派遣社員を搾取しまくった悪質企業:グッドウィルの犯罪行為
グッドウィルとは最低な犯罪企業である
あなたはグッドウィルという
人材派遣の大手会社を覚えていますか?
グッドウィルとは21世紀に急成長した人材派遣業の大手企業でした。
多くの若者が、このグッドウィルを利用してアルバイトや派遣をしていたのです。
しかしその実態は派遣労働者の弱い立場を利用して徹底的に搾取する犯罪企業でした。意味不明なデータ管理費を搾取したり、違法派遣をしたり、脱税したりとやってきた犯罪は数えきれません。あまりに多いのでとても全部はかけないので、ウィキペディアの項目をみてください。あいつぐ派遣労働者の訴えをもみ消し、事実の隠蔽を図ってきた同社はついに年貢の納め時をむかえ、2008年に廃業に追い込まれました。では、グッドウィルはどのようなレベルの搾取を行ってきたのでしょうか?
社長は今でも問題を起こしている
三つ子の魂百まで・・・ということわざもあるように人というのは変わらないものです。この旧「グッドウィル・グループ」の創業者・折口雅博はおよそ10年後には制限速度を90キロ近くオーバーするという悪質な道路交通法違反を犯して逮捕されています。
2018年末には裁判が結審し、東京地裁にて懲役3か月・執行猶予2年の有罪判決が言い渡されました。
旧「グッドウィル・グループ」の創業者・折口雅博被告が高速道路で制限速度を大幅に超えて車を運転したスピード違反の罪に問われた裁判で、東京地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
人材派遣・介護事業の旧「グッドウィル・グループ」の創業者で元会長の折口被告は今年2月、首都高速道路で制限速度を87キロ超える時速147キロで乗用車を運転した罪に問われている。
折口被告「スピード違反してしまったこと、大変反省しています」
28日の判決で、東京地裁は「速度の超過幅が非常に大きく危険性が高い」と指摘した一方、折口被告が「反省の態度を示している」などとして、懲役3か月・執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。
折口被告「裁判所の判断を真摯(しんし)に受け止め、今後、精進したいと思います」
折口被告は日本テレビの取材に対して、「今後は二度と運転いたしません」と語った。引用:旧グッドウィル元会長 スピード違反で有罪(Yahoo!ニュース 2018/11/28)
正社員すら搾取するグッドウィル
グッドウィルの犯罪というと、まずは労働者からの搾取が上げられますが、それだけではありません。なんと自分のグループの中でもすさまじい年収格差が存在しており、労働者以外に自社の社員からも徹底的に搾取をしていたのです。それは廃業にあたって明らかにされた、グッドウィルの正社員と取締役の年収からみることができます。
当時のニュース:Yahoo!引用
正社員 1974人 : 平均年収 338.7万円 (平均年齢29.7歳、平均勤続年数2.4年)
取締役 6人 : 平均年収1750万円
なんとグッドウィルは正社員と役員との年収差は6倍にもなります。なぜこんなに年収格差があるというと、この正社員のほとんどは派遣労働者からランクアップしただけの名ばかり正社員にすぎないからです。実際においしい汁のほとんどは数名の幹部のみが独占し、何か労災などの問題が起きたときにはほとんど派遣レベルである正社員のクビを切ればいいわけです。幹部にとってはハイリターン・ローリスクのおいしい立場であり、正社員にしてみればいくら働いても一向に待遇はよくならず、給料はほとんど幹部に搾取される派遣より劣悪な環境だったのです。
グッドウィルでは支店長に昇格すると、出退勤の自由や権限もないのに管理監督者扱いされ残業代が支払われなくなります。元店長の話によると 「繁忙期は支店に泊まったり、毎晩遅くまでの人集めなど残業は常態化し、残業は月100時間を超えていた。サブマネジャーから昇格すると一切出なくなる」 とのことです。本来は地位の如何ではなく、実質の権限を持つ人のことを管理職というのですが、そんなことはこの搾取会社グッドウィルには通用しません。
労働者から4割も搾取するグッドウィル
グッドウィルは、登録者274万人のうち毎日2、3万人程度が実際に働き、会社は年間で1384億円の収入を得ていました。そのうち、派遣者に支払われる賃金などは 「売上原価」 として計上され、66.4% が労働者へ支払われていました。例えば、1000円の時給で契約していたとしたら、派遣者には664円が支払われ、会社側には336円残ったということになります。しかし、売上原価には派遣者の交通費や福利厚生費なども含まれることが多く、派遣者の実際の取り分はこの売上原価の比率よりは低くなり、「データ装備費」 などという用途不明なものまで搾取されていて実際にはさらに 5% 低い 61.0% になります。もちろんその搾取された金は会社の利益となり数名の幹部の懐におさまるといったしくみです。
ちなみにこの図の年収はグッドウィルではなく親会社のグッドウィルグループになります。あの介護で問題になっていたコムスンもこの傘下でした。もちろんグッドウィルの搾取された金は親会社にも流れていたことは明白です。それがあってかどうかはわかりませんが、親会社の年収はグッドウィルよりも高いものでした。
被害者の声 : 都内の男性(32)はグッドウィル廃業時に派遣先から 「直接雇用(のアルバイト)に切り替えよう」 と持ちかけられました。すると労働内容は変わらないのに月収は派遣時代の15万~18万円から約35万円に増えました。これは増えた分の17~20万円がグッドウィルに入っていたことになります。男性は 「貯金ができるようになったのはうれしいが、今までこんなにマージンを取られていたと思うと腹が立つ」 と憤りを隠せない。
他の派遣会社はどうなのか?
