2009年のFX業界:次々と始まる規制によって業者が大量淘汰

次々と始まる規制によって業者が大量淘汰される2009年

2005~2006年のピーク時にはFX会社は200社を超えるほどだったFX業者も金融危機で業者そのものが崩壊したり、顧客が離れていったりして150社ぐらいに減って行きました。そこへ追い討ちをかけたのが続々と始まる金融庁のFX規制です。2009年にはいろんな規制が始まり、ただでさえ弱ったFX業者はさらに痛めつけられることになるのです。その規制はFX業者の大量淘汰につながることは明白でした。

まず4月には信託保全の義務化が始まりました。これは投資家にとっては資金の安全性が確立されるために非常にありがたいことでしたが、FX業者にとってはコストが非常にかさむものでした。さらにいえば、今までゆるゆるの資金管理でやっていった犯罪業者や犯罪予備軍業者などにとっても死活問題になりました。さらにコレに加えて2010年、2011年にレバレッジを規制することも決定したこともさらに追い打ちをかけたのです。まっとうな営業をしていた業者も続々とビジネスモデルの変革を求められることになりました。それまではスプレッドとレバレッジだけが業者の魅力と言える状況であったので、スプレッド0pipsとか、レバレッジ700倍などの非常に過当競争が起こっていましたが、それが全く通用しなくなることがわかったからです。

これによってFXに旨みなしと判断した証券会社や先物会社などが続々とFXサービスを終了しました。中には顧客ポジションを勝手に決済したり、持ち逃げしたところもあったりして、FX業者の信頼性は最低になっていた時期でもありました。2008年よりもかなりの数の業者が撤退や廃業を行いました。特に業者都合でのポジション強制決済というのは投資家の投資プランを完全に崩壊させるひどいものであり、資金持ち逃げよりは大分マシとはいえ酷いものでした。特にこの年は事業譲渡か強制決済かの二択であり、業者の誠意が両極端に現れた時代でもありました。事業譲渡であれば譲渡先のFX業者にてFX取引をすることができるためにポジションはそのままで顧客にはほとんど損害がなかったのですが、強制決済の場合は有無を言わせずに顧客の都合ガン無視でした。傾向としましては大きな会社の子会社や系列会社だと事業譲渡の手続きをしてくれたのですが、独立業者、小粒業者の場合はそんなことをせず強制決済にて逃げるように業界から去って行きました。犯罪業者一歩手前だったのかもしれません。業界や投資家としてはかなりの痛みを伴う時代ではあったものの、これで悪質犯罪業者の他に、不誠意・不誠実な業者をも淘汰できたともいえます

なお、現代でも存続している取引所FXであるくりっく365にも不誠実が明らかになったのがこの頃です。2009年10月30日の取引終了間際にくりっく365でZARJPY:南アフリカランド円の通貨ペアが、なんと3円以上もの超大下落を引き起こしたのです。これはくりっく365のみで起こった異常レートであり、取り消すのが普通なのですが不誠実極まりないクリック365はそのレートを取消ませんでした。挙句の果てには世界中でただ一箇所だけの異常レートを正常と言い切る始末です。これによってクリック365の信頼も地に堕ちて大量資金流出が起きています。その後もくりっく365はシステムエラーがメンテ時間のストップ刈り、通貨ペアの削減など不誠実・無能対応が相次いています。ただ公的機関なためにつぶれないのが一層ひどさに輪をかけています。2009年はその始めでもありました。

2009年は規制による大量淘汰の年、
くりっく365異常レート事件発生

2009年の金融事件

対ドル相場で90円台前半-80円台の円高に突入。
3月10日 日経平均が平成期の終値最安値を更新(7054円98銭)。
4月30日 クライスラー破綻。
6月1日 ゼネラルモーターズ破綻。
6月12日 日経平均終値が8カ月ぶりに1万円台を回復(10135円82銭)
10月ギリシャショック、ギリシャの財政赤字の隠匿が判明しリーマンショックの煽りを受け市場が更に混乱しこの影響は2012年まで引きずる。
11月25日 ドバイ・ショック
 

2009年に脱落した誠意あるFX業者と不誠実なFX業者

ここで紹介するのはFXサービスをたたんだところであり、決して全てがぼったくり業者というわけではありません。ただし、FXサービスをたたむにはそれなりの理由があります。2009年の事件は、顧客のことを考えないで業者の勝手な都合でFXサービスを終了させるケースが目立ちます。そして、やっぱり一番最低なのが顧客のポジションを有無を言わさず業者側の都合で強制決済する業者です。ポジションの移行は技術的に十分可能であり、実際に顧客のためにポジション移行を頑張った業者もあるのです。そのため強制決済した最低業者の行為は赤字で表示しておきます。強制決済したところは赤字で表示しておきます。どこが最低な業者だったのかすぐにわかるでしょう。

