潜在能力を秘めているかもしれない CZK、PLN、HUF、RUB などの東欧通貨
CZK (チェココルナ) とはチェコ共和国の通貨単位
CZKとはチェコで使われる通貨である
CZKはチェココルナといってチェコ共和国で使われている通貨です。チェコは英語名でCZechとなり、コルナはKorunaとなります。その頭文字をとってCZKと表記されるのです。隣国のスロバキアはSKKという同じスロバキアコルナという通貨を使っていましたが、2008年にEURを導入しました。
分裂したチェコ共和国
ご存知でしょうがチェコはソ連崩壊までは隣国スロバキアと一体となっていました。ソ連崩壊までは社会主義を強制的に導入させられ、共産圏解体の中で1993年にチェコスロバキアが2つに分裂したことにより、現在のチェコ共和国が誕生しました。なぜ2つに分裂したかというとチェコにはドイツ系の住民が、スロバキアにはハンガリー系の住民が住んでいてもともと別々の生活圏だったのを幾多の戦争で強制的に合併させられていたからです。ただしナチス侵略などでドイツは嫌いみたいです。
チェコは東欧でも指折りの工業国
通貨の分析する上ではその通貨を使う国の経済を分析することが大切です。そこでチェコの経済を分析することになるのですが、チェコはそれほど世界的に有名な企業などがあるわけではありません。しかしチェコに住む人々はドイツ系の人間であるせいか、工業が得意な民族です。そのためソ連という呪縛から解き放たれてから、チェコ共和国の工業は目まぐるしい発展を遂げています。チェコは東欧きっての工業国なのです。
EU加盟の恩恵を受ける
チェコ共和国は他の東欧諸国と同じく2004年にEUに加盟しました。EUに加盟することによってEU本部からの援助を受けることができたり、海外からの投資が整うことで経済成長がしやすくなるからです。このEU加盟によってチェコ共和国は確かに成長するのですが、インフラが整わないうちに大量の海外資本が流入したことで、一時経済的混乱を招きました。現在では安定的に経済成長するまでに回復しましたが、いまだチェコ共和国はそれほどのレベルでしかないということでもあります。
EUR(ユーロ)はまだ導入せず
チェコ共和国は新興国の分類に入り、経済成長をしやすくするためにもEUに加盟しました。もちろんEU加盟と同じくEUR(ユーロ)も導入したいのです。しかし、チェコ共和国はいまだにEUの共通通貨であるEUR(ユーロ)を導入できていません。これは失業率が高い状態で推移していることと財政赤字があるということが主な原因になります。これらの問題の改善されれば、EUR(ユーロ)を導入することになります。隣国のスロバキアはすでにEUR(ユーロ)を導入しました。
チェコの政策金利は低め
チェコはEUR(ユーロ)を拒否非されたように失業率は高い状態です。ただし、失業率に反して深刻なインフレは起こっていません。そのためインフレをおさえるための金利引き上げはの必要性がないので、政策金利はそれほど高くなっていません。スロバキアも同じような状況でした。21世紀の安定した経済成長の中で金利は2~4%ほどに抑えられています。将来的にEU加盟をすることを目標としているので、EUR(ユーロ)と同等の金利水準になっていくと考えていいでしょう。
取引はSAXO業者でできる
CZK(チェココルナ)は世界的にはあまり流通していないマイナー通貨の分類に入ります。そのため国内FX業者で取り扱っているところは存在せず、国際的なネットワークを有するSAXOシステム導入業者でしか取引はできません。しかし流動性が低く、取引はオススメできません。さらに隣国のスロバキアのようにEUR(ユーロ)導入にともなって通貨が廃止される可能性も高く、投資する魅力はほとんどないといってもいいでしょう。
PLN (ポーランドズロチ) とはポーランド共和国の通貨単位
PLNとはポーランドで使われる通貨
PLNとはポーランドで使われるポーランドズロチという通貨です。発音の違いから ”ズウォティ” と呼ばれることもあります。ポーランドの英語名がPOLANDであることから、PLNと表記されるのです。以前はトルコのようにデノミを起こしたこともある通貨ですが、中世のころから使われている歴史のある通貨になります。東欧諸国の通貨では最も流通量が多いのでFXにも向いている通貨です。
やっと自国の国を成長させられる時期がきた
