税金は金持ちから取るべきだ!

お金持ちの税金は高くない・・・

負け組父さんに限らずほとんどの人は 「税金はお金のある金持ちからもっととるべきだ!」 と主張します。しかし実際のところ一定の所得累進課税があるものの、とりたてて金持ちだけに高い税金がかかることはほとんどありません。これはなぜでしょう? ロバート・キヨサキさんの 「金持ち父さん貧乏父さん」 を読んだことのある人ならお分かりだと思いますが、アメリカではEクワドランドやSクワドランド(被雇用者、自営業者)の税金は高く、BクワドランドやIクワドランド(ビジネスオーナーや投資家)の税金は安い状態です。それにはいくつかの理由があります。

【理由その1】 税金を決めるのは金持ちであるから

政治家はお金持ちには逆らえない

国の重要ポストに就く人はどの国でも”お金持ち”やその関係者です。たとえ民主的に庶民から選ばれた人でもお金持ちの支えなしには政権につくことはできません。ゆえに税金を決める政策には常にお金持ちの意見が反映され、当然お金持ちの税率は低くしろという要求がくるのです。 ただし、いきなり0にしろというバカな金持ちはいません。そういった傲慢な政策は長く続かないことを歴史が証明しているので、庶民が暴動を起こさないようにギリギリのレベルに抑え、なおかつ庶民にわからないようにするのです。 今の教育ではそんな税金のことは一切教えません。そのほうが金持ちにとって都合がいいですからです。おまけに庶民の間では「お金の話をするのは悪いことだ」という根拠のない考え方が浸透しているのでよりお金持ちにとって都合がいいのです。

消された富裕税

税金の一種に、富裕税というものがあります。この富裕税というのは一生の間に使いきれない程の富を持つ金持ちの資産に対し課税するという税金というもので、まぁ簡単にいえば『金持ちだけかかる税金』です。おお!これはいいんじゃないか!もっと金持ちから取ってくれよ!・・・という声が聞こえてきますが、現在日本にこの富裕税はありません。現在というのは、過去にはあった時代もあるのです。それは日本が戦争に負けて敗戦国となりGHQの占領下に入った時代です。GHQは「資産所有者は多く納税しろ」とこの税法を作ったのですが、やはり外国からの押し付け法律・・・日本がGHQから独立したときにあっさり消されました。そう、お金持ちたちの力によって。そしてお金持ちにとって都合の悪いこの話は歴史の表舞台には出されないようになったのです。

金持ちの圧力:
実はとある税制調査会長が、庶民から毟り取る消費税増税よりも高額所得者の累進課税強化が正しいという答申を出そうとしました。そしたら、そんなことになったら都合が悪いと金持ち族の自民党議員が反発して、ある事無いこと言われてスキャンダルで失脚させられたことがあります。金持ちが政権を握っている限り金持ちへの大増税などありえません!

【理由その2】 金持ちよりも庶民のほうが税金を取りやすい

これも単純な理屈です。お金持ちの家庭では代々お金の知識、特に税金に対しての知識を教え込みます。金持ちにとって金持ちでいるためのお金の知識は必須であり最大の支出である税金に対して対処するのは当然のことです。その一方、庶民にはお金の知識がほとんどありません。教育現場ではお金のことには一切触れませんし先ほど説明したように 「お金の話をするのは悪いことだ」 という”洗脳”さえされています。さて、政府にとってどちらから税金を取るほうが簡単でしょうか?

代々お金に対する教育をされ税金対策がしっかりしているお金持ちでしょうか?

それとも「お金の話をするのは悪いことだ」と考えお金に関して無知である庶民からでしょうか?

結論は簡単ですね。完全に庶民のほうです。その庶民から税金を取る最も簡単な方法なのが ”源泉徴収制度” です。これはサラリーマンの方なら聞いたことありますね。これは会社が社員の給料から予め税金を天引きし、社員の代わりに会社が払ってくれる制度です。これを聞いて 『自分で税金の計算をしなくていいから楽だ』 というバカもいますが、それは全く違います。そもそもこの源泉徴収制度は、戦後の復興時に税金を効率良く集める方法として編み出されたものです。税金の計算を自分でやらせないことによって、国がどれだけサラリーマンから税金を取っているかわからなくなっています。ちなみにサラリーマンの方、あなたが去年払った税金はいくらか答えられますか?大半の人が答えられませんね。そうやって税金に無知はバカを増やしていけば、国は簡単に税金を徴収することができます。そして給料天引きですから、サラリーマンに増税をしたってほとんど気づかれません。気づいていますか?ここ10年の間に何回も増税が行われていることを?サラリーマンは最も税金を取られやすい対象なのです。

【理由その3】 税金を高くすると金持ちは海外へ逃げてしまう

先ほど説明したようにお金持ちというのはお金の知識が豊富で税金に敏感ですから高い税金をかけられると税金の安い国へさっさと移り住んでしまうのです。庶民にはできませんがお金持ちですから移住は簡単です。

海外にはタックスヘイブンという税金のとても安い国があるのでそこに移住してしまうのです。少し前ハリー・ポッターの翻訳者がスイスへ移住したのを覚えているでしょうか?その理由はスイスのほうが税金が安いからです。このケースでは摘発されたため税金逃れにはなりませんでしたが、下手に税金を高くすると海外へ行かれてしまい、とりっぱぐれてしまうのでお金持ちの税金は高くできないのです。お金持ちに対する税金というのは庶民の税金に対してとても難しいものです。

