為替差益どころか金利収入まで税金がかからないBST(ボンドセレクトトラスト)
BST(ボンドセレクトトラスト)とは
外貨投資には、ぼったくりの外貨預金ではなく、FX(外国為替証拠金取引)や外貨MMFが適していることを説明しました。特に外貨MMFはレバレッジ1倍の外貨投資としては為替差益が課税対象とならないので、節税の面でとても有効な外貨投資になります。しかし、外貨MMFには金利収入が20%課税されてしまうために 「複利の力」 が少し削られてしまう特徴があります。ところがその金利収入すらも課税対象とならない究極の外貨投資方法があったのです。それが知る人ぞ知るBST(ボンドセレクトトラスト:Bund Select Trust )なのです。
BST(ボンドセレクトトラスト)のメリット・デメリット
分配金も非課税
外貨MMFには為替差益に課税されませんが、分配金には20%の税金がかかるため再投資していても毎月20%税金を引いてから投資されるため 「複利の力」 の効果がかなり鈍ってしまいます。これに対してBSTは為替差益にも分配金にも税金がかかりません。つまり100%完全な 「複利の力」 の効果を受けられるのです。この完全非課税のシステムがBST最大のメリットです。そしてもうひとつのメリットは購入単位の小ささです。外貨MMFはだいたいが10,000口からの投資となるために、投資金額が1万円以上必要になります。これに対してBSTの購入単位は1,000口になるので、1,000円単位の細かな外貨投資ができるのです。
デメリット
魅力的なBSTですが当然デメリットもあります。外貨MMFとくらべると為替手数料がかなり高いのです。また外貨MMFが即日解約できるのに対して、BSTは解約に4営業日もかかってしまい、流動性は良くないです。そして外貨MMFの信託期間が実質無期限なのに対して、BSTには2013年までと決まってしまっているのです。期限が決まっているために2013年12月31日(最終営業日)になると強制的に解約されてしまいます。また、満期で解約すると外貨MMFと同じように分配金にも20%の課税がなされるために、満期になる以前に解約をしなければ節税になりません。まぁこの点は外貨MMFとのスイッチングができるので、満期寸前に外貨MMFにしておけば問題ありません。そして最後に取り扱い会社が野村證券しかありません。
【BST(ボンドセレクトトラスト)のメリット】
・ 為替差益が非課税
・ 分配金も非課税
・ 100%完全な 「複利の力」 の効果を受けられる
・ 購入単位は1,000口になるので、1,000円単位の細かな外貨投資ができる
・ いつでも外貨MMFともスイッチングが可能
【BST(ボンドセレクトトラスト)のデメリット】
・ 為替手数料がかなり高い
・ 流動性が良くない(解約に4営業かかる)
・ 信託期間が2013年12月31日に限定されている
・ 注意!満期になると課税される(満期以前の解約なら非課税)
・ 取り扱い証券会社がとても少ない
BSTは完全非課税の究極の外貨投資!
BST(ボンドセレクトトラスト)と他の外貨投資の比較
究極の外貨投資であるBSTが外貨投資には最適なのですが、他の外貨投資(外貨MMFや外貨預金)などとの比較をしておきましょう。場合によっては外貨MMFのほうがいい場合もあります。
BST | 外貨MMF | 外貨預金 | |
リスク・リターン | ほぼ同じ | ほぼ同じ | 銀行の総勝ち |
販売手数料 | ノーロード | ノーロード | 銀行によって取られることもある |
為替差益の税金 | なし | なし | 20% |
分配金の税金 | なし | 20% | 20% |
為替手数料 | 約1円(100銭) | 約50銭 | 約2円(200銭) |
流動性 | 4営業日 | 即日 | 解約できないこともある |
信託期間 | 2013年12月31日 | 無期限 | 銀行の設定した期間 |
販売機関 | 野村證券 | USDはほぼすべての証券会社 他通貨は会社によって異なる | 銀行がとても儲かるため どこの銀行もやっている |
こうして見ると、外貨MMFのほうがメリットが多いように見えるのですが、多少のコストや利便性を犠牲にしてもBSTの分配金非課税をやる価値があります。 「複利の力」 において20%の違いが長期投資にはとてつもない差になってしまうのは上級者なら、今更説明するまでもないですね。ちなみに外貨預金にメリットなどありません。もう言う必要などないかもしれませんが、とにかく銀行だけが確実に儲かる商品となっているので、カモになりたい方のみご自由にどうぞ。
BST(ボンドセレクトトラスト)への投資はどうやるの?
魅力的なBSTですが、主なところでBSTを取り扱っているのは野村證券しかありません。主な種類はFXのメジャーペアと同じでUSD、EUR、GBP、CAD、AUD、NZDになります。以前はいちよし証券や丸八証券でも取り扱っていたのですが、それぞれ犯罪行為などで市場から撤退したり、顧客からの信用がとても低いところなので取引しないほうが懸命です。最近ではSMBCフレンド証券や丸三証券でも取り扱われているので、野村證券じゃないとダメというわけではなくなりました。
また、BSTも日本のMMFと同じく購入手数料がかからないノーロードであるために、販売会社である野村證券が儲からない商品です。そのため、顧客から問い合わせが無い限り、積極的な販売促進がされません。ホームページにもBSTのページはたった一つだけです。まさに知った者だけが得をする究極の外貨投資の投資信託なのです。
野村證券BST年間利回り | 政策金利 | 日本との金利差 | 野村證券BSTの利回り |
U.S.ドル・ファンド | 2.25 % | 1.75 % | 1.847 % |
オーストラリアンドル・ファンド | 7.25 % | 6.75 % | 6.447 % |
U.K.ポンド・ファンド | 5.00 % | 4.50 % | 4.486 % |
ニュージーランドドル・ファンド | 8.25 % | 7.75 % | 7.726 % |
ユーロ・ファンド | 4.00 % | 3.50 % | 3.347 % |
カナダドル・ファンド | 3.25 % | 2.75 % | 2.651 % |