かつて日本は戦後直後に預金封鎖をして、国民の預金をぶん取った前科がある

第二次世界大戦後、日本は預金封鎖を実施した

あなたは預金封鎖を知っていますか?Wikipediaによると次のように説明されています。

預金封鎖・・・預金封鎖とは銀行預金などの金融資産が凍結されることを指す

政府による預金封鎖・・・政府において、財政が破綻寸前になった場合、銀行預金などの国民の資産を把握して、資産に対して税金を掛けて政府収入にあてることで、破綻から免れようとすることがある。また市場に出回った通貨の流通量を制限し、インフレを金融政策で押さえる方法として実施される場合がある。その際通貨切替をして旧通貨を無効にし、市場通貨を金融機関に回収させる方法がとられることがある。この場合にも預金封鎖が行われる。

国民のお金を政府が問答無用でぶんどる恐怖の預金封鎖ですが、最近行われた国はほとんど無く遠い過去の話と思われがちです。

しかし2013年に突如キプロスが預金封鎖を行ったことから、いつどこの国でも行われる可能性がある事実が確認されました。

それでも日本は行われないと思われがちですが、実は何を隠そう日本は過去に預金封鎖を行ったことがあるのです!

戦後に行われた預金封鎖と新円切替

今から半世紀以上前、昭和21年2月17日に突如として預金封鎖と新円切替が実施されました。

この日に突然、政府がすべての銀行を封鎖し、個人法人問わず預金引き出し制限を掛けました。これが預金封鎖です。さらに今までの旧紙幣を使用を禁止され、旧紙幣に印紙を貼った新円だけが使用を許されることになります。

これが新円切替です。旧紙幣の預金は完全に封鎖され、新円のみを世帯主が300円、家族が100円しか出金することができませんでした。これにより、いくら旧紙幣で預金してようがその資産はほぼゼロになり、政府がコントロールした額のお金しか手にすることができなくなったのです。

預金封鎖が行われる経緯とその目的

預金封鎖を知って 「なぜ政府が国民のお金をぶんどるのか?独裁者のやることか?」 と思う人もいるでしょう。

確かに独裁者のいる北朝鮮や中東アフリカの国などでは、独裁者が私腹を肥やすために徴収を行うこともありますが、日本のような国でも預金封鎖が行われるのは理由があります。

それは政府の借金の帳消しや予算の捻出です。

戦後日本が預金封鎖に踏み切った3つの理由

戦後の日本が預金封鎖をやらなければいけなかった理由は3つあります。

  1. 太平洋戦争で積み上がった政府借金の帳消し
  2. 戦後復興予算の捻出
  3. 所得格差の是正

これらの理由がありました。

戦争の結果インフレが止まらない

知っての通り、戦後の日本はあらゆるものが破壊され尽くして、物資が不足し悪性インフレが生じていました。

しかし政府自体も戦争で積み重なった天文学的な借金(当時のレートで1,000億円以上)があるために予算が取れません。

そこで国民の財産を没収することで両方を解決しようとしたのです。

国民の財産で政府債務を帳消し

当時も現在と同じく政府の借金の貸主は国民でした。国民が国債(軍事債)を買って、政府は予算を作っていたのです。

当然国民は政府に変換を迫りますが、政府は新円切替をして旧円の価値を事実上ゼロとしました。

具体的には円を旧勘定(旧円)と新勘定(新円)に分け、一定の期間をもって旧勘定が使えなくなるという政策を実施したのです。

当然国民は使えなくなる旧勘定を新勘定に切り替えようとします。

しかし新勘定には引き出し制限がかけられており、全額を切り替えることなどできません。そのうち旧勘定の価値がゼロとなり、旧勘定の債券を踏み倒したのです。


預金封鎖され、新円を引き出そうと並ぶ国民(1946)

意外?財閥に罰を与える預金税徴収

また戦争を商売として資産を築き上げた財閥にも、責任と罰を与える形で没収を行ったのです。

戦後一般市民の多くは戦争による増税やインフレ、国内の荒廃により相当貧しい暮らしを強いられていましたが、戦争商売をしていた財閥関連には富が一点集中していました。

現在の格差など比較にならないほどの資産格差が広がり、国民の不満が溜まっていたのです。

また戦後日本を統治していたアメリカも、再び日本が軍事力を持たないように軍事関連を解体する必要性を感じていました。

これにより軍事関連が大半を占めていた富裕層の資産没収を行ったのです。

預金封鎖や国家破産はピンチでもありチャンスでもある

しかしこの預金封鎖、ピンチであると同時にチャンスでもあるのです。

円の価値が下落するインフレの時代においては、実物資産の価値が相対的に上昇します。

特に戦後では円の価値が下落したために外貨や不動産の価値が大きく上昇し、それらを保有していた人たちは逆に資産を増やしたというのです。

不動産をもっていた先人たちは寧ろチャンスだった

例えば、国際興業の小佐野賢治氏は、戦前に軍部との取引を通じ巨額の現金を保有していましたが、その資産でホテルを三つ購入します。

また東武鉄道の根津嘉一郎から熱海ホテルと山中湖ホテルを、東急の五島慶太から強羅ホテルを手に入れました。

ホテルの価値は不動産のため、預金封鎖にも影響は受けませんでした。

また当時の情勢では観光ホテルの経営などは、成り立たないと思われていたのでが小佐野氏はGHQにホテルを貸すことで利益を得ます。

その辺の着眼点の良さもあり、またインフレによる資産の増加もあり、彼らは大実業家への道を開くことができたのです。

ロシアでもショックをチャンスに

同じようなケースにロシアの新興実業家:オリガルヒもいます。

彼らは1998年のロシア国家破産:デフォルトを見極めて、ロシアのルーブルではなく海外に資産を移していました。

ロシアがデフォルトし、悪性インフレによってロシア・ルーブルが激減した時を見計らって相対的に価値が急上昇した海外の資産をロシアに戻します。

ルーブルの下落によって二束三文になったロシアの国営企業(石油など)を買い漁ったのです。

その後登場した強いリーダー:ウラジミール・プーチンによってオルガリヒの大半は消えてしまいましたが、オルガリヒが当時のロシアの危機をチャンスにしたのは間違いありません。

預金封鎖への対策はどうすればいいか

さて、具体的に預金封鎖が行われてしまうのなら、どのように対策すべきなのかです。

円以外の資産を持つべし

理論上は上記のように円の価値が下がって、円を没収されるためにできるだけ円資産をもたずに、円以外の資産をもつことです。

つまり外貨資産をもつことや、不動産などを持つことが防衛策として有効なものです。

先述の実業家の例をみても、不動産をもっていた人は強かったことがわかります。

また当時の預金封鎖を知って防衛策を取っていた政治家の多くは株式をもっていたこともわかっています。

森ビル創業者は預金封鎖をチャンスにした

有名な例としてかつて世界1位の資産家になったこともある森ビルの創業者森泰吉郎氏などは、預金封鎖を回避したどころか、逆にチャンスに変えて成功への足掛かりを作っています。

預金封鎖を回避し世界1位の資産家になった森泰吉郎

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不動産を購入するには多額の資金が必要ですが、REITならある程度の低資金でも購入できます。

とにかく ”いつか始めよう” では突然行われる預金封鎖には対処できませんから、少額でもいいのですこしずつ始めましょう。

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