FXの一目均衡表は雲の存在で直感的にわかりやすいテクニカル指標
一目均衡表(雲)とは
FXのテクニカル分析もいよいよ佳境に入りました。今回説明する一目均衡表は名前が漢字なのからもわかりますが、ローソク足と同じように日本人によって考案されたジャパン・オリジナル・ツールです。英語名が “itimoku-kinko-hyo” とローマ字読みでそのまんまなのも逆輸入されたからですね。この一目均衡表はFXの分析だけでなく、株式投資や先物取引など全ての相場で幅広く使われている非常に人気の高い分析方法です。
昭和時代に手書きで作られた
一目均衡表は、都新聞(現在の東京新聞)兜町担当記者であった一目山人(いちもくさんじん)こと細田悟一によって、なんと戦前の1936年に考案されたテクニカル指標です。この一目山人(ペンネーム)は自分で研究所を設立して2000人のスタッフを使って7年かけて完成させたといわれています。まだコンピュータなど存在さえしなかった昭和の時代ですから、その努力と人手の必要さがうかがいしれますね。現在もこの研究所は株式会社経済変動総研として存在しているらしく、ホームページもあります。
完全習得は不可能?
この一目均衡表は非常に習得の難しいテクニカル指標といわれています。一目山人(ペンネーム)の解説本は全7巻も存在し、時間論・波動論・値幅観測論などを総合的に理解する必要があるためです。さらにいえば一部の本が絶版になっているために完全習得した人はほとんどいないとされています。ただし何度もいいますが、別に完全習得をする必要性というのはあまりなく、おおよその概念とシグナルさえ覚えておけばよいのは変わりありません。特にこの一目均衡表は完全習得できそうにないですからね。
一目均衡表(雲)の計算のしかた
一目均衡表の特徴は従来のテクニカル指標が現在の価格とその平均をもとに売買度合いや標準偏差から分析をしたのに対して、過去の価格と未来の保有度合いをチャートに描き、価格と時間との均衡関係を一目でわかるようにした画期的な指標です。要するに時間を重視したテクニカル指標ってことです。ちょっと難しいかもしれませんが、一目均衡表のグラフは全部で5つあります。基準線・転換線・先行スパン1・先行スパン2・遅行スパンの5つです。
一目均衡表5つのグラフの算出方法
転換線 = (過去9日間の高値 + 安値) ÷ 2
基準線 = (過去26日間の高値 + 安値) ÷ 2
先行スパン1 = { (転換値+基準値) ÷ 2 }を26日先にずらしたもの
先行スパン2 = { (過去52日間の高値+安値) ÷ 2 }を26日先にずらしたもの
遅行スパン = (本日の終値)を26日前にずらしたもの
ちなみに9日、26日、52日はあくまで一般的なもの
この一目均衡表5つのグラフにはそれぞれ特徴があります。まず基準線は相場の方向性を示しています。横這いなら方向感はなし、上昇なら強気相場、下降なら弱気相場を示しているということです。そして転換線はいわゆる移動平均線のシグナルのようなものであり、基準線とクロスすることで買いシグナルや売りシグナルを表します。次に2つの先行スパンの間に構成されるものを ”雲” といい抵抗線や支持線になったりします。一目均衡表で一番目立ち、一番わかりやすいところですね。最後に当日より26日前の価格を表す遅行スパンは、以前に買った人や売った人の心理を分析できるグラフであり、売買の心理を分析できます。
一目均衡表(雲)のシグナル
基準線のシグナル
一目均衡表には5つのグラフがあるために、売買シグナルも複数あるのです。したがってシグナルが重複することが結構あり、重複するシグナルが多ければ多いほど、シグナルの信頼性は高いものになります。まずは基準線です。この基準線は過去26日間平均を表しており、横這いなら方向感はなし、上昇なら強気相場、下降なら弱気相場を示しているということです。
基準線と転換線のクロス
転換線はいわゆる移動平均線のシグナルのようなものであり、基準線とクロスすることで買いシグナルや売りシグナルを表します。移動平均線やストキャスティクス、MACDのように転換線が基準線を上抜けるようなときがゴールデンクロスであり買いシグナルとなります。一目均衡表では ”好転” といいます。日本語らしいですね。同じように転換線が基準線を下抜けるようなときがデッドクロスであり売りシグナルとなります。一目均衡表では ”逆転” といわれます。
ローソク足と遅行スパン
遅行スパンとは26日前の終値のグラフになりますね。つまり遅行スパンがローソク足の下にあれば、買った人がまだ大勢いるために買い優勢の状況と判断できます。逆に遅行スパンがローソク足の上にきてしまったら、売った人のほうがまだ多いという判断ができるので売り優勢というわけです。株式投資でいう、信用取引の買い残高・売り残高のようなものですね。投資家のポジションが今どちらに傾いているかから、買い・売りを判断するわけです。ただし、信用取引とは違いFXには取引の期限というものがありません。要するに取引した人みんながそろって26日で反対売買をするわけではないんですね。だからこの遅行スパンとローソク足の関係が間違い、いわゆるダマシを示すことも結構多いのです。あまり信頼できるシグナルではありませんね。
一目均衡表の雲の見方
>>一目均衡表が一番わかりやすく表示できる外為オンライン
雲は投資家の心理
では一目均衡表の最大のポイントである雲について見てみましょう。雲は先行スパン1と先行スパン2の間に形成されるものです。この雲は、見事というほどにローソク足の支持線や抵抗線になってくれるのです。なぜそうなるかというと、この雲は先行スパンからもわかるように、以前に取引した人のポジションの残高水準を表しているんですね。つまり買いポジションをもっている人が多ければ、相場が下がってほしくないと思う人がたくさんいるわけです。そういった投資家たちの心理を表すかように相場を支持する雲が形成されるのです。逆の場合も同じです。売りポジションをもっている人がたくさんいるために、相場が上がってほしくないと思う人がたくさんいるわけです。だから、相場の抵抗となるような雲が形成されるのです。雲とは過去のデータから未来の投資家の心理を的確に表している非常に優れた存在なのです。まったく一目千人はすごいですね。
雲の厚さ = 支持・抵抗の強さ
雲の概念がわかればチャートの雲の見方もわかりますよね。雲がローソク足の上にあれば、その雲が強い抵抗となって相場をおさえつけます。また雲がローソク足の下にあれば、その雲が強い支持となって相場をささえます。その雲が厚ければ厚いほど、そっちに行ってほしくない投資家たちがいっぱいいるということで強い抵抗となるのです。雲の厚さ=抵抗・支持の強さということです。逆に相場の転換点などの、雲が薄いところでは結構カンタンに雲を突き抜けることがあります。
一目均衡表ではローソク足は飛行機
基準線、基準線と転換線のクロス、雲とローソク足の位置関係が、一目均衡表のメジャーなシグナルといわれています。メジャーという表現からもわかりますが、一目均衡表は非常に奥が深くさらにいろんなシグナルが存在しています。それこそ全てをマスターするのは不可能といわれるぐらいです。ですが、何度もいいますが全てを覚える必要などなく、使える上記のメジャーなシグナルさえ覚えておけば、だいたい大丈夫です。
特にローソク足と雲の位置関係は非常に直感的でわかりやすいものだと思います。この場合、ローソク足を ”飛行機” に例えて見てみると面白いですよ。雲が下にあれば、飛行機は雲に支えられるように下がりません。逆に雲が上にあると、飛行機は上昇をさえぎられるように上昇できません。
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