2009年1月 : FROMEAST証券FX事業撤退 → PhillipFinancialsへ譲渡
FROMEAST証券はカバー先にリーマンブラザーズが入っており、リーマンの破綻で資金繰りが急激に悪化しました。自己資本規制比率も200%台から60%台に急激に下落して、営業が停止させられる水準まで下落したのです。そのため顧客に迷惑をかけないよう、ポジションをそのまま受け取ってくれるFX業者を数ヶ月の間探していました。そのがPhillip Financials社だったのです。撤退は残念でしたが、顧客のことを考えてくれたその対応は内藤証券やコメックスFXと比較すれば、非常に真摯であると判断できます。

2009年2月 : コメックスFX事業廃止
コメックスFXはいわゆる間借的なFXサービスを行っていた業者です。そのシステムはFX業界大手のセントラル短資FXのシステムをレンタル利用したものであり、証券会社がおまけ程度にやっているFXサービスとほとんど変わりませんでした。ただでさえインパクトの無いFXサービスで収益がよくなかった上に金融危機で壊滅的なダメージを受けたことがFX業界から撤退することになった原因です。もちろん顧客のポジションは強制決済されました。中途半端なサービスでは生き残れない典型的な例だったといっていいでしょう。

2009年2月 : 121証券Ecoisサービス終了
121証券にはSAXOサービスを業界で最初に導入したミスター証券のEcoisというSAXOシステムがありました。しかし、相当のコストがかかることと、RobotFXに集中したいという業者の勝手な都合によりサービスが終了することになりました。もちろん顧客のポジションは強制決済されました。あちらの勝手な都合でサービスを終了させられては、安心して取引できません。

2009年3月 : アストマックスFX事業撤退
アストマックスFXはSAXOシステムの良質のサービスを提供した業者だけに、FX事業撤退は残念でなりません。撤退の理由は、これまでの業者と同じように激化する競争についていけなくなったこととリーマンブラザース破綻による資金繰りの悪化が原因のようです。ただし顧客の資産は信託保全されていたために全額保証され、十分な間をもって顧客へ通達しているので対応はしっかりしたものであると判断できます。

2009年3月 : ジェット証券吸収合併 → オリックス証券へ譲渡
”ゆうこりん” をイメージキャラにしていたジェット証券ですが、会社ごとオリックスに吸収合併されてしまいました。やはり証券会社のついで程度にやっているサービスは、おまけ程度です。それが顧客にバレてしまい、利益が取れなくなり収益が上がらなくなるので合併したのかもしれません。もちろん顧客のポジションは強制決済されました。

2009年3月 : 新東京シティ証券FX譲渡 → FXリアルへ譲渡
新東京シティ証券は危険なFX業者で紹介しているとおり、顧客の資産を分別管理していなかった危険業者です。サービスもかなり悪い状態で収益があがらなかったようで、株主の変更を契機にFXリアルへ事業を譲渡することを決定しました。これもかなり勝手な業者の都合です。もちろん顧客のポジションは強制決済されました。その対応も悪く、全く責任も感じさせない横暴な態度など、最初から最後まで顧客のことを考えない最低の業者でした。

2009年4月 : セブンインベスターズFXサービス終了
セブンインベスターズは外為ステーションをNDCオンラインから譲渡されたのですが、あっという間にサービスを終了させてしまいました。この原因は、SAXOシステムを導入していたために相当のコストがかかっていたことと、他のFXサービスである 「7FX」 だけに集中したいという業者の勝手な都合です。まったくもって顧客無視の経営といえます。もちろん自社の都合ばかりで、顧客のことなどまるで考えていない業者ですらか、顧客のポジションは強制決済されました。

2009年4月 : カネツGKGohFX事業譲渡 → 北辰物産へ事業を譲渡 → アイトレードFXへ事業を譲渡
カネツGKGohは、いまどきネット取引もできず手数料がかかるサービスをやっており、人気が出ないのも仕方ない業者でした。さらにカネツGKGohはいまだに分別保管を続けており、2009年4月から信託保全が義務なるので信託保全をするためのコスト問題も撤退の理由なのかもしれません。廃業になってからの顧客の扱いですが、どうやら北辰物産へ移行することができるようです。これで一安心かと思いきや、なんと譲渡先の北辰物産が突如FXサービスを終了させてしまったのです。ですが、その後譲渡先がアイトレードFXに変更されたために顧客は、なんとか強制決済の憂い目にあうのを避けることができました。

