ブラック企業経営者は真面目で素直な奴を狙う
ブラック企業とは
ブラック企業とはネットをやる方にはもはや説明不要の言葉です。過労死やワーキングプアと同様に日本の労働事情の酷さを象徴するものとして認識されています。その意味とは文字通り、労働関係などがあらゆる意味でブラック:悪条件である企業のことを刺します。ネットで位置づけされる以前では、ブラック企業という呼び名は暴力団などの反社会的勢力との結びつきが強いフロント企業を指す隠語であったのですが、今ではコーポレートガバナンス(企業統治)の欠如やコンプライアンス(法令遵守)の軽視する最悪企業の意味合いが強くなっています。
基本的にブラック企業で共通することは、労働法やその他の法令に抵触またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いることがほとんどです。関係諸法に抵触する可能性がある営業行為や従業員の健康面を無視した極端な長時間労働(サービス残業)・労災隠しを従業員に強いたり、 パワーハラスメントを常套手段として非合理的負担を与える労働を従業員に強いたりするところが多く、まともな精神を持っている人が働いたら精神を病んでしまうような状況を従業員に強要します。2008年には『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』という書籍がネット上からブレイクして、一躍ブラック企業の隠語が知れ渡りました。
ブラック企業の宣伝広告にありがちなポイント
・年中求人広告を出している。ハローワークや求人雑誌、求人サイトなどの常連会社
・給与が仕事量に比して異常に安い、残業代がない
・全体の社員数に対する求人人数の多い会社(離職率高い、頻繁に大量首切り)
・求人広告の条件内容に明らかなウソやゴマカシがある
・求人広告に提示されている給与に幅がありすぎる会社
・歩合給部分の比率が高く、年齢や勤続年数の割にモデル年収が高すぎる会社
・28歳まで、第二新卒歓迎という募集をする会社
・年間の昇給(給与改定)回数、賞与回数がやたらと多い会社
・募集資格が学歴不問、未経験者OK、フリーター歓迎の会社
・募集内容の文面に「急募!」を多用している
・試用期間が異常に長い会社(普通は3ヶ月以内)
・零細で社員数が少ないのに役員数が多い(社長の親族等が不労役員になっている)
・他人に勧められない、社名を言うのが恥ずかしくなるような会社
・仕事内容にノルマなし、一から教えますなど妙に甘い言葉を並べている会社
・募集広告で夢とか熱意とかやる気とか、やたらと精神論を並べている会社
・求人広告に社長と社員が和気あいあいと写っている集合写真を載せている会社
・求人広告の写真でいまどき社員がVサイン出してる会社
・社員紹介の写真になぜかやたらと美人の女性社員を使っている
・中小零細なのに歩合給、成果給で賞与無しの会社
・事務職なのに裁量労働制の会社
・事務職なのに要普免の会社
・入社前研修がない、OJT頼みの会社
・幹部以外の社員の平均年齢がやたらと若い会社
・なぜか遠隔地のハロワや広告に求人を出している会社(地元で誰も引っかからない)
・中小なのに従業員数がキリ番(入れ替わりが激しいので従業員数を把握できない)
・求人への応募先や人事からのメールに担当者の名前を書いていない会社
・「こんな会社見たこと無い」「アットホーム」「成長産業」の黒い三連星コンボ
ブラック企業経営者が語る従業員の使い捨て方法
ブラック企業はそもそもどうして従業員に過酷な状況を強要するのか?そんな疑問に当事者であるブラック企業の経営者の1人が語ってくれました。以下引用です。
従業員30名程度を擁するあるIT企業経営者のA氏は語る。自らをブラック企業経営者と認めたうえで、「従業員は敵だと思っている。いかに安くこき使い。文句を言わせず、上手に辞めさせるかだ」と言い切る。従業員サイドに立ってみれば、こんな企業に長居し、忠誠を誓ったところで人生を空費するだけだ。
A氏は採用時、労働時間、待遇などに文句を言わず、黙々と働きそうな「使い勝手のいい人材」のみを採用するという。A氏に詳しく話を聞いてみた。
●使い勝手のいい人間を採用して、こき使う
ーー「使い勝手のいい人材」の基準というか、見分け方は?
