投資信託の運用方法 : アクティブ運用とインデックス運用
2種類の運用方法
投資信託には ”どのような方法で投資するか?” という運用方法が明確に決まっています。それは投資する対象のベンチマークをどのように捉えるかで違ってきます。ベンチマークとはファンドが運用の目安としている指数のことです。例えば日本の株式で言えば、日経平均、TOPIXなどがそれにあたります。運用方法は2種類です。
「アクティブ運用」 と 「インデックス運用」
アクティブというのは投資をするプロ(ファンドマネージャー)の独自の判断にまかせる ”プロに完全おまかせコース” のことです。こちらは投資するプロによって大きく成績が変化します。当然優秀なプロならば大きく儲けを出してくれることもありますが、失敗したり下手糞な投資をすると大きく損をするかもしれません。対してインデックス運用(パッシブ運用)というのは日経平均やTOPIXなどの ”指数に連動” するように構成銘柄を機械的に運用するスタイルです。いわゆる ”平均におまかせコース” のことです。こちらには人間の判断が入ることが少ないので平均的な成績を上げています。その他には完全にプログラムされたロボットトレードシステムで運用を行うものもあります。
運用方法 | 運用の基準 | 一言で言えば |
アクティブ運用 | ファンドマネージャーの独自の判断 | プロに完全おまかせ |
インデックス運用 | ベンチマークの指数に連動 | 指数におまかせ |
アクティブ運用について
アクティブ運用は、積極的にベンチマークを上回っていく運用を目指しています。よい成績をあがるにはベンチマークを超える成績を出すために厳密な投資対象の選定や売買のタイミングが重要ですね。これは完全にプロ(ファンドマネージャー)の腕次第になります。つまり簡単に言ってしまえば ”腕のいいファンドマネージャー” なら好成績をあげて大儲けできますが、 ”腕の悪いファンドマネージャー” が運用すると成績が悪くなり、大損するかもしれません。つまり投資する対象よりも運用するプロ(ファンドマネージャー)の選定が重要になりますね。必ずしも高い運用成績を上げることが保障できませんので、この運用方法はリスクの高い運用となります。
メリット
・ プロの腕が良ければ大儲け
デメリット
・ 失敗のリスクがある
・ 手数料が割高
・ 成功報酬を取られることがある
また、この運用で思いがけない成績を上げた(大儲けした)時には ”成功報酬” という手数料がかかることもあります。まぁ、この成功報酬は成功したときのみにかかるものですから、そのときは気前よく払ってやろうと思いましょう。
インデックス運用とは
インデックスファンドとは、設定したベンチマークと同じ成績を残すことを目標とするファンドです。良くも悪くも設定したベンチマークに連動するので、ベンチマークが上昇すれば投資信託も上昇し、ベンチマークが下落すれば同じく下落します。しかしアクティブ運用と違い積極的な運用をしない分、コストがかからずリスクも少ないものです。
メリット
・ コストが安い
・ リスクが少ない
・ プロの腕に左右されない
デメリット
・ 思いがけない成績が出て大儲け!
・・・といったことはない
どちらがいいか?
過去のデータから一年の運用でプロ(ファンドマネージャー)の運用するアクティブ運用がインデックス運用よりもよい成績を出すのは全体の30%ほどになっています。つまりいかにプロといえども結果を出せるのは3割程度です。
しかしこれが長期運用になってくるとインデックス運用のほうが成績をよくします。なぜならいくら敏腕といわれるファンドマネージャーでも、3年、4年、5年と連続してよい成績を上がることは困難であるからです。先ほど一年の運用でインデックス運用よりもよい成績を出すファンドマネージャーは30%ほどでした。それでは2年目にはなるとどうでしょう?30%のファンドマネージャーの中で2年目もよい成績を出すのは30%の30%・・で9%ほどになってしまいます。そして3年目もいい成績でいるのは2.7%、4年目は0.81%、5年連続となると実に0.2%ほどにしかなりません。1年だけなど短期間の運用ならともかく、長期運用をするならアクティブ運用がインデックス運用に勝てるのは非常に難しいということになります。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
連続して結果を 出し続けるプロの割合 | 30% | 9.0% | 2.7% | 0.81% | 0.24% |
投資信託は長期運用が前提ですから
インデックス運用を選びましょう!