ひまわり証券311ショックで未回収金多額、今後不安
ひまわり証券とはどのような業者か?
FX業界一の老舗業者
ひまわり証券はFXに限らず、日本の個別株、先物、オプション、投資信託、CFD、大証FX、システムトレードなど幅広い金融商品を扱っている総合証券会社です。そしてFX業界でも最も老舗になります。ひまわり証券がFX事業を始めたのが1998年であり、外為法が金融ビックバンの1998年に成立したことから一番の老舗業者なのです。また口座数、預かり残高ともに外為どっとコムに次ぐ数十万を超える規模であり、顧客の信頼も厚いことがわかります。しかし311で激変します。
311ショックで未回収金多額、ISグループへ
東日本大震災が起きた311は株価もとんでもない暴落をしました。そのときオプションで大損したトレーダーもたくさんいましたが、それをカバーしきれない証券会社もたくさんありました。ひまわり証券はその筆頭ともいうべき存在で、暴落によって生じた未回収金は90億円とも100億円を超えるとも言われました。当然会社の経営体力に致命的なダメージを与えることは避けられず、身売りされ、ひまわり証券は証券業務を廃止、さらに各種サービスも譲渡や廃止が次々行われています。結果的に外為オンラインのISグループに見を置くこととなり、FX新興グループの一角となりました。ISグループと言われるISホールディングスには、現在「外為オンライン」「アイネット証券」「ライブスター証券」「ひまわりホールディングス」といったFX会社が複数存在します。
別々のシステムを搭載した複数のFXサービス
ひまわり証券では複数のFXサービスを提供しています。普通のサービスであるひまわりFXではレギューラー口座とデイトレしかできないデイトレ口座があります。他には板が見えて1000万通貨が一度に発注できるなどディーラーと同じ環境を提供するディールFX、子会社のFXZERO、システムトレードを利用できるシストレ口座、公設取引所の大証FXなどがあるのです。FXという金融商品でここまで複数のサービスを提供しているのはここだけでしょう。しかしひまわり証券は総合証券会社のためか、いろいろ広げすぎたためか、これらの中で特に力を入れているものがないようで、環境はよいとはいえません。震災後は証券部門が崩壊したためFXに力をいれるようになってきており、最近ではシステムトレードに力をいれはじめているようで、それぞれのFX口座のほうではあまり魅力的なサービスではないのが現状です。
オールマイティ 特徴なし | ポジションを 持ち越しできず 完全に1日で 完結する口座 | 専用口座 | 同じ環境 板が見える 1000lot発注可能 | システム そのまま |
業界一の情報・分析レポート
あまりFX取引の環境はよくないと言えるひまわり証券ですが、それでも素晴らしい特徴があります。それは業界一といわれる情報サービスと分析レポートです。その情報は外為どっとコム、FXプライム byGMOと一緒に使えば死角はないと言われるほどです。トレードポイントという具体的な売買の例や、累計利益が100万円を超える山本和雄さんのタクティクスレポート(個人的オススメ)、中でも2008年のリーマンショックによる暴落相場を事前に予想していたアナリストがいるなど、その分析力には信頼がもてます。これらの情報サービスの大半はお客様限定サービスであり、口座開設をしなければ見ることは出来ません。つまり口座開設すればほとんど無料で見ることができるのです。また、一部にはプロが利用する有料情報レポートもあります。
口座を作るだけの価値がある
ひまわり証券にはたくさんの情報がありますが、もちろんこれらの情報は口座開設をした人しか見ることはできません。しかしひまわり証券は初回入金の制限をつけていませんので、口座開設をするだけで情報サービスを提供してもらえるのです。取引自体はDMMFXや外為オンラインみたいな取引優先口座でやって、情報だけ見ている人もたくさんいます。
アジア通貨を取り扱う貴重な業者
アジア通貨に強いのも特徴です。他の業者では取り扱ってない人民元や台湾ドル、韓国ウォンなどが取引できます。スワップがマイナスなので長期投資には向いていませんが、これらのアジア通貨を扱っているFX業者はほんの一部だけのために取引したい人には重宝するでしょう。またこういったマイナー通貨の国のマーケット情報や経済指標などの情報も一番そろっているのでFXの情報にここは欠かせない業者といえます。ただし各通貨ともスプレッドが広く流動性も悪いため、あまり取引はオススメできません。特に中国の人民元は規制が多く、流動性も低いので、場合によっては取引停止のときもあります。ちなみにこれらの通貨はデリバリー(両替)対象ではありませんので、ドルやユーロのような両替はできません。
一番力をいれているのがシステムトレード
ひまわり証券はあまりFX口座のスペックをあげることには力を入れず、最近ではシステムトレードに力を入れるようになってきました。シストレ口座というシステムトレード専用口座を作り、様々なシステムトレードを導入しています。まずはドイツ産のトレードシグナルというトレードツールでインディ・パ社、ヘリオス社、Colaboo社などのプロのシステム会社が開発したプログラムを実行する本格的なシストレです。ただしシステムは1つにつき10~50万ほどし、海外システムのため敷居はかなり高いです。一方、初心者に優しくて人気なのが 「エコトレFX」 というサービスです。こちらは難しい設定は一切不要で、ただ100以上あるプログラムを選んで実行するだけの簡単仕様になっています。利用も無料で日本語化対応、サーバー管理型のためインストールも不要とまさに初心者でもできるつくりになっています。初心者から玄人投資家まで対応しているシステムトレードサービスはひまわり証券が一番力をいれているサービスです。
顧客本位の経営
ひまわり証券の特徴ともいえるのが、顧客本位の経営です。その一端を2008年に垣間見ることができました。2008年12月、ビッグ3の救済法案が否決されたことを受けてドル円相場は13年ぶりに90年を割り込むといった歴史的な相場となりました。この歴史的な相場を受けて、ひまわり証券は顧客に対し、「90円割れの背景や注意点」 という緊急レポートを配信してくれたのです。これはひまわり証券がいかに投資家の立場で危機感を感じてくれているかの表れでもありました。このような顧客本位の経営だからこそ、ひまわり証券は顧客からも業界からも信頼される業者なのです。しかしそれも311ショックですべて終わってしまったようです。