A氏 人の上に立とうとか、そういう野心がない人間。人に使われるしか能のない人間だ。学歴はあまり関係ない。真面目で、人を疑うことを知らず、そこそこ育ちがよくて、素直に人の言うことを聞く、それでいて責任感が強いかどうかだ。
ーー御社における社員の待遇は? 給与や、勤務時間、休日などを教えてください。
A氏 給与は月に13万5000円。残業代はない。勤務時間は一応、朝9時から夕方5時まで。昼休みも1時間ある。しかし社員はみんな、自発的に朝は8時には会社に来ている。夜も自発的に終電に乗れるまでは働いている。泊まり込みも自発的に行ってくれている。月2回は土曜日も出勤。そうしないと仕事が回らないからね。
ーー本当に、それだけの勤務時間を要するほどの仕事があるんですか?
A氏 ない。意図的に「仕事のための仕事」をつくって、長時間働かせているだけだ。
ーーなぜ、そのようなことを?
A氏 長時間働かせ、ピリピリした社内の空気に長く触れさせることで、余計なことを考えさせないようにするためだ。今の言葉でいえば「社畜」というのかな。そうすることが目的だな。
ーーそれにしても、条件面ではかなり厳しいですよ。社員の方は文句を言わないですか?
A氏 文句を言うような人間は採用していない。文句や不満を言わせないよう、社内の雰囲気を日頃からつくっている。また最初にガツンとやっているので、社員から不満だの文句だの出ない。
ーー最初にガツンとやるとは、どういうことをやるのですか?
A氏 仕事でミスがなくても、些細なことで厳しく叱責する。そしてそれをしばらく続け「このような仕事ぶりでは給与は払えない」と言う。「お前はこんなにミスが多いが、それでも給料を払ってやってる」と刷り込む。つまり経営者である私を怖いと思わせることだね。
ーーミスは徹底的に責めるというわけですね?
A氏 ミスに限らない。勤務時間中の私用メールや電話、新聞など読んでいても「私用」としてどやしあげる。これで社員へのにらみは利く。もっとも、褒めるときには褒める。「アメとムチの使い分け」も重要だ。
●劣悪な環境に慣れさせて、たまに優しくする
このIT企業経営者がいう「アメとムチ」は、劣悪な環境、雰囲気に慣れさせ、たまに優しくすることで、社員の喜びをくすぐるというものである。
例えば、この企業では、労働基準法で定められた休暇の取得すら、一切認めていない。休暇が認められるのは、風邪をひいたなどの病欠時のみだ。この部分がムチである。ただし、たまに仕事量が少なくないとき、1000円程度の昼食をおごる、3000円程度の夕食をおごり、早めに帰す……これがアメだという。A氏は、「日頃から厳しくしている分、たまにある『アメ』の部分で、社員は自分が認められていると思い込む。その心理につけ込むというわけ。これで社員は私の言うことを聞く」という。
引き続き、話を聞いてみよう。
ーーもし社員が、労働基準監督署にでも告発したら?
A氏 そういうことを考えさせないために、仕事を増やし、拘束時間を長くし、にらみを利かせてプレッシャーをかけている。
●社員が定着しないための環境づくり
ーー長くいる社員の方は、やはりその方が定年を迎えるその日まで、大事にされるおつもりですか?
A氏 それはない。年齢が高くなれば、それだけ給料も上げなければならない。長くてもせいぜい5年、できれば3年くらいで出て行ってもらいたい。
ーー誰しも、せっかく就職した会社を3年から5年で退職したいとは思わないでしょう?
A氏 それは居心地がいいところなら、それでもいい。しかしうちは、まだまだそんな居心地のいい会社にできる余裕もなければ、するつもりもない。3年から5年で自発的に辞めてもらう。
ーー皆さん、そのくらいの期間で都合よく辞めてくれるものですか?
