トレイダーズHD課徴金!過去から見ても信用できない業者
トレイダーズHDに課徴金1億3170万円
FXや仮想通貨の会社を運営している金融グループのトレイダーズHDが、有価証券報告書に虚偽の記載をしていたという報告が証券取引等監視委員会から上がっています。証券取引等監視委員会は金融庁に課徴金納付を命じるように勧告しており、近く金融庁より正式に処分が下ることが予想されます。
トレイダーズHDは「再生可能エネルギー事業を手がける関連会社を連結子会社にした際に、のれんの減損損失を計上しないなど不適正な会計処理をしており、これが処分の対象になりました。」課徴金は1億3170万円にのぼり、最近赤字続きで売上高も右肩下がりであるトレイダーズにとってこれはかなり痛い処分になるかもしれません。
トレイダーズホールディングス株式会社における有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
1.勧告の内容
証券取引等監視委員会は、トレイダーズホールディングス株式会社(法人番号5010401039284)(以下「当社」という。)に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。
2.法令違反の事実関係
(1)継続開示書類
当社は、関連会社を連結子会社とした際に発生したのれんの減損損失の計上並びに当該連結子会社が行う再生可能エネルギー関連事業に係る売上及び棚卸資産の計上を適正に行わなかった。
この結果、当社は、関東財務局長に対し、金融商品取引法第172条の4第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」以下の有価証券報告書等を提出したものである(「重要な事項につき虚偽の記載」の内容は別紙1のとおり。)。
・平成29年3月期有価証券報告書(平成29年6月27日提出)
・平成29年6月第1四半期四半期報告書(平成29年8月10日提出)
・平成29年9月第2四半期四半期報告書(平成29年11月14日提出)
・平成29年12月第3四半期四半期報告書(平成30年2月14日提出)
(2)発行開示書類
当社は、関東財務局長に対し、平成29年12月25日、上記(1)の重要な事項につき虚偽の記載がある平成29年3月期有価証券報告書及び平成29年9月第2四半期四半期報告書を組込情報とする有価証券届出書(新株予約権証券の募集)を提出し、当該有価証券届出書に基づく募集により、平成30年1月10日、17,300個の新株予約権証券を2,660,013,400円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させた。
これにより、当社は、関東財務局長に対し、金融商品取引法第172条の2第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類を提出し、当該発行開示書類に基づく募集により新株予約権証券を取得させたものである。
一部引用:https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2018/2018/20181218-1.html
追記:正式に金融庁より課徴金支払い命令が下る
2019年1月31日には金融庁は上記の証券取引等監視委員会からの要請から調査をした結果、課徴金の納付を命ずる旨の決定をしました。トレイダーズHDに1億3170万円の支払い命令が下りました。経営があまり芳しくない状況において億単位の課徴金の支払いをする余力が果たしてどのくらいあるのか疑問です。
本業が危ないのではないか
もともとこういった会計の不適切処理というのは、本業の状況が芳しくないために行う事が多く、トレイダーズにとっては泣きっ面に蜂といった状況になる可能性が高いですね。
夏には仮想通貨取引所も売却している
トレイダーズHDは仮想通貨取引所も保有していましたが、システム面が脆弱であり金融庁から行政処分を喰らいました。その後、今年2018年の8月にはその仮想通貨取引所「みんなのビットコイン」を楽天グループに売却しています。
売却額は2億6500万円であり、今回の課徴金はその売却額の半分を占めるものになります。せっかく事業を売却して得た資金の半分を自らの愚行によって失うことになってしまいました。
楽天、みんなのビットコインの買収を発表
楽天(4755)は31日、仮想通貨交換業を手掛けるみんなのビットコイン(東京・港)を買収すると発表した。トレイダーズインベストメント(同)から10月1日にも全5100株を2億6500万円で取得する。楽天は初めて仮想通貨交換事業に参入する。 みんなのビットコインは仮想通貨交換のみなし業者で、交換業者の登録を申請中。コインチェックによる仮想通貨の巨額流出事件を受けて、関東財務局から経営管理体制の構築など幅広い業務において改善命令を出されている。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL31HKT_R30C18A8000000/
もともとトレイダーズはやらかすことが多い業者
個人的にトレイダーズHDというのは以前からやらかすことが多い業者というイメージが強いです。
今でこそトレイダーズ証券というのは「FX」「システムトレード」「バイナリーオプション」といった色んなサービスを運営していますが、10年くらい前はちょっとサービスをやってはすぐ止めて、そのしわ寄せが顧客に及ぶということが非常に多かったのです。
トレイダーズHDは顧客ポジを3回も強制決済した
トレイダーズHDは10年前は「ネットフォレックス」、「NFXプロ」の2つのFXサービスを提供していました。それとは別に「トレイダーズFX(子会社)」という子会社もありました。
しかしこれらのサービスは全部終了しました。そのすべてがトレイダーズ側による都合です。採算悪化による事業終了や別サービスを買収したので既存のサービスをお払い箱にしたりしました。
そして、このサービスで取引していたトレーダーは業者がサービスを終了するに伴いポジションを強制決済されました。他の業者では別業者にポジションを移管してくれる対応をしたところもありましたが、トレイダーズは3回ともやりませんでした。
当時の強制決済のまとめです。
2017年も強制決済させられた
そういえば去年もみんなのFXの取扱通貨ペアを一方的に削減して、その通貨ペアをトレードしていた人は泣く泣く決済をしなければならない状況になってしまいました。全然変わっていません。
トレイダーズ証券をご愛顧いただきましてありがとうございます。
この度、「みんなのFX」は、米ドル/カナダドルの通貨ペアの取扱いを、誠に勝手ながら終了させていただくこととなりましたのでご連絡いたします。取扱い終了までの詳細は、以下のとおりとなります。
■対象通貨ペア
米ドル/カナダドル(USD/CAD)
■新規取引について
2017年8月19日(土)の定期メンテナンス以降、新規注文ができなくなります。
また、8月19日(土)の定期メンテナンス時に、それまでにお客様がご注文された未約定分の新規注文を取り消しさせていただきますのであらかじめご了承ください。
※決済注文のみ受付可能となります。
■保有建玉について
決済注文終了時までに、お客様の保有建玉につきましては決済していただく必要がございます。
※決済注文終了の期限につきましては、2017年11月頃を予定しておりますが後日改めてご連絡いたします。
引用:http://min-fx.jp/press/id/index/2419/
トレイダーズHDの先行きは不安
トレイダーズHDは課徴金をくらっただけでなく、本業も芳しくない状況が続いています。グループの売上はFXなどの金融事業だけではありませんが連結決算を見ても赤字が続いています。
さらにここ数年の推移を見てみると、売上高も右肩下がり、赤字ですのでEPSは大幅マイナス、BPS(1株あたり純資産)も激減、赤字も連続しています。
下記サイトからグラフを引用させていだきました。
(http://shareblog.info/archives/5563)より引用
みんなのFXは大丈夫か
こうなるとFXサービス「みんなのFX」「みんなのシストレ」などを利用している人は不安になるかもしれません。
ただFXサービスというのはどこかが経営悪化になると買収や事業譲渡される可能性が非常に高いため、これまでのように急にサービス停止、ポジション強制決済!といったパターンになる可能性は低いです。みんなのFX自体は運営歴も長いため、それなりにトレーダーも抱えているので買い手となるFX会社はかなりたくさんあるのでまず大丈夫です。
ただトレイダーズHDは今まで顧客に対して不誠実なことばかりをしてきた前科がありすぎるので、まともに信用していいかはどうかは自身がありませんね。私はこれまでもこれからも利用することはありません。