内会社への審査はずさんそのものであったという行為が問題とされ、それが明るみに出ました。その点を踏まえて証券取引等監視委員会が金融庁に行政処分を勧告し、2018年3月2日にに業務改善命令の行政処分が下りました。
参考:ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する行政処分について
その後ラッキーバンクは新規の申し込みを停止し、顧客の預り金口座も廃止しました。その後何事もなく進んでいたのですが、どうにも怪しい感じが抜けきれないところに、ヤバイ事態が顔を出し始めました。
人気業者のため投資家は多数
ラッキーバンクはソーシャルレンディング業者の中でも全案件に不動産担保かつ、利回りも7~10%以上と非常に高いこともあって人気がありました。特に2017年は申込み開始数分で枠が埋まってしまい、まず申し込み競争にかたなければ投資することすらできなかったものです。そのためかなりの投資家が資金を入れており、これまでの資金流入は100億を軽く超えています。かなり遅延に焦っている方は多いと思われます。
各ブログのラッキーバンク遅延案件をまとめてみました。
遅延の紹介をしているブログを見て回りました。ソーシャルレンディングブログの中でもかなり精通していらっしゃるロドスタさんのブログが一番参考になります。各案件の投資対象に関してまとめてくださっています。
:ロドスタのソーシャルレンディングブログ
1.東京都港区不動産担保ローン
2.東京都世田谷区不動産担保ローン
3.東京都杉並区1棟収益物件売却PJ
4.東京都中央区東日本橋エリア不動産担保ローン
5.神奈川県藤沢市不動産担保ローン
6.東京都千代田区不動産担保ローン
7.台東区東上野不動産担保ローン
8.東京都内住宅用地開発・販売プロジェクト
9.東京都品川区不動産担保ローン
10.東京都港区表参道エリア不動産担保ローン
11.東京都港区不動産担保ローン
12.埼玉県さいたま市北区/東京都足立区綾瀬/神奈川県横浜市旭区不動産担保ローン
13.東京都渋谷区1棟収益物件コンバージョンPJ
14.東京都文京区不動産担保ローン
15.千葉県流山市不動産担保ローン
16.東京都大田区不動産担保ローン
他のブログのかたはご自身が投資している案件の中で遅延が起こったところを紹介してくださっています。主にロドスタさんがまとめてくださった案件に投資しているファンドが対象ですね。
:ロドスタさん自身の投資案件
第296号ローンファンド 東京都港区×東京都中央区
第212号ローンファンド 東京都港区×東京都中央区
第244号ローンファンド 東京都世田谷区×東京都中央区
第142号ローンファンド Lucky Bank 55億円突破記念
第329号ローンファンド Lucky Bank 130億円突破記念
第385号ローンファンド Lucky Bank 130億円突破記念
:30代個人事業主のソーシャルレンディングの投資実績さん
第352号 ローンファンド東京都品川区×東京都中央区
第351号 ローンファンド東京都千代田区×東京都中央区
第385号 ローンファンド Lucky Bank 130億円突破記念
第246号 ローンファンド 東京都港区×東京都中央区
:ソーシャルレンディング赤裸々日記 比較情報-ニュースサイトさん
第213号ローンファンド 東京都港区×東京都中央区
:IPOで稼ぐメカニックの株ログさん
第339号ローンファンド Lucky Bank 120億円突破記念
ラッキーバンク返済遅延リスト・・・6割以上が遅延
ソーシャルレンディングの歩き方を運営していらっしゃる小山さんが「ラッキーバンク返済遅延リスト」をまとめてくださっています。案件番号事態を元に判別。赤色が返済遅延を起こしているものであり、黒が未確認のものになっています。現在ラッキーバンクが運用している案件は182ほどあり、そのうちの120が遅延を起こしているというとんでもない事態です。
126,142,143,144,145,146,147,148,152,153,154,155,156,
192,201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,
211,212,213,214,215,216,217,218,219,220,
221,222,223,224,225,226,228,229,234,236,237,238,240,241,
242,243,244,245,246,248,250,251,252,254,256,257,258,259,263,264,268,269,270,
271,272,275,276,278,279,280,292,293,294,295,296,299,
300,301,302,304,305,306,307,308,312,313,315,316,317,318,321,322,
326,327,328,329,330,333,334,335,336,337,338,339,342,344,
345,348,349,350,351,352,356,357,360,362,363,364,365,366,371,372,373,374,
375,378,379,380,384,385,386,387,388,390,391,392,393,
394,395,396,397,398,399,400,401,403,404,405,