2009年5月 : 大阪為替倶楽部が廃業
大阪為替倶楽部は2009年5月にFX事業を廃業することを決定しました。原因は不況による収益の悪化と発表しています。2009年から信託保全が義務になり、そのコストもかかるので廃業したのでしょう。また、この大阪為替倶楽部は全くといっていいほど特別なサービスもセールスポイントもない業者であり、廃業という重大なニュースをHPで発表しないなど誠意さもなかったので、廃業したのも当然といえるでしょう。もちろん誠意がない業者なので、ポジションは2009年5月29日に強制決済されました。

2009年5月 : 岡安商事がFX事業を譲渡 → IDO証券へ譲渡
岡安商事とは旧社名がハーベストフューチャーズといい、くりっく365で有名だった業者です。くりっく365業者の中でも手数料が一番格安などの特徴がありました。しかし店頭FXは、やはりおまけ程度のサービスだったのでたいしたものではありませんでした。そのためくりっく365に専念するため店頭FXを終了させてIDO証券へ譲渡することを決定したのです。今回は、IDO証券への事業譲渡にはなっていますが、岡安商事にある保有ポジションはIDO証券へ譲渡されるみたいです。強制決済が多かった今までの業者とは違いかなり責任ある対応でしょう。

2009年5月 : ai明治FXがFX事業を譲渡 → アイトレードFX
ai明治FXは5月25日づけでFX事業をアイトレードFXに譲渡することを発表しました。ai明治FXのサービスはレバレッジも低く、手数料がかかり、スプレッドも広いなど お世辞にもいいサービスとはいえませんでした。明治物産系列ということだけがウリだったといえますね。肝心の顧客のポジションなのですが幸いなことに顧客預かり金だけでなく、保有ポジションも譲渡されるということなので非常に評価できる対応です。

2009年5月 : プロテックスオフィスがFX事業廃止
プロテックスオフィスは、あの有名なSAXO銀行のシステムであるSAXOシステムを導入していた数少ない業者のひとつでした。しかし2009年5月28日になってFXサービスを終了すると発表しました。プロテックスオフィスは知名度が非常に低い業者でありサービスもいまひとつでした。プロテックスオフィスという業者名自体、初めて聞いた人も多いでしょう。 ただでさえ顧客が少ないのですから、維持コストが高いSAXOのサービスを 続けていくこと自体に無理があったのかもしれません。また顧客のポジションの行方なのですが、2009年6月26日に強制決済になってしまいました。しかもサービス終了が5月28日で、2009年6月26日に強制決済するようです。FXサービスを終了すると発表してから1ヶ月もないので真摯的な対応とはとても言えません。

2009年6月 : 北辰物産がFXサービスを終了
商品先物業者でもある北辰物産が2009年5月7日にFXサービスを終了させることを発表しました。理由は内部管理体制の見直しというよくわからないものです。北辰物産のFXサービスはSAXOと並ぶ有名なGFTシステムであり、玄人の投資家を中心にそこそこ人気があった業者です。そして気になる顧客のポジションですが、なんとニュース発表の5月7日から1ヶ月もたたない6月6日に強制決済です。サービス終了のニュースから強制決済まで1ヶ月もなかった業者は初めてであり、多くの投資家が怒りをあらわにしました。それなのに役員には年間1,000万単位の報酬を出しているこの体たらく

2009年6月 : ユニマット証券が店頭FXサービス終了
ユニマット証券はサブプライムローンを発端とする金融危機の影響で収益があがらないために、店頭FXサービスを終了し、くりっく365により重点をおくことを発表しました。ユニマット証券は以前からくりっく365サービスを提供した業者ですが、欲が出たのかそれともきちんとしたビジネスプランがあったのか 少し前の2008年10月20日に店頭FXサービスも開始したのです。しかし2009年6月に終了ということは、ユニマット証券ははわずか半年でサービスを終了することとなったのです。あまりよい経営をしているとはいえませんね。また顧客のポジションは6月22日に強制決済するそうです。FXサービス終了から3週間しかなかったのです。顧客をナメているとしか思えない、ほんっとに無責任な業者です。

