KRW (韓国ウォン) とはアジア通貨危機や市場介入がある危険な通貨
KRW (韓国ウォン) とは大韓民国の通貨単位
KRWとは大韓民国で使われる通貨である
KRWとは韓国(大韓民国)で流通している通貨です。韓国の英語名はKoReanであり、ウォンもWonと表記することから、KRWとなるのです。同じ朝鮮半島にある北朝鮮の通貨もウォンですが、厳密には違う通貨です。ご存知用に韓国は1950年代の朝鮮戦争により、インフラが壊滅状態となったため大きく立ちおくれてた国です。朝鮮特需で成長した日本とは正反対ですね。しかし、漢江の奇跡と呼ばれる経済発展以降成長を続け、新興工業経済地域(NIEs)の一つとなりました。そして1996年にアジアで2番目のOECD(経済協力開発機構)加盟国ともなっています。
円の10分の1の価値
KRWは日本円との固定相場を作ってはいませんが、実質的に日本円:JPYとの固定相場をとっているカタチになっています。だいたい日本円:JPYの価値の10分の1で推移しています。つまり100円が1000ウォン、1万円が100,000ウォンとなるので円換算の計算が非常に簡単だったのです。しかし2005年には急激なウォン高円安になったり、2008年には金融危機でウォン安円高になってしまうなど、最近は変動が非常に激しくなったので、この計算は当てにならなくなりました。
アジア通貨危機で壊滅
韓国ウォンを語る上で1997年のアジア通貨危機ははずすことができない事件です。1997年、タイの通貨危機を発端とするアジア全域での経済危機の影響を受けて韓国はIMFの支配下に入ってしまいました。そしてKRWの価値暴落して、その価値は地に堕ちました。韓国の経済自体が 「技術では日本に負け、人件費では中国に負ける」 といういい所のない状態でいつまでも景気後退を脱することができないことからも通貨価値は上昇しません。
スワップ金利は取れない
韓国の金利は日本と違ってインフレが進んでしまっているので高い状態です。おおむね4~5%の状態になっていますが、KRWの流動性が少なくほとんどのFX会社ではスワップ金利はマイナスになっています。 これはKRWの流動性が極めて少ないために、スワップ金利を払う以上に通貨の調達コストがかかってしまうためです。このコストが非常に高く、取引する人も少ないので扱っているFX業者もとても少ないのです。
再び通貨危機の瀬戸際へ
ご存知かもしれませんが、韓国経済は2008年からの金融危機で混迷を極めます。金融危機の影響下で、通貨KRW:ウォンは下落を続け、1997年のIMFの支援の一歩手前まで追い詰められます。しかし以前よりも外貨準備高を豊富に備え、韓国中銀が幾度と無く市場へ介入してドル売りウォン買いを行い、最悪の場合は日本と中国に救援を約束してもらうことでなんとか通貨危機の二の舞は防ぐことができました。しかし何時またこのような危機を迎えてもおかしくない不安定な通貨なのです。ハッキリ言って取引することはオススメできない通貨です。
KRWの取り扱い会社は非常に少ない
KRW(韓国ウォン)は流動性が非常に小さく、通貨危機を起こしているハイリスクな通貨です。そのため取り扱うことのメリットが少ないので多くのFX業者はKRW(韓国ウォン)を取り扱っていません。KRW(韓国ウォン)を取引できるのは、SBI証券やひまわり証券といったほんの一部の証券会社FXサービスだけになります。状況によっては取り扱いが中止されることも十分考えられるので、取引はオススメできないでしょう。