ポーランドは他の国と陸続きであり、大きな川や山など敵軍を攻めにくくする地形がないとても開けた土地です。そのため何度も攻められ、国境が変わっています。中世ではリトアニアに侵略され、第一次世界大戦にはドイツ・オーストリア・ロシアに占領され第二次世界大戦にドイツとソ連に侵略され、戦後ドイツはソ連に支配され、と何度も侵略されてようやく最近自国の発展に力を入れられる状況になりました。そのためにポーランドの国民はとてもプライドが高く、愛国心が強い傾向があります。ポーランドの国歌には 「ポーランドは滅びず~♪」 といったフレーズが入っているのもそれを象徴しています。ちなみにロシアが大嫌いなので、トルコように親日国です。
開けた土地には財産がたくさん
ポーランドという国家は、この開けた土地のおかげで何度も侵略されてしまいました。しかし、このいまいましい開けた土地にはたくさんの宝が埋まっているのです。そう、世界的に必要な地下資源である石炭、銅、鉄鉱石が豊富に埋蔵されているのです。この宝を欲しがっていろんな国が侵略してきたのですね。
EU加盟をしたのだがユーロ導入できず
ポーランドは新興国の分類に入り、経済成長をしやすくするためにもEUに加盟しました。もちろんEU加盟と同じくEUR(ユーロ)も導入したいのです。しかし、ポーランドはいまだにEUの共通通貨であるEUR(ユーロ)を導入できていません。これは失業率が高い状態で推移していること、そして国家の財政が赤字を続けているということが主な原因になります。これらの問題の改善されれば、EUR(ユーロ)を導入することになります。
PLNはけっこうな高金利通貨
ポーランドの経済は4,000万人もの人口と豊富な資源に支えられているために、新興国の中では比較的安定している状態です。しかし先進国ほどインフレは抑えられていません。その高いインフレをおさえるためにも政策金利は高い状態を続けています。高金利の通貨なので、日本のFX投資家の中にも経済成長による通貨高と高金利を狙ってPLN(ポーランドズロチ)へ投資する人も多いです。しかし経済成長が続けばインフレも落ち着き、政策金利も下がってEUR(ユーロ)を導入することも考えられます。
けっこういろんな業者で取引できる
PLN(ポーランドズロチ)はマイナー通貨となっていますが、東欧通貨ではもっとも流動性が高い通貨になっています。そのためいろんなFX業者がPLN(ポーランドズロチ)を取り扱っています。世界的なネットワークを有するGFT業者やSAXO業者で取り扱っているのはもちろん、くりっく365でも取り扱っているのです。特にくりっく365は税制上の優遇措置を受けられるので、高スワップを狙った投資をしている人もけっこういるみたいです。ちなみにくりっく365で一番人気なのはスター為替です。
HUF (ハンガリーフォリント) とはハンガリー共和国の通貨単位
HUFとはハンガリーで使われる通貨
HUFとはハンガリーフォリントといって、東欧のハンガリー共和国で使われている通貨です。ハンガリーの英語名はHUngaryといい、フォリントの英語名がForintとなることから、HUFと表記されるのです。非常に高金利であることが有名であり、日本のスワップ投資家にかなり人気になっています。ただし非常にハイリスクな通貨でもあります。
東欧の高金利通貨
HUF(ハンガリーフォリント)は東欧のNZDと呼ばれることもあるように非常に金利が高い通貨として知られています。これはハンガリーの経済が歴史的に非常にインフレが起こりやすく、インフレを抑制するために金利を高くしていることが原因です。その上ソ連崩壊後の急進的な市場経済改革の遂行によって、高インフレに拍車がかかり経済的混乱を起こしました。そのため必然的にハンガリーの金利は高水準にとどまっています。
凄まじいインフレとデノミの歴史
ハンガリーには今のフォリントを使う前に ”ペンゲー” という通貨が使われていました。しかし、このペンゲーという通貨は1940年代に歴史で記録されたなかで最高率のハイパーインフレに見舞われ、完全に紙くずとなった歴史があります。ペンゲーのインフレ率は、それこそ天文学的な数値であり、かつてない高額面の通貨になりました。その額面は、最高10垓ペンゲー(10の21乗)にまで達したいわくつきの通貨です。新通貨フォリントになった後も、ハンガリーは歴史的に高インフレ高金利の時代が続いています。
旧東欧の優等生
ハンガリーの主要産業は広大な土地を利用した農業です。この農業は 「欧州の穀倉」 と呼ばれるほどものであり、ヨーロッパの食料庫とも言われています。その土地には豊富な地下資源も埋蔵されており、ボーキサイト、石炭、鉄鉱石などが産出されて工業の発展も盛んです。ですがHUF(ハンガリーフォリント)は流通量が少なく、資源国通貨ではなく高金利通貨として扱われています。