2009年6月 : MCJがFXトレードの株式を譲渡 → セントレードへ譲渡
MCJというグループはパソコン関係で有名なマウスコンピュータを展開するグループです。このグループがFXトレードという業者を子会社にもっていたのですが、株式を全て譲渡して事実上の業務譲渡を行いました。FXトレードは知名度が低く、パッとしないサービスなのでお荷物だったのでしょう。譲渡先は知る人ぞ知るセントレードの親会社IFGです。セントレードは、以前キャッチセールスまがいのことをして行政処分をくらった犯罪FX会社の1つでもあり、信頼できない業者といえます。「セントレード 行政処分」 で検索すればよくわかるでしょう。行政処分を食らった後に社名を変更したりといい、誠意ある会社とはとてもいえません。

2009年7月 : 安藤証券サービスリニューアルのお知らせ
安藤証券は東南アジア方面に強い証券会社であり、マレーシアやインドネシアへ単独投資ができる投資信託や個別株式の注文などができる業者です。メインが株のためFXサービスには力を入れていなかったようです。安藤証券の発表によると、現行のFXサービスは
2009年7月末をもって終了してしまうそうです。その際にはポジションの強制決済が行われてしまいます。ただし安藤証券はこれまでの内藤証券やマネックス証券のような有無を言わさずポジションを強制決済した方法に非難が集まっていることを考慮しているのか、サービス終了まで4ヶ月とかなり余裕をもっています。その点だけは評価したいですね。

2009年7月 : トレイダーズ証券がNFXプロを終了
トレイダーズ証券は2000年頃からFXを始めた老舗の業者であり、ネットフォレックス、NFXプロ、くりっく365という3つものサービスを展開していたのですが、SAXOシステムを導入しているNFXプロを終了させることを発表しました。NFXプロは、SAXOでありながら通貨ペアが40種類しかない、ミニマムチャージが高いなど同業のSAXO業者より劣るサービスでした。そのため、同業他社に差をつけられていたのかもしれません。ポジションは7月6日に強制決済され、アストマックスFXのように他業者の推薦もありません。あまり評価できる対応ではありません。トレイダーズHDは2008年にもトレイダーズFXの失敗があり、FXサービスの運営がヘタのようです。

2009年7月 : 外為アルフィックスが廃業
外為アルフィックスは収益悪化を理由にFX業務を廃業することを決めました。外為アルフィックスは名前を知らない人が多いように知名度が極めて低く、しかも通貨ペアが10種類、手数料がかかる、取引単位も10万通貨とサービスもよくありませんでした。こんなサービスでは顧客が集まるわけありませんね。そして廃業にあたっては顧客ポジションを2009年7月31日に強制決済したのです。移管などは全くやりませんでした。業者の都合でポジションを勝手に決済する最低の業者でした。

2009年8月 : ばんせい山丸証券がくりっく365をインヴァスト証券へ譲渡
くりっく365を導入しているばんせい山丸証券は、そのくりっく365をインヴァスト証券へ譲渡することを決定しました。譲渡というと強制決済を想定してしまうのですが、2社とも同じくりっく365のシステムを使っているので保有しているポジションはそのままインヴァスト証券へ移行できるのです。そりゃそうですよね。くりっく365のポジションは取引所に預託されていて業者にはないのですから。投資家にとっては、ただ会社名が変わるようなもので実害はないのです。安全性が強調されているくりっく365ですが、今回のケースによりその安全性が改めて証明されました。

2009年8月 : トレイダーズ証券がネットフォレックスを終了
トレイダーズ証券は競争の激化や顧客ニーズの多様化など環境が大きく変化していることを理由にNFXプロに続いて 「ネットフォレックス」 のサービスまで終了させました。このネットフォレックスというサービスは人気があるサービスとはいえませんでした。それで顧客のポジションをまたも強制決済したのです。ポジションの移行などはありませんでした。これでトレイダーズグループがサービスを終了させたFXは 「トレイダーズFX」、「NFXプロ」、「ネットフォレックス」 となりました。 なんと提供したサービスのうち、くりっく365を除くものがすべて消えたのです。これらの事件によって、トレイダーズグループは顧客のことなど何にも考えず自社の都合でどんどんサービスを終了させる悪質な業者であることがハッキリと判明しました。