A氏 1年目、2年目で、とにかくどやしつける。ただし、少し仕事を覚えてきたら褒める。この頃が一番使い勝手がいい。でも、仕事の振り分けで、うちに長居しても同業他社で通用しそうなスキルなどは絶対に身につけさせないようにしている。それに本人が気づいて、休暇も認めていないので、転職するにはうちを退職するしかないと気づかせるのです。もちろん自発的に退職するときには、盛大な送別会はする。それが退職金代わりになるというわけだ。
ーー古株で、仕事を覚えているような方の場合は、どうやって辞めさせるのですか?
A氏 仕事の面で無視する。使い勝手がよくなると、ある程度権限を与えて、新人の指導もさせているが、些細なきっかけでいいので、新人の前で叱りつけ、それまでの権限を取り上げる。これで普通は辞めていく。
ーー起業家として、そうした経営に思うところはありませんか?
A氏 まったくない。今は一人一人が経営者という時代だ。社会保険料まで、こちらが支払って、その恩恵を受けているのだから、それで十分だろう。嫌なら自分が経営者になればいい。企業経営とは、従業員をいかに効率よく働かせるかだ。もっともそれは社員のためではなく、私の会社のためだ。そこを履き違えてはいけない。
●さっさと見切りをつけるにしても……
これでは、とても企業として発展するとは思えないのだが、ある経営コンサルタントは、こうした経営姿勢について「確かに発展はしない。しかし経営を維持するという面では、あながち間違いではない」という。
また、こうしたブラック企業、経営者の下で働いた経験のある人は、「少ないながらも貯金ができて、退職し、失業保険で食いつなぎつつ、再就職に向けた活動を行うと、労働基準監督署に告発しようという気もうせた」と話す。
もしブラック企業に入社してしまった場合、さっさと見切りをつけて退職したほうがよさそうだが、一歩間違えればドツボにハマる可能性があるという。ある労働基準監督官は、次のような本音を漏らす。
「早期退職で、きちんと仕事をしていない……、ゆえに会社に迷惑をかけたなどの理由で給与の支払いを拒んだり、逆に違約金を支払えという企業もある。あまりに労働者側に立った労働基準監督行政を行い、企業を閉鎖、倒産に追い込むと、それはそれで問題となり、我々もそうしたことを嫌う傾向がある。どのような仕事でも、給料をもらえる仕事をしている以上、従業員側が耐えてもらいたいというのが本音」
いやはやブラック企業に入社してしまうと、泣き寝入りしかなさそうだ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121030-00000301-bjournal-soci
基本的にブラック企業はなくなりはしません。どんなに法整備を進めても彼らはその抜け穴を使ってくるためイタチごっこになるだけだからです。そのためブラック企業に入らない、狙われないようにするには自らで自らを守るしかありません。A氏のインタビューを聞いてチェックすべきところがあるので注意しておきます。
都合のいい人間:使い勝手のいい人間・・・人の上に立とうとか、そういう野心がない人間。人に使われるしか能のない人間だ。学歴はあまり関係ない。真面目で、人を疑うことを知らず、そこそこ育ちがよくて、素直に人の言うことを聞く、それでいて責任感が強い。
悲しいことにこの条件を満たすのは、いわゆる学校などで先生に重宝されている 「真面目でいい子」 の延長線上です。そこそこ勉強ができるが、社会経験が少なく人の闇を見抜けずに、それでいて自分の意志がなく他人の言うことを聞いてしまうような従順な人間。それこそが一番狙われています。文句をいうような人間は採用していない。これも条件にありますね。この就職難の時代では、会社に文句をいうと解雇のリスクがあるために、従業員は我慢することが多くなりますがそこを付け狙われているのです。
アメとムチ・・・劣悪な環境、雰囲気に慣れさせ、たまに優しくすることで、社員の喜びをくすぐる