他の派遣会社の売上高に占める労務費の割合は、73%から79%と、派遣者への還元率はグッドウィルの61%に比べて高率です。だいたい2割程度がもっていかれ、7.8割が派遣労働者へ支払われているのです。また、派遣本社と派遣労働者との年収格差もだいたい1.5~2倍とグッドウィルよりもかなり低い水準になります。これでいかにグッドウィルが同業他社よりも悪条件で派遣労働者からぼったくっていたことがわかります。
搾取されないためにどうするか?
フルキャストやグッドウィルなど一連の派遣労働者搾取会社は淘汰されたようですが、これは氷山の一角にすぎません。まだまだ搾取しているところはいっぱいあるはずです。これらに対して私たちはどう対処すればいいのでしょうか?
今の教育現場では 『正社員とフリーターの収入比較』 なんてものを教え、「正社員になったほうがいいよ」 と教えていますが、非常に無責任かつ的外れな教えです。いくら気をつけても就職氷河期によって正社員になるはとても難しく、仕事の絶対量が少ないので、労働者の3人に1人は非正規の仕事につかざるをえないのです。さらに、正社員だからといってもグッドウィル社員のように搾取されている所だってあるのです。
大切なのは搾取されないために自己防衛の手段と知識を備えて、悪徳業者の手口を見抜く眼力をもつことです。
ようは 【 騙されないために賢くなれ 】 ということです。
一連の派遣労働者搾取の原因は弱い立場を利用されたこともありますが、最も利用されたのは彼らが無知であることです。無知であるから派遣会社の取り分や労災などをあれこれ理由をつけ本来もらえるべきお金をもらえず、取られるべきでないお金まで取られてしまったのです。 『正社員になればいい』 そんな安易な考えを信じてお金のことを勉強せずに無知なままでいると、その無知を利用されて騙されて搾取されてしまう運命になります。無知は損です!
引用 : グッドウィル名ばかり管理職
今月末で廃業の決まっている日雇い派遣大手のグッドウィルの現役支店長らが 「管理監督者扱いされ残業代を支払われなかった」 と残業代の支払いを求める動きが出てきた。派遣労働者からのデータ装備費の天引きや違法派遣などが問われた同社だが、廃業を前に正社員からも怒りの声が上がり始めた。
個人加盟の労組、首都圏青年ユニオンは18日記者会見。現役支店長や元支店長など5人が労組に加入し、計約1200万円の不払い残業代の支払いと合意退職の条件の引き上げなどを求める団体交渉を、同社に申し込んだと発表した。労組によると、同社では支店長に昇格すると、出退勤の自由や権限もないのに管理監督者扱いされ、残業代が支払われなくなる。元店長の男性(35)は「繁忙期は支店に泊まったり、毎晩遅くまでの人集めなど残業は常態化し、残業は月100時間を超えていた。サブマネジャーから昇格すると一切出なくなる」と話した。一方、派遣ユニオンは14日に2人の現職支店長らの不払い残業代の支払いや合意退職に応じない社員の雇用継続などを求めて団交を要求している。
引用 : 毎日新聞 2008年7月19日 東京朝刊
引用 : 所得隠し
人材派遣大手グッドウィル・グループ(GWG、東京都港区)と子会社数社が東京国税局の税務調査を受け、人材派遣会社の買収をめぐり、2007年6月期までの3年間に約11億円の所得隠しを指摘されたことが22日、分かった。経理ミスを含む申告漏れ総額は約30億円で、重加算税や地方税を含む追徴税額は約10億円となる見通し。同社は修正申告に応じている。同社や関係者によると、問題になったのは06年10月に行った人材派遣会社クリスタル(現グッドウィル・プレミア)の買収。GWGはファンドを通じて買収したが、関連経費の支払いに関して、国税局から仮装隠ぺいを伴う悪質な所得隠しと指摘されたもようだ。GWGは「見解の相違もあったが、指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後とも適正な税務申告に努めたい」としている。
(2008/07/22-20:51)
引用 : 買収による脱税行為
人材派遣大手の旧グッドウィル・グループ(GWG、現ラディアホールディングス、東京都港区)による人材派遣会社の買収を巡り、仲介した投資ファンドが06年、約380億円の利益を得ていたことがファンド関係者の話で分かった。一部がファンド運営者の一人の公認会計士(51)に流れ、適正な税務申告を怠っていたとされる。東京地検特捜部も同様の経緯を把握しており、所得税法違反(脱税)容疑で捜査を進めている模様だ。
この投資ファンドは「コリンシアン投資事業有限責任組合弐号」(東京都港区、07年9月解散)。会計士は当時、投資会社「コリンシアンパートナーズ」(港区、コ社)の代表取締役を務めており、ファンドはコ社が代表者となり、06年8月に設立された。
GWGが06年12月25日付で東京証券取引所に提出した報告書などによると、ファンド側が06年10月23日、GWGに対し、人材派遣大手「クリスタル」(京都市、現ラディアホールディングス・プレミア)の買収を持ちかけた。クリスタル側は同業他社への株式売却に難色を示していたため、GWGが直接株式を取得するのではなく、いったんファンドがクリスタルの創業者から株式を取得し、その株式の一部をGWGが取得する仕組みだった。GWGは提案を受け入れ、06年10月31日、自社が100%出資する団体を介してファンドに約882億円を支払い、ファンドの保有するクリスタル株3万8190株(全発行済み株式の67%)を買い取った。
ファンド関係者らによると、ファンド側が取得したクリスタル株は5万1825株に達する一方、買い取り額は約500億円に過ぎず、差額に当たる約380億円とクリスタル株1万3635株がファンド側に残った。ファンドにはコ社のほか複数の投資家が出資していたため、約380億円は出資者間で分配され、会計士はその後、不正な経理操作で所得税を免れた疑いがあるという。
引用 : 2009年5月25日 毎日新聞