リスクの高い高金利通貨
ハンガリーは ”ペンゲー” の歴史もあることからもわかるようにインフレが強い経済であり、政策金利は高い水準にあります。現在ハンガリーは強い経済成長を続けているので、今後安定していくことも考えられますが、高インフレ、高失業率、財政赤字と問題が山積みであるから非常にリスクの高い通貨となります。2008年の金融危機では悪化するHUF安を抑えるために一気に3.0%の利上げを行ったり、取引停止になったりしたこともあるので注意してください。
取引はGFT、SAXO業者でできる
高金利で人気の高いHUF(ハンガリーフォリント)ですが、流動性は低く取り扱っているFX業者は少ないです。取り扱い通貨ペアが多いGFT、SAXO業者が主な候補です。それ以外では、比較的多くの通貨を取り扱っているアトランティック・トレードやFXOnlineJapanなどの業者が取り扱っています。オススメなのはスワップ金利が高いSAXO業者ですね。
RUB (ロシアルーブル) とはロシア連邦の通貨単位
RUBとはロシア連邦で使われる通貨
RUBとはロシアルーブルといって、北の大国:ロシア連邦で使われている通貨です。ロシアの英語表記がRUssiaであり、ルーブルの表記がrouBleとなることから、RUBと表記されるのです。なぜRoubleの頭文字のとらないかはわかりませんが、もしもRをとって表記するとRURと語呂が悪いからじゃないかと思われます。もしくはBにアクセントがつくからですね。このRUB(ロシアルーブル)ですが、ロシアの経済力、影響力とは裏腹に信用力も流動性も非常に小さい通貨としてFXには向いていない通貨とされています。
2回もデノミを行ったことがある
RUB(ロシアルーブル)がなぜ信用力がないかと言われる理由は、その歴史にあります。なんとRUB(ロシアルーブル)は通貨単位の切り下げであるデノミを2度も行ったことがあるのです。ソ連時代の1961年、そしてロシア危機直前の1998年にもデノミを行い通貨の単位を頻繁に下げています。このためRUBで持った資産はデノミの度に資産価値を下げられ、ロシア国民は何度も政府に煮え湯を飲まされてきました。こんなことがあった通貨など誰も信用しません。ゆえにRUB(ロシアルーブル)の信用力は低いのです。
1998年に破産したロシア
RUB(ロシアルーブル)の汚点はデノミだけではありません。なんとロシアは国家破産まで行ったことがあるのです。1998年、アジア通貨危機の影響を受けてロシアは国債の利回りを停止しデフォルト(債務不履行)を行いました。これが事実上の国家破産です。これによってRUB(ロシアルーブル)の国際的な信用力は地に堕ち、その価値はとんでもなく下がってしまいました。RUB(ロシアルーブル)で資産を保有していたロシア国民の財産は、あっという間に二束三文の価値しかなくなってしまい、絶望したロシア国民には大量の自殺者が出ました。
国家破産のおかげで勝ち組になったオリガルヒ
しかし皮肉なことにこのRUB(ロシアルーブル)暴落に乗じて勝ち組になった人たちもいるのです。それが 『オリガルヒ』 というロシア人たちです。このオリガルヒという人たちはロシアが国家破産をすることを見抜き、事前に自分たちの資産をRUB(ロシアルーブル)から、ドルや円などの外貨に換えておきました。そのためRUB(ロシアルーブル)が暴落しても、彼らは被害を受けず、退避しておいた外貨で国営企業を二束三文で買いあさることができました。その結果、石油などの利権を手に入れて億万長者になったも出ているのです。この話は日本破産のモデルケースとしてもよく取り扱われていますね。このオリガルヒたちのように私たちも日本の円資産を外貨に換えておかなければいけません。
復活してもRUBはもたないロシア人
1998年に破産したロシアは屈辱のIMF支配下に入り出直しを始めました。そして前述のオリガルヒの支援と原油価格の暴騰にも助けられてロシア経済は急速に回復していくことになります。2002年ごろにはBRICsの一角を占める新興国として世界から投資が集まり、株価は何十倍にも跳ね上がりました。そのかいもあってRUB(ロシアルーブル)の価値も少しずつ上がってきました。しかし、もともと信用されていないRUB(ロシアルーブル)ですので、その信用力はいまひとつ回復しておらず、いまだにロシアの資産はユーロ建てのものも多い状態が続いています。
