スイスフランショックの際に0カットに対応した海外FXブローカー
2015年1月15日のスイスフランショックとは
2015年1月15日CHFが瞬間的には40%もの大上昇を見せた日がありました。事の顛末は突如、スイス中銀は政策金利を-0.75%に引き下げて、CHFの上限策を中止したことにあります。 これまでスイス中銀はEURCHF1.20以上を維持する政策を取ってきており、1.20を割り込むとスイスフラン売りの為替介入を行ってきたため、トレーダーは安心してEURCHFを買っていたのですが、これがなくなったためCHFが急騰してEURCHFが大暴落、CHFがらみの通貨ペアは2000~4000pips以上の大変動が起きました。あまりの変動に欧米では魔の木曜日とまで言われるくらいです。
このCHFの変動がなによりも怖かったのが、あまりにCHF買いが殺到したために決済注文のCHF売りが調達しきれずにレートが消えてしまう事態が起こったことです。それは注文が成立しない、つまり多くの業者が備えているロスカットも成立しないという現象を引き起こしました。これによりCHF売りをしていた人は損失がみるみる増えていくのにロスカットもできず、場合によっては証拠金以上の損を出して口座資産がマイナスとなり追証になってしまったのです。特に日本の業者では0カット制度などありませんから、日本の業者を使って証拠金以上の損を出した人はのきなみ口座資産マイナスの追証をくらうこととなったのです。以下はYahoo!が開催しているトレードバトルの履歴画像です。実際の口座のトレード履歴が見れるということで、有名なトレーダーは取引履歴まで注目されますが、とあるトレーダーの方はスイスフランの売買で巨額の損失を出したことで有名になっていました。
スイスフランショックによるブローカーの損失
スイスフランショックによって損害を受けたのは個人投資家だけではありません。各FXブローカーも顧客からの注文を決済できずに巨額の損失を出したところが続出し、業界6位と大手のFX会社であるアルパリUKが破綻してしまうという事態にまでなってしまいました。同じく最大手FXブローカーFXCMは2億ドルを超える負債を背負い、英IGグループも3000万ポンドの損失を出すという事態です。日本の業者でも巨額とまではいかないまでも大きな損害を出してしまいました。また日本のFX業者は0カットはありませんので追証をくらった投資家がたくさん出てしまいました。0カットの海外FX業者を使っていれば免れたんですが・・・。
破綻 | |
アルパリUK: | 顧客残高は約マイナス4,500万ドル |
大損害 | |
IGグループ: | 大損害最大3,000万ポンドの損失 |
FXCM: | 顧客の口座残高はマイナス2億2,500万ドル (3億ドルの出資を受け、破綻は免れた) |
軽微な損害 | |
マネックスグループ: | スイスフランショックによる顧客残高マイナス約130万ドル |
GMOクリックHD: | 顧客に対する未収金1.1億円 |
当時の海外業者スレの書き込み
ttp://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/livemarket2/1406644262/
570 :Trader@Live!:2015/01/16(金) 01:15:33.59 ID:E3JXlaaZ
ユロスイ 助かった。 やっぱ海外業者だよな。ゼロカット無かったと思うと
いまごろ追証3000万ぐらいで
樹海だわ。スプも日本ほど広がってないし。これからもよろしこ
こうなると、
日本業者の利点は税金だけだよな。
それも、こういうサプライズで巨額な追証リスク考えたら、
税金払った方が安いかも
スイスフランショックで0カット対応する海外FXブローカー
0カット制度はすべての海外ブローカーが適用しているわけではありません。主にキプロスに本拠をおくオフショアFX会社が導入していることが多く、逆にASIC規制のオーストラリア業者などは0カットを導入していないために追証を求めてくるFX業者もあります。だからこそ0カット制度を重視するなら、FX業者選びも慎重に行わなければなりません。
XM:
マイナス残高になった、全ての口座を1/17に"0"リセットし、今後も追証を請求しない方針に変更は無く、今後もマイナス残高に対してはゼロカットを実施。 今後、対スイスフラン通貨ペアの条件変更(レバレッジ変更等)の可能性はああるが、1/19現在、これまでの条件と同じく対スイスフランペアの提供を継続。会社の財務体質やビジネスプランには、微々たる影響である。
(参考)2015/01/17 スイスフラン政策発表後の影響について
FXPRO:
マイナス残高になった、全ての口座を1/17に"0"リセットし、今後も追証を請求しない方針に変更は無し。今後も取引規定に基づき、マイナス残高に対してはゼロカットを実施。 1/15、相場の流動性が高まるまで、対スイスフラン通貨ペアの取扱を一時中止。 会社の財務体質やビジネスプランには影響無し。 1/17、ゼロリセットの詳細内容と、取引条件の変更はない旨のプレスリリースを発表。
(参考) 2015/01/16 「お客様とのお約束に何ら変更はございません」を発表
IFCMarkets:
マイナス残高になった、全ての口座の"0"リセットは完了し、今後も追証を請求しない方針に変更は無い。今後もマイナス残高に対してはゼロカットを実施。 スイスフランショックによる、対スイスフラン通貨ペアの条件変更は無し。会社の財務体質への影響は小さい。
FXDD:
マイナス残高になった口座は、できるだけ早い追加入金を促し、今後も、市場の急変により口座がマイナスになった場合は、追証を請求する方針。 スイスフランショックによる、対スイスフラン通貨ペアの条件変更は無し。会社の財務体質への影響は小さい。
Pepperstone:
マイナス残高になった口座は、できるだけ早い追加入金を促し、今後も、市場の急変により口座がマイナスになった場合は、追証を請求する方針。スイスフランショックによる、対スイスフラン通貨ペアの条件変更は無し。会社の財務体質への影響は無し。
こうしてみると安全と思われていた日本FX会社を使っていた人がストップが執行されずに何百万、何千万という追証を受けることになり、人によっては人生計画すら壊された人もいるでしょう。それに対して危ないとか信用できないとか言われていた海外FXブローカー(0カット制度有り)を利用していた方は損失は出たものの、0カットにより追証をうけることはなく、また0からスタートできるわけです。もちろんアルパリUKのように破綻してしまった業者もいるわけですからすべてが安全であるなんて言えませんが、0カットシステムがある業者を使ってたおかげで追証にならずに済んだのは事実です。その破綻してしまったアルパリUKであっても英FCAの規制をうけていた業者のためFCA規則により、アルパリUKと顧客資産は分別管理され保全されています。追証、0カット、安全性、対応、どれを見てもこのスイスフランショックにおいて海外ブローカーのほうを使っていたほうがよかった結果になりました。それでも日本のFX業者を使う人、海外FX業者を使う人、それは個々人の判断であり自己責任になります。どういう対応をしたほうが自分の投資に対するリスクを減らせるのか。そういったことを考えさせられたのがこのスイスフランショックです。