FXの貿易収支は注目度は高いが相場はあまり動かない

貿易収支とはどんな経済指標か

FXには様々な経済指標が影響します。そしてこの貿易収支は最も注目度が高い指標の1つといわれています。国家には財政収支と経常収支という2つの収支があり、貿易収支はこの経常収支の最も大きなウェイトを占めるものなのです。アメリカの貿易収支なら、アメリカへ輸出された金額とアメリカへ輸入された金額の差額を表したものになります。輸出・輸入にはモノだけではなく保険・運賃・観光等のサービスの取引も含まれるために、その国の財政を見極める上でも大きな注目が集まります。

この貿易収支は国によって様々であり算出方法もバラバラです。そのため各国の貿易の特徴をある程度つかんでおいたほうがわかりやすいかもしれません。例えば双子の赤字を抱えるアメリカでは、常に貿易収支がマイナスであり、赤字であることは完全に織り込み済みとされています。逆に双子の黒字のカナダや、輸出大国の日本などでは毎回黒字でありどれだけ黒字になっているかが注目になっているのです。そのため黒字が当たり前の日本などが、貿易収支で赤字を計上してしまったらとんでもない影響を及ぼします。

貿易収支の注目度

貿易収支の注目度は非常に高いものです。各国の輸出・輸入がどのようになっているかを分析・判断する重要な指標だからです。主にアメリカの貿易収支が悪化すると、貿易赤字拡大はアメリカの保護貿易主義懸念、米国財務省によるドル安誘導懸念が高まるためにドル売り要因となる傾向があります。ただし、アメリカは世界最大の消費国でもあることから、赤字が広がれば個人消費が旺盛であるという見方もあるので景気回復のシグナルといわれることもあります。やはり一番注視すべきところは予想からどれくらい外れてしまうかという観点ですね。ただし、仮に貿易収支が予想から大きく外れた結果を示しても大きな為替変動自体はほとんど起こりません。注目度は非常に高いのですが、悪い数字が出るとゆるやかにドル安になるぐらいで雇用統計のような急激な為替変動が起こることはあまりないのです。注目度は高くても為替変動自体は限定的の傾向が強いのです。急激な変動を期待できる指標にはなりにくいといえますね。

注目度 : ★★★★(4)
発表日 : 毎月10日頃(曜日指定なし)

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