EUR(ユーロ)との固定相場
ロシア経済が回復していてもRUB(ロシアルーブル)はデノミの歴史があるために、なかなか信頼されていません。そのためRUB(ロシアルーブル)はEUR(ユーロ)と固定相場を形成しています。これにより、信用力の高いEUR(ユーロ)と同じように扱われるようになったので、主だった通貨安も通貨高も起こっていません。ロシア株の上昇と比べてもRUB(ロシアルーブル)の大きな上昇はありません。
政策金利は高いがスワップ金利はマイナス
ロシア経済は堅調な経済成長を続けているので、かなりのインフレが起こっています。ロシアはこのインフレを抑えるために政策金利をを10%以上と高金利な状態にしています。しかし世界的にもRUB(ロシアルーブル)の信用は小さく流動性もほとんどありません。つまり非常に調達コストがかかってしまい、RUB(ロシアルーブル)のスワップ金利はマイナスになってしまうことがあるのです。そのためISK(アイスランドクローナ)と同じくリスクが高い高金利通貨と捉えておいたほうがいいでしょう。スワップ投資には向いていません。
ロシアは資源国家だが、RUBは資源国通貨ではない
資源国通貨という言葉をFXの世界ではよく使います。年々強くなる資源ナショナリズムによって鉱物や穀物などの資源にマネーが集まり、間接的に資源に投資できるという理由で資源国の通貨にも買いが集まります。そのため資源のある国の通貨を資源国通貨とよぶことがあるのです。具体的にはカナダドル(CAD)とオーストラリアドル(AUD)がそれにあたります。しかしながら、資源国通貨にロシアルーブル(RUB)が出ることはほとんどありません。これは、ロシアルーブル(RUB)がの流通量が非常に少ないことから流動性が悪く、また幾度と無くデノミネーションを行ってきた歴史があるために、信用力が低い通貨をして認識されているためです。
RUBはSAXO系列で取引できる
RUB(ロシアルーブル)は流動性が低いマイナー通貨なので、国内FX業者ではSAXO系列のFX会社しか取扱をしていません。取扱ペアもRUBJPYといったクロス円ではなく、USDRUBやEURRUBなどのクロスドル、クロスユーロペアしかありません。流動性も信用力もないのですから当然ですね。このようにRUB(ロシアルーブル)はロシアの経済力、影響力とは裏腹に信用力も流動性も非常に小さい通貨としてFXには向いていない通貨とされています。
EEK、LVL、LTL とはバルト三国の通貨単位
バルト三国とはどこの国?
バルト三国とは非常に存在感の小さな(失礼)国々ですが、ソ連崩壊ともに独立した小さな3つの国、エストニア、ラトビア、リトアニアのことです。バルト三国と一まとめにされることが多いですが、それぞれ別々の歴史を持つ違った民族です。そのため同一通貨は無く、それぞれに独自通貨が存在しています。3国ともにEU加盟を果たしたので、EUR導入を行おうとしていますが、国内の問題が多くEUR導入には時間がかかりそうです。3国の中でもラトビアのLVLはEURとのペッグ制を行っていますのでFX投資家の中にはEURLVLのペアでUSDHKDやUSDOMRのようにペッグ制による安定したスワップを得ようとしている人もいます。
エストニアの通貨はEEK : エストニアクローン
ラトビアの通貨はLVL : ラトビアラッツ(EURとのペッグ制)
リトアニアの通貨はLTL : リトアニアリタス
取引はしないほうがいい
このバルト三国通貨はSAXOシステムを導入しているFX業者で取引することができます。というか流動性があまりに低いのでSAXO業者しか取り扱っていません。SAXOシステムを導入している業者で一番人気なのはkakakuFXですが、そのkakakuFXをしてもあまりに流動性が低く、さらに2008年の世界的な金融危機によって取り扱いが一時停止になったこともあります。アイスランドのISKと同じぐらい流動性が低い通貨と思ったほうがいいです。したがって流動性リスクが極めて高いために取引はオススメできません。あくまで知識として覚えておく程度にしておきましょう。
杉原千畝さんを覚えておこう
