ヘッジファンドとは富裕層御用達のカラ売りファンドのこと

ヘッジファンドとは何か?

確実に利益を上げるファンド


ヘッジファンドとは相場の上げ下げにかかわらず、確実に利益を出す投資信託のことを目的としています。特に下げ相場でも儲けることから 「カラ売りファンド」 と認識してもいいでしょう。ヘッジファンドとして最近日本でニュースになったのが 「村上ファンド」 です。かの村上氏が運用していたファンドで元日銀総裁の福井氏まで出資していました。しかしその出資額に驚いた人もいるでしょう。なんと1000万円です!しかも、わずか数年の運用で2,000万円になって戻ってきました。このように、どんな大金を出資しても確実に利益を出すことを目的に運用されている投資信託なのです。

投資の制約が無い


投資機関というのは、一定の人数から資金を集めるとにいろいろな規制や情報開示の義務が生じます。しかしヘッジファンドのように出資者が少ないと規制や情報開示の義務が無くなり一般の機関より自由な投資が可能になります。これがヘッジファンドの最大の特徴です。制約が無いので先物取引やレバレッジをかけた投資方法を有効活用して有利な投資方法を使っているのです。

リスクを徹底的にヘッジする


ヘッジファンドは通常のファンドと違って自由に投資できることができます。株式の現物を持ちつつ、先物をカラ売りするといった総合的なリスクが少ない方法ができるのです。そのためヘッジファンドは損失が出る可能性を徹底的に小さくするリスク分散を行うのです。リスクをヘッジするから ”ヘッジファンド” と呼ばれるのです。多くの方々はヘッジファンドを「ハイリスク・ハイリターン」とお思いですが、実はその逆で徹底的にリスク分散をして、損失が出る可能性を極限まで低くして利益を狙うローリスクの投資なのです。

投機をするファンドもある


ヘッジファンドは通常のファンドと違って自由に投資できることができます。そのため、上記のように徹底的なリスク分散をするのが主なヘッジファンドなのですが、中にはハイリスクを取ってハイリターンを求めるファンドもあります。こちらのほうが、一般の人のイメージに近いですね。先物・オプションなど金融派生商品を使い、レバレッジをかけて大きな勝負をするので、特に暴落相場において大きな売りをかけてくるファンドが多いです。そのためハイエナファンドとも言われてしまうのです。

ヘッジファンドとは通常のファンドより
☆ 自由な投資ができる ☆
☆ リスク分散ができる ☆
☆ 大きな投機ができる ☆

ヘッジファンドは何故、お金持ち限定なのか?

ヘッジファンドはお金持ち限定


ヘッジファンドはお金持ちしか投資できないというイメージが強いですが、事実ヘッジファンドはお金持ちしか投資できない所が多いです。最低投資金額が1,000万円や1億円になるものが普通なので、一般の人には逆立ちしたって投資できず、結果的に大金をポンと出せるわざかな大金持ちしか投資できません。こんなことをしているから貧乏人や一般庶民から大きな反感をかってしまうのですが、こういうことをするのは貧乏人のあてつけではなく、きちんとした理由が存在するのです。

お金持ち限定 = 出資者を絞る


一般の投資信託を運用する投資機関というのはたくさんの人から資金を集めると規制や情報開示の義務が生じます。規制が多くなるために、カラ売りや先物取引ができなくなってしまい、現物取引しか投資できなくなります。しかしヘッジファンドのように出資者が少ないと規制や情報開示の義務が無くなり一般の機関より自由な投資が可能になります。そのためカラ売りや先物・オプション取引にレバレッジをかけた取引まで行うことができるのです。この利点があるからこそ、あえて最低投資金額を高額に設定して、出資者が限定されるようにしているのです。

出資者が少ないと規制や情報開示の義務が無くなり一般の機関より自由な投資が可能になる

ヘッジファンドは何故、悪いと言われるのか?

