2008年のFX業界:金融危機によって犯罪業者が表面化

FX業界の歴史の始まりと犯罪業者

FXが日本で始められたのが外為法改正の1998年ですが、FX自体はインターネット取引が主流になった2000年頃にならないと始まりません。2002年頃になって、ようやくFX会社がFX取引をサービスとして始める証券会社が出てきます。初めてFXを導入したのはひまわり証券でした。今ではオプション破産などで見る影もなくなりましたが老舗中の老舗はここなのです。基本的にこの頃はFXなど金融庁は相手にしていなかったようで、業者のやりたい放題な状態になっていました。ドル円のスプレッドが5~10pipsといえばわかりやすいでしょう。今は0.5pipsとかで取引できることを考えれば、いかにぼったくりをしていたかわかりますね。業界としても手探りの状況が続いて、この状態が2004~2005年頃まで続きます。

2004年頃から拡大する世界経済の影響で、低金利の円を調達して高金利通貨を買う円キャリートレードが始まり、円安相場が続くことになります。これによって馬鹿でも円売りすれば儲かる相場になって、FXで大儲けした人が出始めます。普通の主婦が4億円を稼いだり、80歳を超えた高齢者が10億円を稼いだりと夢のような話が現実として起こっていました。完全にバブル状態といってもいい時期だったのです。しかし同時にFX業者の犯罪もひどくなり、悪質な業者は顧客から預かった資金を自社の運転資金に回したり、ひどいところでは完全に個人のお金として横領しているところもある始末でした。悪質業者を取り締まる法律もしっかり整備されておらず、規制などもほとんどなく野放し状態だったのです。しかしこれではいけないと、ようやく重い腰を上げた金融庁は2005年にFXを金融取引法の管理下におき、分別管理を義務化させました。この頃が最もFXサービスをする業者が多かった時期です。2005~2006年のピーク時にはFX会社は200社を超えるほどのすさまじい数がありました。当サイトのFX業者一覧にも、その名残が残っていますね。

1998年はFX誕生の年
2002~2005年 FX業界の黎明期
2005年 金融先物取引法の改正
2004~2007年 円安相場とFXバブル
2007年 金融商品取引法の施行

金融危機によって犯罪業者が表面化した2008年

2005~2006年のピーク時にはFX会社は200社を超えるほどでしたが、同時に犯罪業者も相当数になっていました。金融庁はまだFXの規制を始めたばかりで手は回っていませんでした。分別管理を義務化したとはいえ、それを守っている業者のほうが少数派であり、悪質犯罪業者はそんなの守るはずがありませんでした。しかしその状態に転機が訪れます。その頃にちょうど2006年上海ショック、そして2007年のバリパショック、サブプライムショック、2008年のリーマン・ショックといった世界的金融危機が立て続けに起きました。株価も大きく下落し、為替はゆるやかな円安相場から怒涛の円高相場へと大転換したのです。それまではバカのひとつ覚えに円売りポジションをもっていれば素人ほど勝つことができた相場状態だったのですが、それが完全に逆転したためにFXの円安相場で大きく買っていた素人投資家が一斉に退場させられることになったのです。

この相場の大転換は個人投資家の損害や退場それだけではなく、顧客の金を流用して運用していた悪質業者にも大きな影響を当たることになりました。犯罪業者の多くは顧客資産を使って勝手に取引をしていたために同じく損害が増えていったのです。損害が増えますと会社の運転資金にも困ることになりますので、既存顧客の資産を流用したり、なりふり構わず新規顧客を引きずり込んでお金を横領したりしました。そのため急激に悪質犯罪業者の被害者が増えていって、その事態が表面化していったのです。そして資金繰りに行き詰まったFX札幌やアルファFXといったFX史上稀に見る犯罪企業が続々と顧客の金を持ち逃げしたり、勝手に使ったりする事件が相次ぎました。FXによって4億円脱税した主婦や、10億円稼いだ80歳の人などが出てきた輝かしいFXのイメージは、一転、破産者や資金を全部失った阿鼻叫喚の最悪イメージに変わってしまいました。この頃は200社もあるFX業者の半分近くが危ないとも噂されており、結果論ですがその噂は現実のものとなり半分以上のFX業者が消えていきました。しかし逆に言えばこの事によって犯罪業者はどんどん退場していき、信託保全やFX業者の規制などがきちんと整備されていって今のように安全な業者だけが残る要因にもなりました。

2008年は犯罪業者発覚・逃走の年

【2008年の主な金融事件】
1月2日 原油価格が史上初めて100ドルを突破。
1月25日 テラメント事件 韓国通貨危機
10月8日 欧米6中央銀行が協調利下げを発表。
10月10日 リーマンショック(リーマン・ブラザーズ倒産)。世界金融危機が勃発し、日本では翌14日の市場で日経平均が暴落。
10月28日 日経平均株価、一時1982年以来の最安値を記録(6994円90銭、終値は7621円92銭)。
11月 日経平均終値が8-9千円台で乱高下する。
11月6日 トヨタショック 12月19日 日本銀行がゼロ金利政策を実施。 不動産業の倒産(整理ポスト入り)が相次ぐ。  

2008年に熾烈な競争から脱落したFX業者

ここで紹介するのはFXサービスをたたんだところであり、決して全てがぼったくり業者というわけではありません。ただし、FXサービスをたたむにはそれなりの理由があるために、どういった経営が悪かったのかが問題です。2008年には犯罪がらみのものと、おまけ程度のサービスの終了が目立ちました。そして一番最低なのが顧客のポジションを有無を言わさず業者側の都合で強制決済する業者です。ポジションの移行は技術的に十分可能であり、実際に顧客のためにポジション移行を頑張った業者もあるのです。そのため強制決済した最低業者の行為は赤字で表示しておきます。どこが最低な業者だったのかすぐにわかるでしょう。

