様々な市場の指数に連動するため、市場そのものに投資ができるETF(上場投信信託)
ETF(上場投信信託)とは
ETFの正式名称はExchange Traded Fundsといいます。これを日本語にしてみると正確には取引所で取引される投資信託という意味です。つまり、普通は証券会社や銀行でしか売買ができなかった投資信託が ”証券取引所” に ”上場” しているので、株式と同じように証券取引所で売買できる投資信託となっているのです。
ETFの多くは、世界中の様々な市場の指数に連動する株価指数連動投資信託となっています。株価指数連動投資信託とは初心者記事でやった日経平均株価やTOPIXなどに連動することを目的に運用されるインデックス型投資信託のことですね。もちろん指数は株価だけでなく、債券の指数や、コモディティの指数、為替の指数などたくさんあります。そういった世界各国のいろんな指数に連動するインデックス投資信託が証券取引所に上場したのがETFというわけです。では、インデックス投資信託が上場をするとどのようなことになるのでしょうか?
ETF(上場投信信託)のメリット・デメリット
ETFとは投資信託でありながら、”証券取引所に上場している” ことが最大の特徴です。上場をすることによってETFは個別株式銘柄と同じようにリアルタイムで売買することができます。一般の投資信託の場合だと、一日一回の基準価額でしか売買ができません。しかしETFは上場しているために取引所が開いている時間帯(9:00~15:00)にいつでも売買できます。この流動性の良さがETFの最大のメリットといえるでしょう。また株式銘柄と同じ扱いがされるためにETFは信用取引ができるのです。信用買いで種銭の3倍まで買うことができ、もちろん信用売り(カラ売り)もできます!また、販売コストがかからないためにコストが削減されて信託報酬はかなり低いです!一般のインデックス投信は信託報酬が0.7~1.0%ぐらいですが、ETFはわずか0.2%ぐらいしかかかりません!そしてベンチマークがブラジルやロシアの株式指数に連動するものならば、その市場に間接投資ができることになります。ブラジルやロシアへの投資にはコストや手間がかかるために、ETFでの投資はとてもお得になっています。
反面デメリットですが、売買代金が高額になることが多いです。ETFそれぞれによって様々ですが、ETFを購入するには最低10万円単位の資金が必要になります。1万円から投資できる投資信託と比べると高額です。そして株式銘柄と同じように売買できる分、証券会社個別の購入手数料がかかります。インデックス投信にはノーロードのものも多いのでこれはマイナスです。そして困ったことに日本市場にはあまりETFがありません。ETFの本場は香港、シンガポール、そしてアメリカです。特にアメリカには実に数百種類ものETFがありますが、日本にはまだ数十種類しかなくジャンルも偏ってます。ただ新規上場が相次いでいるのでこれからに期待ができます。最後に上場しているということで、ETFも株のように上場基準があります。なのでその基準を満たさないと上場廃止になる可能性があります。しかし、ETFは株式市場の指数に投資するものなので、悪い会社などは組み入れがはずすなど対抗策がとられるので上場廃止になる可能性はほとんどありません。
【ETFのメリット】
・ リアルタイムな売買
・ 指値、逆指値など注文方法が多彩
・ 信用取引買いでレバレッジ3倍をかけられる
・ 信用売りで ”カラ売り” ができる
・ 信託報酬が安い (実に0.2%ほど)
・ ブラジル、ロシアなどのマイナー市場に手軽に間接投資できる
・ 証券会社ならどこでも買える
【ETFのデメリット】
・ 購入資金が高額 (10万円以上)
・ 証券会社への手数料
・ 日本市場にはまだ数が少ない
・ 上場廃止リスクあり(限りなく小さい)
ETF(上場投信信託)と通常の投資信託の違い
ETFは証券会社に上場しているインデックス投資信託ということですが、それぞれどのような違いがあるのかを以下の表にまとめてみました。多くの条件においてETFに軍配が上がりますが、すべてにおいて勝っているわけでもありません。特に手数料や購入資金など、お金が乏しい人にとってはETFはやや敷居が高いともいえます。
ETFとインデックス投資信託の比較 | ||
比較対象 | ETF | インデックス投信 |
最低投資金額 | 10万円以上 | 1万円以上 |
信託報酬 | 0.1~0.5% | 0.5~2.0% |
手数料 | 数百円(証券会社ごと異なる) | ノーロード(無料)が多い |
価格表示 | リアルタイム | 一日一回のみ |
注文方法 | 成行、指値、逆指値etc | 成行のみ |
信用買い | できる | できない |
カラ売り | できる | できない |
約定まで | リアルタイム | 数日かかる |
換金まで | リアルタイム | 数日かかる |
ETFのメリットは約定や換金などの 「流動性の良さ」 と 「信託報酬のコスト」、そして 「信用取引など注文方法の多様性」 が挙げられます。特に信用売りで投資信託を売ることができるのは数ある投資信託の中でもこのETFだけです。確実に下がりそうな業種、分野だけを売りたい時や地合が悪いときなどに売りから入ることができるのは攻めの投資にとても役に立ちます。
国内市場のETFへの投資はどうやるの?
日本のETFについて
日本に上場しているETFは、最近は数が多くなってきましたがまだまだジャンルに偏りが多いです。主に ”国内のある業種や分野” のETFが多く、業種別分野別への投資ができるようになっています。もちろん日本市場の平均である日経平均やTOPIXに連動する投資信託はたくさんあります。しかし一方で海外市場の指数に連動するETFの数がとても少ないです。最近はブラジル・ロシア・南アフリカ市場や金価格、WTI現有先物に連動するものなど、いろんな市場へ投資できるETFが出てきましたが、アメリカ市場やシンガポール市場に比べるとまだまだ数や種類が少ないが現状です。
リンク : 東証に上場しているETF一覧(東証)
リンク : 大証に上場しているETF一覧(大証)
国内ETFは証券会社ならどこでもOK
勘のいい人ならすぐにわかりますが、国内ETFいうのは東証、大証に上場しているためどの証券会社でも購入することができます。証券取引所に上場している株式がどこの証券会社でも取引できるように、東証・大証の株式が取引できる証券会社であればどこでもできます。これが札幌・名古屋・福岡証券取引所のようなマイナー市場なら証券会社も限られますが、東証・大証はわが国のメジャー市場なので取引できないことはないのです。また投資信託のように販売機関によって扱い商品に偏りがあるといったことはありません。購入を検討するなら、手数料が安い楽天証券が一番オススメでしょう。