2009年8月 : ベルフォードキャピタルマネジメントがFX事業譲渡 → セブンインベスターズへ譲渡
ベルフォードキャピタルマネジメントという業者は全く知名度が無い業者でした。システムはFXCMですが、特別なサービスなどはなく、評判や口コミといったものは皆無であり、典型的な負け組業者でした。ですが事業譲渡ということなので、譲渡先のセブンインベスターズへの移行に賛成の顧客については資産の移行がなされて、強制決済は免れたのです。ただしセブンインベスターズも2009年4月にNDCオンラインから譲渡された外為ステーションを勝手に終了して顧客のポジションを強制決済している ”前科” がありますので、どちらにしても信頼できない業者です。

2009年8月 : FXキングが廃業
FXキングという業者は2008年にサービスを開始し、ボクシングの世界チャンピォンである内藤さんをイメージキャラにして、キングを象徴させた経営をしていたFX業者です。しかし魅力的なサービスは皆無であり、FX業務を諦めて廃業しました。エキサイトFXやトレイダーズFXのようにサービス開始から1年ももたずに廃業した負け組業者です。そして顧客のポジションは8月22日に強制決済になりました。キングとは名ばかりで、結局どこにも勝てなかった名前負けしたおそまつなFX業者だったのです。

2009年8月 : ネクストインベストメントがGFT代理店解消
ネクストインベストメントという業者は、AFT-FXやサザインベストメントのようにGFTの代理店をしていた業者です。しかしその代理店契約を8月31日に解消し、事実上FX業務の撤退を決定しました。気になるのは顧客のポジションの行方ですが、実はネクストインベストメントのようなGFTのIB業者というのは顧客の資産や注文、ポジションをGFT本社へ取り次ぐだけであり、お金はすべてGFT本社に預けられています。そのため今回のネクストインベストメントが撤退をしても、顧客には全く被害はありませんでした。IB契約の利点が大きく反映された瞬間ですね。

2009年8月 : FXトレードとセントレードが合併
セントレードは以前株式を取得し、事実上買収した”FXトレード” という業者を吸収合併しました。その理由としては、環境の変化や金融市場における競争激化に対応し、財務基盤の強化、またさらなる営業基盤の強化ということです。FXトレードとは業者名を聞いたことがない方も多いようにあまり知名度の高いFX業者ではなく、以前の親会社はパソコン関係で有名なマウスコンピュータを展開するMCJグループでした。パソコン販売グループが、金融をやるのはお門違いともいえるようにFXトレードの業績はあまり芳しくはありませんでした。そのため厄介離れのように売却されてしまったのです。そして売却先のセントレードというFX業者もあまりよくない業者です。セントレードは、以前の社名:インタープラストであるときに、禁止されているはずの電話勧誘をしまくり、その中で強く断れない気弱な客に対して、執拗に勧誘をしまくるという悪徳キャッチセールス会社のようなことをしていた犯罪会社です。行政処分されているので、金融庁のページや検索をすれば、その内容がわかるはずです。犯罪会社と弱小業者がくっついただけです。

2009年9月 : アイトレードFX事業譲渡(リンク切れ) → フィリップフィナンシャル
アイ・トレードFXは、 FX事業をフィリップフィナンシャルスに事業譲渡しました。アイ・トレードFXは、ご存じない方も多いように かなり知名度が低い業者ですが、撤退するai明治FXから事業譲渡されるなど 顧客の受け皿になったこともあり、そこそこ評価できました。 といっても、知名度が低いことには変わりなく撤退しました。さて、毎回確認している顧客のポジションの行方ですが 事業譲渡ということで、顧客が望んで条件が合致すれば フィリップフィナンシャルスに移管されるみたいです。ただ条件というのがちょっとわかりませんね。システムが大きく違ったりすると難しいかもしれません。また、今回譲渡先になったフィリップフィナンシャルスという業者は 知名度も低く、いまいちパッしませんが 以前にもFROMEAST証券の受け皿となってくれたこともありマネー雑誌にもちょくちょく広告を出している、意外に強い業者です。

2009年10月 : ベルフォードCMが廃業
ベルフォードキャピタルマネジメントは、10月5日にFX業務である 第一種金融商品取引業を廃業することを決定しました。 廃業の理由は、 「未曾有の経済状況の中、将来的に経営の維持が困難」 ということです。上記のように、8月の初頭にはFX事業をセブンインベスターズへ譲渡し、今後新しいサービスでも始める可能性もあったのですが、結果的には廃業というカタチでしめくくられました。結果的に9月24日にはポジションの強制決済も行われるので、典型的な負け組業者の終わり方でした。