2008年4月 : トウキョウフォレックスFX事業譲渡
トウキョウフォレックスは元祖 ”スプレッド0” を宣言していた短資会社のFXでしたが、FX事業をマネックス証券に譲渡してしまいました。その後マネックス証券は新たに 「マネックス証券FX」 を作るので顧客のポジションで未決済のものは期日までに決済を迫り、しないと強制決済を断行するという顧客をバカにした方法を取ったのです。内藤証券も同様です。実際にポジション移行は可能なはずなのですが、コストがかかるので顧客に損してもらうおうと考えたみたいです。同じ状況になった楽天証券はポジション移行をきちんとしてくれましたので顧客は困りませんでした。

2008年7月 : 太平洋物産FX事業譲渡 → FXおきなわへ譲渡
太平洋物産は本業が商品先物取引のほうです。そのためFXは証券会社と同じように ”おまけ程度” でやっていたようなサービスのため、収益がよくなくFXおきなわへ譲渡したもようです。その後FXおきなわはFXリアルへと社名を変更して細々とやっていますが、ちょっと危ない業者になっています。

2008年9月 : ニュース証券FX事業廃止
やはり証券会社のついで程度にやっているサービスは、おまけ程度です。それが顧客にバレてしまい、利益が取れなくなり収益が上がらなくなるので廃止したのかもしれません。だいたい手数料無料で、スプレッド1pipsが常識のFX業界において、手数料1,000円、スプレッド5pipsという条件では顧客が集まるはずがありません。つぶれるのは必然であって、むしろこれから起こるFX業者大量淘汰の前に消えた戦略眼だけは認められますね。

2008年10月 : ネットウィング証券合併によりFX事業廃止
ネットウィング証券は親会社の都合で合併することになり、それと同時にFXサービスを強制終了したのです。もちろん収益悪化の要因もあるでしょうが、会社そのものが合併や吸収されてしまうと、別の経営者がサービスを強制停止することがあります。会社の資金面には注意せねばなりません。また強制終了なので、顧客のポジションも強制決済されたのです。

2008年10月 : イーフォレックスFX事業譲渡 → IDO証券へ譲渡
このイーフォレックスもいまいちパッとしないFXサービスでした。そのため収益がよくなかったようで、FX事業をアイディーオー証券にFX事業を譲渡したのです。ですが、そういった大切な事をホームページでも告知しないことからも、サービス精神がなく顧客から不満をかっていたので自動自得でしょう。

2008年10月 : エキサイトFXがFX事業譲渡 → クリック証券へ譲渡
エキサイトFXはなんと設立からわずか1年もたたずしてFX業界から撤退していきました。競争が激しく、将来の投資回収が見込めないということですが、もしかしたら安易な気持ちでFXブームに乗っかって一儲けしようと浅い考えで参入してきたのかもしれません。それが収益が上がらないから撤退する。まことに勝手な行動です。その後、エキサイトFXを子会社にしたクリック証券は、自社のシステムやサービスをそっくりそのまま移してフォレックス・トレードという新業者を立ち上げました。

2008年10月 : トレックスFX事業廃止
トレックスとは本業は商品先物取引であり、FXは証券会社と同じように ”おまけ程度” でやっていたもようです。2008年の金融危機で収益が悪化したためにサービスを廃業しました。もちろん顧客のポジションは強制決済されました。だいたい手数料無料で、スプレッド1pipsが常識のFX業界において、手数料1,000円、スプレッド5pipsという条件では顧客が集まるはずがありません。つぶれるのは必然であって、むしろ、さっさと悪い膿が消えてくれた分よかったですね。

2008年10月 : アテナFX事業譲渡 → FXおきなわへ譲渡
このアテナFXに関してはぼったくり業者になるかもしれません。この業者はFX事業を譲渡する前に、顧客に通知することなく信託保全を解消していたのです。また資金繰りがヤバくなったので、顧客のお金に手をつけたというウワサもありますので今後の経過を見ましょう。そもそも事業譲渡のニュースが消されているのもおかしいですね。もちろん顧客のポジションは強制決済されました。

2008年11月 : 内藤証券新サービスのため顧客ポジション強制決済
内藤証券は、現行のFXサービスを終了させて新サービスを導入しました。この際に既存のFXを使った人に対してポジションの決済を迫ったのです。しかも、期間内に決済しない場合は証券会社のほうで強制決済するという一種の脅迫でした。新サービス導入のためということでしたが、こんなの業者の勝手な都合です。あちらの勝手な都合でポジションを決済させられる業者などでは安心して取引することなどできません。その後内藤証券は新しいFXサービスを始めていますが、評判はよくありません。当然ですね。私も使いませんし、絶対に使いたくありません。

2008年12月 : トレイダーズFX事業廃止
トレイダーズFXは参入直後は ”スプレッド0” を謳い文句にかなりの顧客を集めました。しかしあまりに過剰なサービスを行ったために採算が取れなくなり、経営を続けていくことができず自主休業した後の廃業です。顧客のことを考えての過剰サービスだったのかもしれませんが、勝手に事業を停止されては投資家にとってはたまりません。もちろん顧客のポジションは強制決済されました。

FX会社の徹底比較 ~FX会社の勝ち組と負け組~

Copyright© 2018 格差脱出研究所 All rights reserved