確かに真面目で人の言うことを素直に聞いて、それでいて野心が無い人間は使いやすいですが、ブラック企業もそれだけでは人をすぐ壊してしまうことを知っているためアメとムチを使い分けるようです。人間は対比感情があるため、ある一定の割合で逆のことをされるとそれが強烈なイメージを持ってしまいます。例えば不良で悪いことばかりしていた人が、ちょっといい事をするだけでそのイメージが急激に良くなったり、真面目でいいそうな人がちょっと悪いことをするだけで、急にイメージが悪くなってしまったりです。ブラック企業はその前者の例を使い、ある一定の間隔でイメージを回復させてうまいこと利用することに長けているのです。
今は一人一人が経営者という時代だ。社会保険料まで、こちらが支払って、その恩恵を受けているのだから、それで十分だろう。嫌なら自分が経営者になればいい。企業経営とは、従業員をいかに効率よく働かせるかだ。もっともそれは社員のためではなく、私の会社のためだ。
ブラック企業はひどい言い分ですが、ある意味では正しいことも言っています。今の時代終身雇用など会社に尽くす時代は終わっています。自分の身は自分で守り、自分の食い扶持は自分で稼ぐ時代です。ブラック企業が正しいわけではありませんが、会社というのはそもそも営利企業なので 「会社のため>社員のため」 という優先順位です。もっとも従業員を大切にしない企業に未来ははありませんが、今や大企業も優先順位がこうなっている時代ですから。
ブラック企業就職偏差値ランキング
殿堂 東京電力 原子力安全保安院
80 東芝 大庄 くらコーポレーション やずや
75 モンテローザ ワタミ ゼンショー IEグループ(光通信・ファーストチャージ・ニュートン・セプテーニ等) 東京コンピューターサービス[TCS] アドバンテージ
74 オンテックス 先物取引[外為証拠金取引]業界 浄水器販売会社(OSGコーポレーション等) 佐川急便 サニックス
73 SEL&MST SMG 大創産業 中央出版系列(大成社・ELBEC等) 丸八真綿 東横イン
ファイブフォックス[コムサ] 人財開発[東京コンサルティンググループ] ジャステック セレモアつくば
72 大塚商会 アビバ パチンコ業界 ウィルプラウド ベンチャーセーフネット[VSN] フォーラムエンジニアリング 中小警備
消費者金融 セブンイレブン TV番組制作会社 零細出版社 編集プロダクション アドービジネス 大東建託 東建コーポレーション
71 楽天 トステム 再春館製薬所 外食産業(モンテ別格) ソフトバンクBB(販売職) アルプス技研
富士火災 フルキャスト 毎日コミュニケーションズ 富士ソフト[FSI] LEC
70 証券リテール営業 アールビバン ジェムケリー 家電小売業界(ヤマダ等) 引越業界(サカイ等)
セントラル警備保障[CSP] 綜合警備保障[ALSOK] MKタクシー 船井電機 税理士業界
69 JTB 生保営業 大正製薬 レオパレス 大和冷機工業 着物販売会社 トランスコスモス
人材派遣・業務請負業界(アドバンテージ・フルキャ別格) 日本電産
68 宝飾業界(ジェムケリー別格) アパレル販売(外資除外) 小売[流通]コンビニ業界(大創産業・セブン・家電小売業界別格)
ソフトウエア興業 オービックBC コア 陸運業界(ヤマト・日通等/佐川別格)
67 メイテック[MEITEC] 自動車販売会社(ネッツトヨタ等) OA系販売会社 HIS 富士薬品 伯東 ニチコン
66 マンションデベロッパー(不動産販売系) 人材業界
65 旅行代理店(HIS別格) 日本食研 USEN 伊藤園 メノガイア セコム[SECOM]
64 早稲田アカデミ- ベンディング会社 SBR TOKAI(ザ・トーカイ) インテリジェンス エンジャパン
63 サイバーエージェント 印刷業界 SE(下流・下請・独立) FIT産業
62 OTC-MR 受験産業(塾・予備校・通信教育等/中央出版系列・早稲アカ別格) MR(中堅以下)
61 京セラ ローム 丸井 住宅販売会社(積水ハウス・大和ハウス工業等) 交通バス業界
60 ノエビア ホテル業界 下位リース業界
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