2009年10月 : かざか証券がFX事業譲渡 → FXリアル(My外貨に名称変更)
証券会社のFXサービスというのおまけ程度のダメサービスに過ぎません。今回そのおまけサービスを止めた会社が出ました。kazaka(かざか)証券です。その事業譲渡先は、あのFXリアルでした。FXリアルは旧社名FXおきなわといい相当ローカル色が強い業者ですが、FXリアルに社名変更して移行はどんどん他の会社のFXを吸収しています。これまでにも太平洋物産と新東京シティ証券のFXサービスを事業譲渡されています。社名のFXリアルは太平洋物産のサービス名から取ったものなのです。その後、FXリアルはなんと自社のFFXCMの商品を放棄して、かざか証券の商品を前面に出し、社名まで変更しました。

2009年10月 : TONKが登録抹消処分となり廃業
以前、資金管理が全くなっておらず行政処分を受けたTONKですがその後も全く改善のメドがたたないので、FX業務を行う上で必要な金融先物取引業者としての登録を抹消され、事実上廃業となりました。上記の記事によるとTONKは430万円の債務超過の状態にあるが、具体的な解消策が策定されていない状態であり、尚且つ、ここの社長は資金があるようにみせかけて検査官を欺こうとした虚偽報告をしており、さらに資金の一部が債権として差し押さえされているのに顧客にそれを隠し続けていたことまで判明しました。そういえばTONKが行政処分を受けた時も、その事実を隠そうとしているかのようにHPには行政処分の事実をなかなか記載しませんでした。まぁ結局、こういった事実を隠そうとしているような経営者だからこそ顧客に満足なサービスを提供もできずに自然淘汰されたんです。この件で一番危惧すべき点は顧客の資産が帰ってくるかです。PDFの内容によれば、一部資産は債権として差し押さえされているという文章があったので、全額戻ってくる可能性はかなり低いです。

2009年10月 : EMCOMTRADEがトレーダーズ証券に吸収合併
EMCOMTRADEには、経営がおもわしくいっていないという悪い噂が度々あったのですが、その例にもれずトレイダーズHDに子会社化という形で事実上の撤退になりました。しかし、トレイダーズHDは悪名高きFX業者です。スプレッド0を売りに作ったトレイダーズFXを2ヶ月でつぶし、経営資源の最適配分の名目で顧客を無視して「ネットフォレックス」や「NFXプロ」を強制終了してきました。当サイトでも専用ページを作って分析しています。そのためきわめて評判の悪い業者であり、ブラックFX業者ともいえます。そんなトレイダーズが今度はEMCOMTRADEを子会社化するようです。

2009年11月 : アトランティックトレードがフィリップフィナンシャルに買収
11月5日、外資系FX業者であるフィリップキャピタルがアトランティックトレードを買収したことを発表しました。アトランティックトレードは2005年からFX業務をやっている業者であり、高金利通貨であるトルコリラが取引できることで有名です。トルコリラを取り扱い始めた時などは、大勢の人が口座を作りました。しかしアトランティックトレードのサーバーは非常に脆弱であり、正直なところ、取引するのは危険といえるぐらい最悪なものでした。雇用統計などの指標発表時などは、レートが飛んで戻ってこず特に流動性の低いトルコリラはまともに取引できる時間が限られていました。そして2007年のサブプライムショックによる急激な円高の時にはなんとトルコリラの取引が停止されてしまい、急激な下落の中でもロスカットが作動せずトルコリラを取引した一部の人は、証拠金以上の莫大な損失をかかえてしまいます。そしてその顧客とシステムをめぐる訴訟を起こされてしまいます。訴訟沙汰が起こったことでアトランディックトレードの人気は急速に落ちていきました。ほとんど利用している人がいなくなってしまい、口座数も伸びず結果的に買収という形でアトランティックは吸収されてしまいました。今回の件は、ヤバイ状態で身売りしたかったアトランティックトレードと勢力の拡大を目論むフィリッピフィナンシャルの目的が合致したことでした。

2009年11月 : 岡地がフィリップフィナンシャルズにFX事業譲渡
正直なところ、岡地と言う業者がどのようなFXサービスをやっていたのか全く知りませんでした。逆に言えば、それほど知名度も低く、「あれ?やってたの?」という感じです。ウェブサイトを見てみると18通貨ペアを取り扱っており、レバレッジは最高40倍、USDJPYのスプレッド4pipsと全く特徴もない、低スペックのFXサービスでした。いまどきUSDJPYのスプレッドが4pispでは顧客も集まりませんね。事業譲渡の理由はわかりませんが、おそらく採算が取れなかったのでしょう。また譲渡先になったフィリップフィナンシャルという業者は アイ・トレードFXからFX事業を譲渡されたり、アトランティックトレードを買収して勢力を拡大いる業者です。レバレッジ規制で縮小し始めているFX業界で、めずらしく攻めに転じている業者なのですね。

