FXのカントリーリスクとは戦争や国家破綻のリスク
カントリーリスクの意味とは
このカントリーリスクはFXをやる上では非常に重要なものとなります。何度でも言いますがリスクなんて考えたくないとロクに調べもせずに取引するのは負け組のすることですから勉強はしっかりとしましょう。このカントリーリスクとは文字通り国そのものに関するリスクのこと指します。FXは海外投資をする投資方法ですから、このリスクから逃れることはできません。
カントリーリスクが主に表すリスクというのは、対象国の政治・経済・社会環境の変化が起こって予想外の危険な状況になり、損失を被る可能性のことを指します。カンタンに言ってしまえば ”戦争・内乱・革命・国家破産” などの国家をゆるがす大事件が起こるリスクってことです。これは直感的にわかりやすいでしょう。先進国は政治や経済が安定していて内乱や革命が起こりにくいですが、新興国は政治・経済がまだ不安定で内乱・革命が起こりやすいのはご存知の通りです。そのためカントリーリスクは主に先進国はリスクが小さく、新興国ほどリスクが大きいのが定説です。
戦争や内乱のリスク
説明しなくてもおわかりでしょうが、戦争が起こったらとても満足な経済活動など行えません。国内が危険になり、お金がどんどん海外に逃げてしまったり、取引自体ができなくなったりします。戦争ばっかり起こっているアフガニスタンやソマリアなどの経済が崩壊しているのを見れば、その影響が直感的にわかるでしょう。このような状況になるとその国の通貨は暴落し、最悪の場合取引が停止されてしまいます。そんな時にその国の通貨でFXしていたら大損害です。
ただし先進国においては政治・経済が安定しており国民の不満も小さいために、戦争・内乱が起こる可能性はほとんどありません。新興国においては南アフリカで隣国の難民流入による内乱が危惧されています。現在の世界は、アメリカの軍事一極集中によってバランスが保たれているために戦争が起こりにくいのです。しかしご存知の通り、最近はアメリカの影響力が小さくなり、ロシア・中国などの共産主義国家が軍事力を増強し復権を狙っています。そのため以前よりは戦争のリスクが大きくなっています。
国家破産(デフォルトリスク)
国家破産(デフォルト)とは、国家自体が破産してしまうことを指します。個人が借金を返せなくなって自己破産をするように、国家も破産することがあるのです。個人が自己破産するとその人へ貸していたお金が貸し倒れになってしまうように、国家が破産するとその国家へ出資していたお金も貸し倒れになってしまうのです。このような状況になるとその国の通貨は暴落し、最悪の場合取引が停止されてしまいます。そんな時にその国の通貨でFXしていたら大損害です。
「そんなことあるのか?」 と思う方も多いでしょうが意外と国家破産をしている国は多いのです。代表的なのが1998年の ロシア危機におこったロシアのデフォルト、そして2002年の アルゼンチンのデフォルトです。いずれも国家の財政が借金まみれになって国債のお金を返せなくなったのです。ただし、このようなデフォルトは先進国ではまずありえないことであり、新興国の一部でわずかに考えられる程度です。先進国の通貨でFXをしている分にはまず心配ありません。日本も1,000兆円の借金があって不安でしょうが、日本が先進国である以上は他の国の助けが入るので、デフォルトの心配はすくないのです。ただし日本が先進国から脱落したら要注意ですけどね。
その他のカントリーリスク
カントリーリスクにはその国に関するいろんなことが含まれています。それは政治・経済に関することだけではありません。地理学的なものから、天候のもの、民族感情のもの、歴史的なもの、技術的なものなど様々なものが存在し全てを知り尽くすことは困難です。けっこう予測不可能なことも含まれていますね。
例えばオーストラリアでは干ばつが起こり、農業関係に大きなダメージを与えました。またアメリカではハリケーンが巨大なものとなり大きな被害を出しました。トルコではクルド人問題という民族的に深い問題を抱えています。南アフリカではインフラの不整備のせいで大規模な停電が何ヶ月を続いて、経済活動に大きなダメージが残りました。このようにいつ起こるか予想もつかないようなリスクもカントリーリスクとしてひとくくりにされている場合もあります。その国の情報には常にアンテナをはってできるだけその国の内情に詳しくなりましょう。