初心者の勘違い~GBP(英ポンド)のほうがNZD(ニュージーランド)よりスワップ高い?
数字ではGBPのほうがスワップが多く表示される
スワップが多い?
上の図をご覧ください。これは2008年7月のGBPとNZDのスワップ表示を撮ったものですが、GBPのスワップは262円、NZDのスワップは170円と数字ではGBPのほうがスワップが多いと感じられますね。この表示に混乱してリスクの高いGBPへ投資してしまう初心者が後を断ちません。
初心者の勘違い
スワップ目的でFXを始めたばかりの初心者の方は、高金利のニュージーランドドルを買おうとする傾向が強いですね。しかし実際に取引画面のスワップ一覧表示でGBPのほうがNZDよりもスワップが多く表示されているため 『なんだ、GBPのほうがスワップ多いじゃん!こっち買ってスワップを貯めよう』 と考えてしまう人が結構います。しかしこれは取引単位からくる勘違いなのです。
GBPよりもNZDのほうが金利は高い
NZDのほうが金利は高い
少し調べれば分かることですが、GBP(イギリス)の金利は5%前後、対してニュージーランドの金利は7~8%にもなります。同じクロス円のペアですからGBPJPYよりもNZDJPYのほうが金利差が大きいことはすぐに分かります。では、なぜGBPのほうがスワップが多く表示されているのでしょうか?
取引単位からくる勘違い
GBPは単位が大きい
GBPのスワップが多く表示されているように感じるのはGBPが他通貨よりも ”取引単位の大きい通貨” であるからです。たとえば、アメリカドルUSDは最近では 1USD = 100円 ~ 120円 の範囲で取引されます。ニュージーランドドルも 1NZD = 70円 ~ 80円 で取引されます。これに対してポンドGBPは 1GBP = 200円以上 とUSDの倍以上のお金が必要になります。この取引単位に金利%を適応しておけばすぐに疑問は解けますね。
■2008年7月当時■
JPY ・・・ 0.50 %
GBP ・・・ 5.00 %
NZD ・・・ 8.25 %
よって金利差(スワップ)は
GBPJPY = 5.00 - 0.50 = 4.50 %
NZDJPY = 8.25 - 0.50 = 7.75 %
(GBPとJPYとの金利差)
4.5% × (GBPの取引単位) 213.50 × 10,000通貨 = (一年分のスワップ) 96,075
これを一日単位で割ると・・・ 96,075 ÷ 365 = 263.21 となります。
(NZDとJPYとの金利差)
7.75% × (NZDの取引単位) 81.40 × 10,000通貨 = (一年分のスワップ) 63,085
これを一日単位で割ると・・・ 63,085 ÷ 365 = 172.83 となります。
多少の誤差は出ますがほぼスワップと一致しましたね。このようにGBPは他の通貨よりも取引単位が大きいので一見するとスワップが多いように見えてしまうだけなのです。きちんと計算すればちゃんと金利差と同じになりますね。