糖尿病リスクは自己管理のできない低学歴低収入の人ほど高い

昔とは違い現在では容易に栄養が取れるようになった

少し前までは映画や漫画などのフィクションでは 「悪の金持ち=デブ」 というイメージがありました。悪の所業を行い、そのお金でブクブク太って不健康というイメージがあったのです。それは太るということが富の象徴でもあったからです。ほんの半世紀前では世界の殆どの国が、今とは比べ物にならないほど食べ物を確保することが難しい時代のため、太ることは食べることに困らない環境にある金持ちぐらいしかなれませんでした。昭和の時代では、肥満はぜいたい病と言われていたくらいです。中国でも少し前までは太っている人はお金持ちのイメージが強く残っていました。

しかし現在においては全く逆の結果になっています。現在の世界は豊食の時代になっているため貧困層の人間でも高カロリー食を簡単に入手できるようになりました。ほんの数百円も出せば1,000kcalを超えるジャンクフードや食品を簡単に入手することができるのですから、その気になれば一日に10,000kcalの食事を取ることだってカンタンです。その結果、カロリーを取り過ぎて肥満になりすぎてしまう人や、偏った栄養ばかりを取り過ぎて体調を崩してしまうなど ”現代病” といわれるような疾患に掛かる人が増えてきました。このような食料調達が容易になった時代においては栄養不足は起こりにくくなりましたが、逆に ”カンタンに手に入りすぎてしまう” カロリーや栄養を自己管理しなければならなくなってきたのです。管理ができてない人の中に現代病・生活習慣病と言われる糖尿病・高血圧・メタボになる人が増えてきています。そういった病の代表格でもある糖尿病にどのような境遇や環境の人がかかりやすいのかを調査した研究チームがいました。

低学歴、低収入であるほど糖尿病にかかるリスクが高い

韓国の亜洲大病院の金大中教授チームが、学歴・所得水準ごとの糖尿病にかかる確率を調査。その結果、低学歴、低収入であるほど糖尿病にかかるリスクが高かったという結果を発表しました。

■高学歴者と低学歴者ではリスクが8倍違う
金教授らの論文によれば、30~64歳の女性を対象に糖尿病発生リスクを調査。 12年以上の教育を受けてきた人を「1」とすれば、教育期間が10~12年であればリスク値は「2.1」、7~9年が「5.1」、7年未満では「8」だった。 高学歴者と低学歴者ではリスクが最大で8倍も違うのだ。また男性では5.8倍だったとのこと。

■所得上位と最下位では糖尿病リスクが5倍。
また世帯収入に応じた糖尿病発生リスクの格差も興味深い。家計所得と糖尿病発生のリスクを比較して、所得が上位25%以内である女性を基準を「1」とすれば、所得上位25-50%が「2」、所得下位25-50%が「2.7」、所得下位25%以下が「5」であった。こちらは最大で5倍ものリスクの開きがあった。そして男性の場合は1.9倍。

■高学歴セレブは健康管理が万全
同教授らによれば、高学歴・高収入などの社会・経済的に余裕のある人は「身体を鍛えてウエスト周囲径が比較的短く、血圧も低かった」とのことで、健康管理が行き届いている結果だという。

日本も低所得層の子供ほど栄養が偏っている

糖尿病は生活習慣病とも言われているように食べ過ぎ飲み過ぎなどの食生活の乱れや運動不足などの生活自体の乱れが原因であるとよく言われています。他にも遺伝的な理由もありますが、基本的には環境遺伝です。親が太りやすい食事をして寝不足運動不足など乱れた生活をしていれば、子供も生活が乱れて糖尿病になりやすくなってしまうということです。

そういった食生活の乱れですが日本では低所得層ほど生活や栄養が乱れている結果が出ています。厚生労働省の発表している 「国民健康・栄養調査」 によると各所得階層別において野菜や肉の摂取量に違いが出ています。高収入層の 「600万円以上」 、中収入層の 「200万円~600万円」 、低収入層の 「200万円未満」 に分けて食品の野菜や肉などの1日当たりの摂取量を集計した結果、高収入層になるほど野菜や果物の摂取量が多く、低収入層になるほどその量が少なくなっていることがわかります。低収入層世帯ほど栄養が乱れ、生活習慣病になりやすい要因になっているのです。

将来の不利益を考えず目先の短絡的判断が病を呼ぶ

なぜ貧困層はそういった栄養が偏る食事ばかりをしてしまうのでしょうか?いろんな意見がありますが、大きな理由には貧困層にありがちな、先を考えない、すぐ快楽に走る、面倒なことはしない、などの短絡思考が挙げられます。大阪大学の池田教授は性格と肥満の関係について研究結果を発表しています。