ヘッジファンドだけがカラ売りができる


ヘッジファンドと一般の投資信託の運用違いは 「カラ売り」 ができる・できないにあります。一般の投資機関はカラ売りができないので相場が下がると利益を出せません。対してヘッジファンドはレバレッジをかけたカラ売りをすることができるため暴落は一度で3度おいしい状況となっているのです。そのために投機を行うヘッジファンドは相場が暴落してもらったほうが大儲けできるので、意図的に相場を下げようとします。これがヘッジファンドが悪いと言われる理由です。

意図的に相場を下げようとする


ヘッジファンドは意図的に相場をさげようとして、あること無いこと噂を流したり、いくつかのヘッジファンド同士で共同して大きな売りをしかけて個人投資家のストップロス注文をつけて相場を暴落させようとします。このことが相場の平穏を崩していると批判されたり、原油の暴騰で一般の人の生活に迷惑をかけていると批判されて ”ヘッジファンド=悪人” というイメージが定着する原因となっています。しかし取引自体はルールにのっとったものであり、暴落は市場経済主義によるものです。彼らは大金という最大の武器を使って取引しているにすぎません。確かに儲かればそれでいいという考え方であることは確かですが、こういった倫理的・哲学的な問題に関しては個人の判断にお任せします。

一般のファンドは暴落したら、上がるのを祈って待つだけだが、ヘッジファンドはカラ売りができるので売って大もうけできる!

伝説のヘッジファンド:クォンタムファンド

世界一の金持ちであるウォーレン・バフェット
ポンド危機で有名なジョージ・ソロス
世界を旅する投資家ジム・ロジャース

投資をやってく上でこの世界3大投資家を知らない人はいないでしょう。この世界で3本の指に入る2人がやっていたヘッジファンドが伝説のクォンタムファンドです。これはジョージソロスがやっていたんですが、一時ジムロジャースも関わっていたんです。伝説の名ともいわれるその成績は約30年間平均30%超のリターンを出していました。わかりにくいですか?仮に最初に一万円を投資すると30数年後には1億円になって戻ってくるんです!信じられない方は10,000円に1.3を30回かけてみましょう。これぞアインシュタインも驚愕した 「複利の力」 の凄さなのです。

複利の凄さ(30%の複利)一万円はいくらに?
1年目 13,000
2年目 16,900
3年目 21,970
4年目 28,561
5年目 37,129
6年目 48,268
7年目 62,748
8年目 81,573
9年目10倍突破!106,044
10年目 137,858
11年目 179,216
12年目 232,980
13年目 302,875
14年目 393,737
15年目 511,858
16年目 665,416
17年目 865,041
18年目100倍突破!1,124,554
19年目 1,461,920
20年目 1,900,496
21年目 2,470,645
22年目 3,211,838
23年目 4,175,390
24年目 5,428,007
25年目 7,056,410
26年目 9,173,333
27年目1000倍突破!11,925,332
28年目 15,502,932
29年目 20,153,812
30年目 26,199,956
31年目 34,059,943
32年目 44,277,926
33年目 57,561,304
34年目 74,829,695
35年目 97,278,604
36年目1億突破!126,462,185
37年目 164,400,841
38年目 213,721,093
39年目 277,837,421
40年目 361,188,648

問題のヘッジファンド:村上ファンド

村上ファンドについて


村上ファンドは、 「もの言う株主」 として有名だった村上氏の運営していた日本の数少ないヘッジファンドです。村上はライブドアがニッポン放送株式の発行済み株式数の5%を超える取引を行う意向を聞いて、株価が上がる前にニッポン放送株式を購入、問題がおきて大きく株価が上がったら高値で売り抜けたインサイダー取引を行ったとして逮捕されました。

これは投資の理解が無いから


しかしこのような金持ち同士での意見交換は欧米ではごく当たり前のように行われています。そのために、これぐらいのことではインサイダーとは判断されないのです。しかし日本では、投資をするという社会通念が育たなかったため、堀江被告に関わったことも反映して世間の批判を受けました。この村上ファンドの事件で 「ヘッジファンドは総会屋、ハゲタカ、仕手筋であった」 などと感情的に批判する意見が多くなりました。結果的にインダイダーという犯罪を起こしたわけですが、そもそもこれは日本には投資風土が全く整っていないということの証明にもなりました。