406,407,408,409,410,411,412,414,415,416,417,418,419,
420,421,422,423,424,425,426,427,428,430,431,432,433,434,435,436,438
自分の分析を信じきらなかったことを後悔
私は多くのソーシャルレンディング業者を通じて投資をしていますが、その中にラッキーバンクで投資している額が100万円ほどあります。無論投資している案件にも遅延が発生している状況です。正直、私にはラッキーバンクを避けられたのに避けなかった点で後悔があります。
実を言うとちょうど一年ほど前、ソーシャルレンディング業者分析をした結果、ラッキーバンクは「設立が浅い」「独立業者」「資本関係不明」「社長が若すぎる&金融畑でない」「やたら高利回り」という点を考慮し、リスキーな業者であると結論を出していました。にもかかわらずみんなのクレジットの事態が発生するまで追加投資を行っていたのです。自分の分析を信じていれば回避できましたが、高利回りに欲が出てしまったことを後悔しています。
ただみんなのクレジット事件が起きてからは投資を控えてたので被害がそれ以上に拡大しなかった点だけは不幸中の幸いでした。それをしていなかった場合、投資額は数倍になっていたかもしれません。
考えられる最悪の事態とは、みんなのクレジットは-97%
まだ状況はよくわかっていないためになんとも言えないのですが、ソーシャルレンディングで考えられる最悪の事態は貸し倒れです。貸した資金が戻ってこない状況、あるいは欠損して一部しか戻ってこない状況のことです。
これは前例があります。何を隠そう去年のみんなのクレジットの結末です。みんなのクレジットはラッキーバンクが小物に見えるほどの悪行の限りを尽くした上で、一部案件は償還を続けていましたが、最終的に一部債権の31億円が9,660万円で売却され、弁済率3.22%という利回りー97%という状況になってしまっています。
こちらも上記と同じソーシャルレンディングの歩き方を運営していらっしゃる小山さんさんが情報を提供してくださっています。
参考リンク:みんなのクレジットが2月26日に債権譲渡、譲渡先は不明
ラッキーバンクの返済遅延のメール内容には 「なお、サービサーへの債権売却も、最終的な選択肢にはありますが、現時点では、弊社といたしましては、任意売却または担保権の実行による競売によって債権の回収の極大化を図っていく予定です。 」 という記述が入っています。これはみんなのクレジットと同様、債権を二束三文で売却して欠損を確定させるものです。
最悪の場合、債権売却による大幅な元本の欠損という事態も覚悟しなければいけません。
現在のラッキーバンクにおける希望(的観測)
情報がほとんど出てこないためラッキーバンクが今後どうなってしまうのかは全然わかりません。よってほぼ推測することしかできないのですが、個人的にはみんなのクレジットのような二束三文での債権売却によるほぼ全損の状況にまではならないと思います。
理由としましてはみんなのクレジットとは違い、ラッキーバンクは 「不動産担保」 を取っていること。ラッキーバンクの説明がどこまで信用できるかは不確かな点もありますが、ロドスタさんのブログによるとラッキーバンクはきちんと抵当権を取っていることが確認されています(どこの不動産かまではわからないです)。どこまでの案件で、どこまで不動産担保をとっているのか、またその査定額は正しいものなのかといった点はわからないのですが、サービサーへの売約ではなくきちんとした担保処分をできるのであれば元本欠損はせいぜい2~3割程度に収まるのではないかと。
ただしこれらはラッキーバンクが会社の謳い文句の通りに 「全案件に不動産担保」 をきちんと実行していた場合です。現状半分以上の案件に遅延が発生していることからも、ラッキーバンクは高い利回りをエサに新たな資金流入を呼び込み、それを過去の利払いにするような自転車操業をやっていた可能性が高いです。それが行政処分によって資金流入が止まってしまったために資金切りがショートし、現在の状況になってしまったのでしょう。
それを考えると、もともと無理な資金繰りをしていたので欠損は避けられないようにも思えます。どういう処分をするのかはわかりませんが、比較的新しい案件ほど破綻のリスクが高いのではないでしょうか。
また他にも不明点があります。ラッキーバンクに処分を勧告した証券取引等監視委員会はこの資金繰りや査定がザルだったことを2017年2月には把握していたのです(ラッキーバンク・インベストメント株式会社に対する検査結果に基づく勧告について)。しかし実際に行動に出て勧告を行ったのは、それから1年もたった2018年になってから。この期間一体なにをしていたのか。こういう事態を見越してのなにかの準備をしていたのか・・・希望的観測ですが、そういったことがあってほしいものです。
いずれにしてもラッキーバンクはみんなのクレジットとは違って投資金額も投資家の数も桁1つ多い業者です。ここがみんなのクレジットのように全損に近いようなことを起こした場合、せっかく発展してきたソーシャルレンディング業界は大きく縮む可能性が高くなります。正直maneo提携のソーシャルレンディング業者の中には、10%を超えるようなかなり怪しい利回りを提供している業者もあり、危なそうな条件を満たしています。そういったところは投資家からの新規資金流入を目当てにしているため、業界が萎めば資金繰りがショートする業者がまだまだ出るかもしれません。