「肥満や痩せは、多くの場合、医学の問題として取り上げられるが、実は経済学の問題でもある」人は、どれだけカロリーを取るかを決めるとき、食べることによって得られる利益と不利益を比べる。「美味しい」という喜びが得られる利益と、それによって太ってしまう不利益を、心のなかで天秤にかけるのだ。そこで大阪大学では、この「天秤にかける」という計算がきちんとできるかを性格分析した。目先の喜びを克服し、どれだけ将来の不利益を避けることができるかという分析だ。

ここで重要だったのが、「せっかちさ」という性格だったという。簡単に言えば、こういうこと。

「せっかちな人は、肥満になるという将来の不利益を、きちんとコスト換算できない」

だから、目先の食欲を我慢できないのである。

これは経済学における「時間割引率」の概念にあたる。現在の100円の利益を、将来の何円の利益にまで割り引けるかという問題だ。つまり、将来においてどれだけの利益を受け取れるならば、現在の100円を我慢できるか、という計算である。せっかちな人は、この「時間割引率」が高すぎる。将来にかなり高額の利益が期待されない限り、現在の100円を我慢できない。だから目先の満足感を優先してしまい、将来の不利益を無視してしまう。

昔はすぐ快楽に走る、食べたいものを食べる、といっても食べることそのものができなかったので肥満になることはありませんでした。肥満による病にかかることもありません。肥満になれなかったのですから。しかし今ではそれができるようになったため、本人の自己抑制以外に本能を遮るものがありません。よって自分で栄養管理、体調管理ができない人はどんどんカロリーや栄養を過剰摂取してしまい、どんどん肥満になり病気にもなりやすくなります。

前述の糖尿病に関する金教授の研究結果にも高学歴・高収入などの社会・経済的に余裕のある人は「身体を鍛えてウエスト周囲径が比較的短く、血圧も低かった」とのことで、健康管理が行き届いている結果を出しています。自らを律する能力がある方ほど収入や学歴が高く、自らを律することが出来ない人ほど暴飲暴食をしてしまいがちです。アメリカだけでなく日本も、今では太っている人間は自己管理ができていない人間とみなされ、重要なポストを任されることは少なくなってきました。

糖尿病について

糖尿病(とうにょうびょう、拉,独,英:diabetes mellitus)は、血糖値(血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度)が病的に高い状態をさす病名である。ひとことに血糖値が高いと言っても、無症状の状態から、著しいのどの渇き・大量の尿を排泄する状態、さらには意識障害、昏睡に至るまで様々であるが、これらをすべてまとめて、血糖値やヘモグロビンA1c値が一定の基準を超えている場合を糖尿病という。

糖尿病は高血糖そのものによる症状を起こすこともあるほか、長期にわたると血中の高濃度のグルコースがそのアルデヒド基の反応性の高さのため血管内皮のタンパク質と結合する糖化反応を起こし、体中の微小血管が徐々に破壊されていき、目、腎臓を含む体中の様々な臓器に重大な障害(糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の微小血管障害)を及ぼす可能性があり、糖尿病治療の主な目的はそれら合併症を防ぐことにある。

wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85

(糖尿病は悪化すると手足の麻痺を引き起こしたり、腎臓がやられて人工透析をしなければいけなくなったり、ひどいときには手足の先が壊死して切断しなければならなくなったり、目が見えなくなってしまうなどひどい合併症を引き起こすリスクがあります)



糖尿病が引き起こす3大合併症



糖尿病神経障害
合併症の中で最も早く出てくるのがこれです。中心となる足や手の末梢神経障害の症状の出かたはさまざまで、 手足のしびれ、けがややけどの痛みに気づかないなどです。そのほか筋肉の萎縮、筋力の低下や胃腸の不調、立ちくらみ、発汗異常、インポテンツなど、さまざ まな自律神経障害の症状も現れます。


糖尿病網膜症
目の底にある網膜という部分の血管が悪くなり、視力が弱まります。中には失明する場合もあります。また、白内障になる人も多いといわれています。


糖尿病腎症
おしっこを作る腎臓の、糸球体という部分の毛細血管が悪くなり、だんだんにおしっこが作れなくなります。す ると人工透析といって、機械で血液の不要な成分をろ過して、機械でおしっこを作らなければなりません。週に2~3回、病院などで透析を受けるようになるの で、日常生活に大きな影響を及ぼします。現在、人工透析になる原因の1位がこの糖尿病腎症です。

糖尿病は昔は 「ぜいたい病」 と言われていましたが、現代では貧乏病と言われるかもしれません・・・