2009年11月 : 北辰物産が対面FX事業をIVIインベストバンキングへ譲渡
北辰物産には電話などで行う対面のFXサービスがありました。これはアイトレードFXへ譲渡されたオンラインのFXサービスとは違い担当者と対面で取引できるFXサービスです。まぁ悪質なこの会社のことですから、電話などで法外なレートを請求してそうですね。北辰物産は悪質な先物取引会社としても有名であり、平成21年10月13日から平成22年4月12日までの間、営業停止処分を受けてしまい、ただいま営業停止中です。これを気にスッパリとFX業界から身を引くんでしょうね。北辰物産は1年間というかなり長い期間の営業停止をさせられています。それもこれも、法令を遵守しない悪質な体質に加えてそれを全く反省しない犯罪性を処分するための措置です。こんな犯罪業者がFX業界から出て行ってくれたことはまことにありがたいことですね。2度と戻ってこないで欲しいものです。

2009年11月 : くにやすFXがFX事業譲渡 → フォレックスクラウン
くにやすFXは株主総会によりFX事業を譲渡し第一種金融商品取引業を廃業すると発表しました。譲渡先はフォレックスクラウンになります。事業譲渡ということで、くにやすFXで取引していた方は本人が希望すればフォレックスクラウンで続けることができます。このくにやすFXは、以前かなり酷い内容で行政処分を受けています。くにやすFXは以前の社名である国泰キャピタルの時に、顧客の資金と会社の資金を分別管理していない点と自己資本規制比率の改ざんの点において行政処分を受けました。顧客の資金と会社の資金を分別管理していないということは会社の裁量でいくらでも顧客資産に手をつけられる状態であり、簡単に横領が出来る状態になっているということです。事実、この時の社長は自分の友人に勝手に顧客の資産を貸していました。『客のものは俺のもの』 といったとんでもない行為です。また自己資本規制比率の改ざんもやっていました。横領によって資金が足りなくなったので数字をごまかして発表していたのです。この2つは悪質犯罪業者であるアルファFXやFX札幌、犯罪のオンパレード会社であるJ.N.Sがやっていたことであり、くにやすFXは行政処分された危険業者のレベルではなく確実に犯罪をやっている犯罪会社の域にある会社でした。噂はどんどん広がり、ここを使う人はほとんどいなくなりました。そして廃業ではなくとも、もうやっていけなくなって事業譲渡したのです。これで悪質業者がまた1つ消えていくことになりました。喜ばしいことですね。

2009年11月 : タイコム証券破産
タイコム証券が24億円もの負債を抱えて破産です。2009年は数多くのFX業者が破産、事業譲渡、撤退などをしていきましたがそのトリを締めくくるのがタイコム証券になりそうです。タイコム証券については私もほとんど聞いたことが無い証券会社です。以前どこかの口コミサイトで、サービスが最悪だ!という書き込みを見たことがあります。やはり広いスプレッド、低レバレッジ、劣悪サービスだったのでしょう。劣悪なサービスや誠意のない業者は次々と淘汰されていく。そこで取引している人には困った門ですが、じょじょにFX業界も健全化が進んでいます。

現在のところ、FX事業譲渡の場合は顧客やシステムをそのまま引き継ぐ形なので顧客のポジションは守られるケースが多いですね。そして廃業や撤退、サービス終了などでは業者の都合によって左右されます。もちろんここで紹介しているのは、競争に負けた負け組業者であり、誠意が全くないふざけた奴らが多いので、ほとんどが強制決済して顧客を困らせています。そんな業者がまた新しくサービスを開始しても全く使う気になれません。しかし、ほんの一部には顧客のポジションの引き受け先を探してくれたところもあるので、誠意の差が大きく表れていますね。

【きちんと対処した誠意ある業者】
◎ 楽天証券 : マーケットFX→楽天FXのポジションをきちんと移行した
◎ 松井証券 : 旧サービスのポジションを新サービスへきちんと移行した
◎ FROMEAST証券 : なんと数ヶ月もかけて引き受け先のPhillipFinancialsを探してくれた
○ アストマックスFX : 一部の顧客にはkakakuFXへ移れるよう斡旋をしてくれた