ヘッジファンドによる金融事件簿

1992年ポンド危機


GBPとソロスを語る上では、ポンド危機は欠かせない事件です。1990年当時、ECが通貨の統合をし、EUR(ユーロ)を導入するためにイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの為替レートを一律にしようしました。しかしイギリスは経済は悪いので、ドイツのマルクとは同等の価値をもっていないと思われていました。これに目をつけたのがジョージ・ソロスです。ソロスは 「ポンドは過大評価されている」 と考えて徹底的にカラ売りをしかけたのです。もともと過大評価されていたポンドを売るいい機会であったので、あらゆる投資家がポンドを売り続け、イングランド銀行が買い支えきれなくなりポンドの暴落を起こしたのです。いわゆる 「ブラックウェンズデー」 です。

1997年アジア通貨危機


ポンド危機と同じように1997年に東南アジアの通貨は過大評価されていました。その過大評価に目をつけたヘッジファンドがカラ売りを仕掛けたのです。カラ売りを仕掛けられたタイの通貨が暴落したのをきっかけインドネシア、マレーシア、フィリピン、香港、韓国などが芋ずるしきに影響を受けました。特に韓国はIMFの支配下に入るなど、事実上国家破産状態にまで追い込まれていました。日本も例外ではありません。日本に関しては融資の焦げ付きが多発し緊縮財政とタイミングが重なった結果、1997年と1998年における金融危機の引き金の一つとなり、後の平成大不況を引き起こした要因の一つになりました。

1998年ロシア危機LTCM破産


今は元気のいいロシアですが、10年前は虫の息になっていました。前述の1997年のアジア通貨危機の影響でアジアのみならず、世界的な金融危機になり世界恐慌一歩手前まで行きました。その時代に世界最強とも言われたヘッジファンドLTCMが破産したのです。有名なヘッジファンドが破産したために大混乱になり結果的にヘッジファンドが混乱を加速させてしまったのです。

このようにヘッジファンドが起こした事件は、国境を越えて世界へ影響を与えることが多くあります。そのためにヘッジファンドの動向には常に注意を払っておかなければなりません。「ヘッジファンドが悪い」 と叫びたくなる人もいるかもしれませんが、言ったところでヘッジファンドはなくなりません。私たちはそんなことを叫ぶよりもヘッジファンドの動向に注意して、金融危機に備え、かつ便乗して儲けることが生活にとって大切です。

ヘッジファンドへの投資はどうやるの?

ヘッジファンドへの投資ですが、前述のとおりヘッジファンドというのは私募形式でごくわずかの投資家から億単位の資金を収集して運用します。そのため一般公募などは絶対に行われません。もし 『ヘッジファンドに投資しませんか?』 なんていう勧誘が着たら詐欺の可能性が極めて高いでしょう。金持ちには儲け話が転がり込んできますが貧乏人にくるのは詐欺話だけです。ヘッジファンドに直接投資するには 「ゆかし:YUCASEE」 のような富裕層のみが集まるところで情報を得ないといけません。

しかし直接投資はできなくとも、ファンドオブヘッジファンズで間接投資をすることができます。オルナティブファンドということでヘッジファンドに投資するファンドオブヘッジファンズがマネックス証券とSBI証券で取り扱われています。一般の人には縁の無いヘッジファンドですが、どうしても投資をしたいのならこのようなファンドオブヘッジファンズで投資することができます。ただしいくらヘッジファンドへ投資できたからといって必ず儲かるものではないことを頭に入れておいてください。実際、これらのファンドは2008年の金融危機による世界同時株価下落の影響もあって、かなりマイナスの成績を出してしまっています。一般庶民が手を出せるものには、優秀なヘッジファンドはないといってもいいでしょう。

マネックス証券 : アジア ファンド・オブ・ファンズ連動型投信 (愛称:アジア フォーカス)

マネックス証券 : マネックス・フルトン・チャイナ・フォーカス (愛称:チャイナ フォーカス)

SBI証券 : SBI絶対収益追求ファンド(愛称:ジェロニモ)

アジア ファンド・オブ・ファンズ連動型投信 (愛称:アジア フォーカス)マネックス・フルトン・チャイナ・フォーカス (愛称:チャイナ フォーカス) SBI絶対収益追求ファンド(愛称:ジェロニモ)

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