FXのパラボリックがローソク足をつかまえた時がドテンチャンス
パラボリックとはローソク足のストーカー
今回説明するパラボリックとはトレンド追随型のテクニカル指標であり、RSIやストキャスティクスなどのもみ合い・レンジ相場に強いオシレーター系の指標とは逆で、トレンドが大きく動く相場に強い指標といわれています。考案したのは、なんとRSIと同じアメリカのJ・W・ワイルダー氏なのです。このパラボリックも加速因数という数学的な捉え方が含まれていますが、他の指標と同じようにやり方やシグナルを覚えておけば、だいたい問題はありません。英語名は "parabolic" になります。
さてこのパラボリックというテクニカル指標は、ドテンのシグナルを得ることができる指標です。下の図を見てください。パラボリックは下の図のようにローソク足の近くにある点のことであり、ローソク足をストーカーのように追随していきますね。そして相場が転換すると点の場所場上下逆になっています。これがドテンのチャンスです。特にもみ合い相場ではなく、激しく上下に動く短期的な相場において売りと買いのサインが交互にでますので、短期売買向きのテクニカル指標になるでしょう。
パラボリックはドテンを意識して作られている
パラボリックは正確には "Parabolic SAR" という英語名になり、SARという略称がつくのです。SARとは "Stop And Reverse" のことであり、和訳すれば止めて振り返るということ、つまり相場でいうドテンのことを表しています。要するにパラボリックは、最初からドテンを意識して作られたテクニカル指標だったんですね。そのSARは下の式によって導き出すことができます。
パラボリックSARの計算のやり方
SAR = (極大値- 前日のSAR) × 加速因数 + 前日のSAR
※極大値は上昇相場なら高値・下落相場なら安値を適用
※加速因数は 0.02 ~ 0.20 の範囲で極大値が更新されることに0.005を追加する
正直言って加速因数とかの概念が分からない人も多いでしょう。理解するにはかなりの数学力が必要かと思います。ただし何度も述べますが、このパラボリックも他の指標と同じようにわざわざ計算の仕方を覚えなくてもシグナルを覚えておけば、だいたい問題はありません。
ローソク足がストーカーに捕まったときがシグナル
概念の理解が難しいパラボリックですが、そのシグナルはいたって単純です。下の図で一目瞭然でしょうが、赤い点がローソク足を下でストーカーしているときは、不本意ながらサポートのように機能しているので買い優勢を表しています。そして逆に青い点がローソク足の上にストーカーしているときは、まるで上昇をさえぎられるかのように売り優勢を表しています。最後に、この点々がローソク足にぶつかったときは、ストーカーにローソク足がつかまったということでローソク足は逆方向へ逃げようとするのです、つまり相場の転換点・ドテンのシグナルというわけです。
ただし、最初に述べたようにパラボリックのシグナルはレンジ相場や値動きの小さい相場ではあまり役に立ちません。要するにローソク足が何度もつかまりそうになって、あっちこっちに動き回って迷っているのですね。パラボリックは値動きが多き相場や大きなトレンドの転換点を見極めたいときなどに利用しましょう。