くりっく365の異常レートを訂正しない傲慢な対応

さる2009年10月30日の取引終了間際にその事件は起きました。くりっく365でZARJPY:南アフリカランド円の通貨ペアが、なんと3円以上もの超大下落を引き起こしたのです。左下のレートに注目してください。買いのレートは11.535とインターバンク市場に沿ったものになっていますが、売りのレートが8.415というトンデモない数値を示しています!くりっく365の3円暴落というのは売りのレート(BID)だけであり、図のようにスプレッドが312pipsという過去に類を見ないすさまじい異常レートを出していたのです。過去にライブドア証券がGBPJPYのスプレッド200pispというワースト記録を作っていましたが、それを100pipsも超える超ワースト記録を作ったのです。この異常レートによってZARJPYの取引をしていた人約500人がロスカットによって大量の損失を出してしまいます

事件当日のくりっく365のチャート300pipsの歴史的なスプレッド

世界中でくりっく365だけが8.415を提示

くりっく365で暴落が起きた時、確かにインターバンク市場ではZARJPYは大きな下落を見せていました。しかしインターバンク市場のその時点での最安値は10円を切っていませんでした。それは他の店頭FX業者のチャートを見てみてもわかります。下記の外為どっとコムや外為オンラインのチャートを見てみましょう。どちらも10月31日のチャートには長いヒゲがあり、大きく下落していることがわかります。しかしその下落は10円半ばまでであり、8円台に下落したFX業者など世界のどこにもありませんでした。くりっく365を除いては・・・

他のFX業者は正常

為替を扱うインターバンク市場では、市場レートと著しく乖離した異常レートでの取引は取り消すのが業界の常識として知れ渡っています。プロのディーラーが言っているのですから間違いありません。もちろん国際的な条約などないので取り消しに応じないのはその人の自由ですが、そんなことをしたら ”異常レートを取り消さなかった人” という悪名をつけられて誰からも相手にされなくなります。相手にされなければあらゆる取引ができなくなり、相場から追い出されることになります。異常レートでの取引は取り消すのが世界の常識なのです。しかしくりっく365はどんな対応をしたと思いますか?

くりっく365が最初に出した対応

なんと!くりっく365は市場から3円も乖離していた異常レートを ”正式な市場レート” だと主張し、異常レートで損失を出した人へは何にも対応しないという呆れるほどふざけた対応を示したのです。しかも顧客にメールを送ることすらせず、ホームページに上記の図のようなたった2行ほどの文章で事を済まそうとしたのです。これにはくりっく365を利用している人はもとより、FX投資家、専門家、果ては海外の機関から大批判を浴びました。Yahoo!掲示板では ”くりっく365から逃げろ” といったトピックがいくつも作られ、口コミにより悪行が広まり、大勢のくりっく365利用者が残金を引き出し始めました。そしてなんと3日ほどでくりっく365の預かり資産が半分になってしまうほどの資金流出を引き起こしたのです。

あらゆる機関や投資家から大批判を浴びた上、ロスカットをした人から責任追及、苦情申請が行われ、報道機関にも数多く取り上げられ、預かり資産が大流出したことでくりっく365はようやく事の重大性に気づき、ロスカット被害者に対する救済案を出しました。10月30日の記録した8.415のレートを異常と認め、その価格でロスカットされた投資家の取引を取り消すことを発表したのです。

11月6日に出された救済案

しかもこの対応もずさんなものでした。この救済案で取り消しを受けられるのは10月30日にロスカットされた人のみになっています。実際には次の週の11月2日にも異常レートが記録され、ロスカットされた人の大半は11月2日の異常レートで損失を出したのです。それを救済することが全く書かれておらず対応もしないということで、またしてもずさんすぎる対応が明らかになりました。さらに言えば、10月30日~11月2日にもらえるスワップポイントも戻されておらず、穴だらけの対応であることが明確にわかります。バカ丸出しです。

この事件のさらに詳しい考察は、有志の方がこの事件のまとめサイトを作っており情報が更新されているのでそちらをご覧になったほうがいいかもしれません。まぁ大切な部分はほとんど記述しました。このまとめサイトから、被害者の方が集まって集団提訴を起こすことになっていますので、もし被害にあわれた方がいれば是非参加してください。

選抜したFX会社

初心者向け

中級者以上向け

個人的に使いたくない

関連記事