【理由その4】 結果的にしわよせは弱者へ向かう

では仮に税金を高くしてみるとどうでしょう。金持ちはいくら稼いでもそのほとんどを税金に持っていかれます。貧乏人はそれならいいやと思っていますが、金持ちはとんでもありません。考えてみてください、自分が汗水たらしてやっと稼いだお金が、税金という名目でほとんどごっそり持っていかれてしまうのです。例えば、毎日朝7時から23時まで休みなく働いて、いろいろ人間関係につかれてストレスを貯めて、家族ともほとんど会えず、寿命を削ってやっと年1,000万円稼いだとします。すると税務署がやってきて、税金ですから~と600万も、700万も、800万ももっていかれます。一方、たいして働きもしなかったので年500万の人が、50万とかいう低額です・・・。いくら高額所得者でも、こんなのやってられませんよね!これ以上稼いでも税金にとられるなら働く気がなくなります。するとニートとは別の 『働いたら負け』 の風潮が生まれてしまいます。そうなればしっかり働く高額所得者の労働意欲を失ってしまいます。

するとどうなるでしょう?金持ちが働かなくなったから低収入の俺が昇進して高額年棒がもらえる!・・・なんてバカなこと考えている貧乏人さんはまさかいませんよね?もちろんそんなことありません。むしろ高額所得者が働かなくなると貧乏人にしわよせがくるのです。考えてみてください。今あなたが働いている会社を作ったのは誰ですか?一番動かしているのは誰ですか?誰があなたに給料を払っているのですか?会社の株主や経営者、エリートたちの金持ちたちですよね。彼らのような金持ちや高額所得者が労働意欲を失うとどうなるでしょう・・・?会社がちゃんと動かなくなり、経営がなりたたなくなります。すると会社もお金を稼ぐことができなくなり、経費削減のためリストラ、ひょっとしたら倒産だってあります。エリートたちが次々と 『働いたら負けだ』 とどんどん仕事を投げ出します。何かと批判を浴びている高額所得者ですが、実は彼らがしっかりとビジネスをするからこそ、社会の中で大きな消費が生まれて景気もよくなりますし、彼らが積極的にビジネスをするからこそ、人員が必要となり雇用が生まれるのです。そんな彼らが働かなくなれば、雇用もなくなりますし、景気もどんどん悪くなります。そうして労働者がとばっちりを受けるのです。金持ちはその頃、こんな国にはいられないと海外へ逃げていってしまうでしょう。そして、ますます貧乏になった負け組たちが残されるだけです。

A. 「俺は金持ちが嫌いだ!!」
B. 「なんでだい?」
A. 「奴らは俺よりいい家に住み、うまいものを食い、俺よりお金をもっているからさ」
B. 「では誰がおまえに給料(仕事)をくれるんだ?」
A. 「・・・金持ちさ」

上記はウロ覚えですが、金持ち父さん貧乏父さんの書籍の中で紹介されていた社会の構造を皮肉ったエピソードです。元は英語で日本語訳されているので若干表現の違いはありますが、言いたいことは十分わかるでしょう。結局、労働者の仕事というのは金持ちがもっと金儲けをしようとビジネスをするからこそ生まれるものです。そんな彼らが仕事をしなくなり、ビジネスを辞めてしまえば、当然雇用はどんどん減っていきます。ビジネスも減り雇用も減るのですから、当然景気も悪くなり税収も低くなります。事実、民主党政権になり所得税や住民税の増税を各種控除廃止という形で実行しています。給与所得控除廃止はかなりのものでした。結果どうなりました?景気は改善するどころかますます悪化し、借金も増加、格差が広がったと批判を浴びた小泉政権ではまだ仕事があったのに、今では仕事そのものもありません。増税は経済を悪化させるだけなのです。特に不景気の増税は致命的なものがあります。

お金持ちの税金は高くできない!

以上のようにお金持ちの税率が低いのはちゃんとした理由があったのです。もし下手に税金を高くすると国内の優秀なお金持ちたちがみんな出て行ってしまい国の重要な人がいなくなってしまいます。また金持ちの労働意欲が無くなるわけですから、大きなビジネスも減っていき、新ビジネスも少なくなります。そうすると新たな雇用は生まれませんし、今まであった仕事もなくなってしまいます。さらに優秀な人材や金持ちがどんどん国外へ脱出してしまい、人材の空洞化から経済は落ちてしまいます。結局、金持ちへの増税は労働者の雇用を減らし、景気を悪くして、すべて庶民にしわ寄せがきてしまうのです。金持ちが意図的に金持ちからたくさん税金を取らないようにしているという理由もありますが、たくさん取れない(取らない)というのが本音でしょう。もし、金持ち増税とかをほざく政治家がいたら、その人は経済学が、いや簡単なシュミレーションもできない大バカです。

『 税金は金持ちからとれ 』

と叫ぶのはもうやめませんか?ちなみに増税ではなく減税すれば、むしろ税収は増えることが証明されています。米国では、過去にもレーガン政権、ケネディ政権も減税によって税収のアップに成功しました。しかし逆に強い経済大国を実現したレーガン政権で副大統領だったブッシュ氏の父は、大統領に就任してからなぜか増税政策に走り選挙で敗れています。金持ち・富裕層は税金を取るよりも、減税したほうが消費に回る金が増えていき、結果的に景気もよくなるのです。金持ちから税金取れというのは、現実的に無理ですし、例え実現したとしても結果的にしわよせは弱者へ向いていきます。こんなことを叫ぶよりも、自分が金持ちになるのを目指した方がいいのではないでしょうか?叫んでも何も変わりませんよ。こんな事考えても何も変わりませんよ。

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