また知識ついでに杉原千畝さんもこの機会に覚えておくことをオススメします。杉原千畝さんは第二次世界大戦時のリトアニアにいた外交官です。この時代はナチスドイツやソ連のユダヤ人迫害が非常にたくさん行われていた時代であり、多くのユダヤ人が行き場を失っていました。しかし当時のリトアニアはソ連によって支配されており、国外脱出に必要なビザが取れなかったのです。このとき杉原千畝さんは外交官でありながら、外務省の意に反してユダヤ人にビザを発行し、国外脱出ができるようにしてくれたのです。これによりおよそ6,000人ものユダヤ人が助かったといわれています。やったことは外交官失格ですが、人道を優先した人間的にとても尊敬できる方です。職務よりも人道を重んじたこの方の生き方は非常に尊敬され、世界に誇る日本人として広く知られています。リトアニアに行く機会があれば、ぜひこの話を知っておきましょう。
RON、BGN とはバルカン半島の通貨単位
RONはルーマニア、BGNはブルガリアで使われる通貨
第一次世界大戦の舞台にもなったバルカン半島にはルーマニアとブルガリアという国があります。これら2つの国は2007年にEU(欧州連合)に加盟し、EUからの支援や貿易がやりやすくなって大きな経済成長が見込める国です。しかし本来なら、EUに加盟した国は共通通貨であるEUR(ユーロ)を導入しなければなりませんが、失業率や財政赤字といった条件を満たすことができずEUR(ユーロ)導入にはいたっていません。そのため、それぞれ独自通貨であるRON、BGNを導入しています。RONは新ルーマニア・レウといってルーマニアで使われる通貨です。BGNはブルガリア・レフといってブルガリアで使われる通貨です。
ルーマニアのEUR導入は2014年
現在ルーマニアはRON(新ルーマニアレウ)という独自通貨を導入していますが、2014年にはEURを導入予定です。それまでRON(新ルーマニアレウ)は使われることになるでしょう。ルーマニアの通貨が ”新” になっているのはトルコと同様に2005年にデノミネーションを行っているからです。それまでの通貨はROLと表記されており、旧ルーマニアレウと呼ばれるようになりました。このようにルーマニアの通貨は何度も通貨の切り替えを行ってきました。歴史上トルコに占領され、ソ連に占領されと何度も宗主国が変わっているからです。そのためEURを2014年に導入できるかは疑問視されています。
ブルガリアの通貨は固定相場
ブルガリアの独自通貨であるBGN(ブルガリアレフ)は1997年ごろからヨーロッパの経済大国であるドイツの通貨:ドイツマルクとの固定相場を行っていました。この固定相場によってBGN(ブルガリアレフ)は非常に安定していたのです。しかしドイツはEUの共通通貨であるEUR(ユーロ)を導入しました。このとき、BGN(ブルガリアレフ)はどうなったかというと ・・・ 固定相場が(EURユーロ)へ引き継がれることとなったのです。つまりBGN(ブルガリアレフ)はEUR(ユーロ)との固定相場になっているのです。また、ブルガリアもルーマニアと同じく1999年にデノミネーションを行いました。以前の通貨はBGLと表現されています。
自国通貨の信用がないのでEUR(ユーロ)導入は悲願
ルーマニアやブルガリアといった発展途上国は、なかなか経済をうまくコントロールすることができません。その結果、インフレになりやすい傾向があります。このルーマニアやブルガリアなどはその典型的な例でしょう。特にルーマニアにいたってはこの150年の間に、実に3度も通貨単位の切り下げに伴う新通貨の切り替えが行われており、4種類ものルーマニアレウができてしまいました。通貨の名称は変わらないので、それぞれ第1のレウ、第2のレウ、第3のレウ、第4のレウと表記されています。こんなに頻繁に新通貨が出されてしまっては、誰もこんな通貨を信用しません。それゆえ通貨の価値が下がってインフレになりやすいのです。そんな経済なので、世界的に価値を認められて安定しているEUR(ユーロ)の導入は、ルーマニア、ブルガリアにとってはまさに長年の悲願でもあるのです。
取引はオススメできない
RON(新ルーマニアレウ)やBGN(ブルガリアレフ)は流動性が非常に少ないマイナー通貨です。そのため国内FX業者で取り扱っているところは存在せず、国際的なネットワークを有するSAXOシステム導入業者でしか取引はできません。しかし流動性が低く、取引はオススメできません。SAXOシステムを導入している業者で一番人気なのはkakakuFXですが、そのkakakuFXをしてもあまりに流動性が低く、さらに2008年の世界的な金融危機によって取り扱いが一時停止になったこともあります。したがって流動性リスクが極めて高いために取引はオススメできません。あくまで知識として覚えておく程度にしておきましょう。