上場投資信託であるETF と ファンド はどっちがお得?
同じものに投資する投資信託とETF
ETFというのは株価指数連動型上場投信になることをETFのページで説明しました。簡単に言ってしまうと、ETFはある指数をベンチマークとするインデックスファンドということになります。ということは、ETFと同じ指数をベンチマークとする普通のインデックス投資信託と同じような感じがします。同じ指数をベンチマークとしていることで、同じものを投資対象としていますね。では、ベンチマークが同じETFと普通のインデックスファンドはどちらに投資したほうがお得なのでしょうか?
例 : TOPIX
TOPIXをベンチマークとするTOPIXのETF
TOPIXをベンチマークとするTOPIXインデックスファンド
例 : 中国A株
中国A株をベンチマークとする中国株のETF
中国A株をベンチマークとする中国株インデックスファンド
例 : ロシアRTS指数
RTS指数をベンチマークとするロシア株のETF
RTS指数をベンチマークとするロシア株インデックスファンド
例 : ブラジル、ボベスパ指数
ボベスパ指数をベンチマークとするブラジル株のETF
ボベスパ指数をベンチマークとするブラジル株インデックスファンド
投資信託とETFの違い
最低投資金額
最低投資金額は投資をするにあたって最低限用意しなければいけない資金です。投資信託は、おおむね1万円単位からの投資ができます。これに対してETFは、株式のように単元数があるので最低投資金額が高めになり、数十万円必要になることが多いです。少ないものでも10万円程度は必要になります。
購入のコスト
購入するにあたってどのようなコストが必要かです。投資信託は、代表的なコストである販売手数料がかかります。これは投資金額に対して1.05~3.15%と割合で表示されるために、投資金額が増えるほど手数料も増えることになります。これに対してETFは株式を購入するコストと同額です。つまり証券会社へ払う手数料のみがかかります。具体的には証券会社で異なりますが、定額コースなどがあるのでおおむね数百円程度の定額になります。また、大口顧客への優遇サービスがあるので、投資金額が増えれば増えるほどコストが低くなることもあります。
信託報酬
投資信託の運用者へ払う報酬です。投資信託はおおむね投資金額に対して1.05~2.50%のものが多く、低いものでも0.50%ほどはかかります。これに対してETFの信託報酬は0.10~0.50%になり、かなり信託報酬が低くおさえられています。
価格の表示
投資信託やETFの基準価格が決定する期間には違いがあります。投資信託は、一日一回ほどしか基準価格が変動しませんので、その価格でしか売買ができません。これに対してETFは上場しているため、市場が開いている間はリアルタイムで価格の変化が生じます。流動性の問題もありますが、市場が開いていればリアルタイムでの売買ができます。
注文方法
投資信託を購入する注文方法の違いです。投資信託は、一日一回しか価格が決定されないので、その価格に対しての成行注文しかできません。これに対してETFは、市場での注文方法に沿ったものなので、成行注文だけでなく、指値注文や逆指値注文なども可能になっているので好きな価格での売買ができます。
信用買い(レバレッジ
レバレッジをかけた取引。信用買いとは、担保の3倍まで信用買いができる信用取引の一種です。投資信託は信用取引に対応していませんので、レバレッジをかけた買いをすることはできません。これに対してETFは信用口座を持っていれば、レバレッジをかけた信用買いができます。ただし、銘柄が信用取引の対象であることが前提です。
信用売り(カラ売り
信用売りとは対象をカラ売りすることで下落相場で儲ける信用取引の一種です。投資信託は信用取引に対応していませんので、カラ売りはできません。これに対してETFは信用口座をもっていれば、カラ売りをすることができますので、対象が下落しているときも儲けることができます。ただし、銘柄が信用取引の対象であることが前提です。
約定までの時間
購入した投資信託が実際に約定するまでの期間の違いです。投資信託は一日一回しか価格が決定しませんので、注文を出してから約定するまで数日かかることがあります。当然、その間に価格が変動しますので正確な約定価格がハッキリしません。これに対してETFは、市場での売買が成立すれば、リアルタイムでの約定が可能です。指値注文での約定ならば、正確な約定価格がハッキリします。
換金性
投資信託を現金に換金するまでの期間の違いです。換金性は、約定の反対売買なので約定の期間に反映されます。投資信託は、注文を出してから約定するまで数日かかるので、正確な約定価格がハッキリせず、いくらで換金されるか正確な金額がハッキリしません。これ対してETFは市場での売買が成立すれば、即座に換金ができます。また指値約定ならば、いくらで換金されるかがハッキリします。
投資対象の数
連動する指数の種類です。投資信託は、ご存知の通り国内株式から、外国株式、不動産、果てはアイドルやワインなどあらゆる対象を投資対象とする種類があります。これに対してETFは、上場への手間がかかることから、とても種類が少なく国内で上場しているETFの数は100に達しません。
まとめ : 結局どっちがいいのか?
投資信託とETFとの特徴は上記の表のようになります。投資信託は 「最低投資金額」と「投資対象」 で優れていますが、「コスト面」、「流動性」、「注文の多様性」によって総合的にはETFのほうがお得ということになります。したがって同じ投資対象ならETFを選んだほうがコストもかからないし、いざというときに容易に換金できて便利です。
ただし、ETFの欠点としては投資対象が少なく、投資資金が大量に必要なことです。多くのETFは最低10万円以上かかるのため、月々少しずつ積立タイプの人には敷居が高いかもしれないでしょう。そこでETFへの敷居が高いと感じる人には、ファンドからETFへのリレー投資がいいでしょう。これは月々1万円ずつインデックスファンドを積み立てておき、ある程度投資資金がたまったら、ETFへスイッチングすることです。月々1万円ずつ投資をし続けていれば、10ヶ月も経てば10万円以上になります。こういったリレー投資なら、月々の負担も少なく分散投資効果によって平均購入価格が抑えられるメリットがあります。しかし、投資信託の積み立て購入はETFよりもコストがかかるのである程度たまったら、さっさとETFへスイッチングしたほうがお得です。
総合的にはETFのほうがお得
資金が無ければ、投資信託を積み立てて
ETFへスイッチングしよう