インヴァスト証券のトライオートETFとは
トライオートETFとはどんなサービスか
インヴァスト証券は ”自動売買” のサービスで有名な業者であり、プログラムを選択して自動売買をする「シストレ24」や「トライオートFX」などのサービスが有名です。そういった自動売買は今までドル円やユーロドルなどの為替を対象にしてきたものでした。
トライオートETFはETFの自動売買サービス
今回のトライオートETFというのは、その名前に「ETF」が入っていることからもわかるようにETFを自動売買するサービスになっています。主に売買するETFは東証上場の4種類以外はほぼすべてが海外ETFです。公式サイトにはトライオートを5分で理解できる動画が公開されていますね。
自動売買の結果が出ている
インヴァスト証券でトライオートETFの結果を公開しています。2016年4月27日から2017年11月30日までのトライオートETFの損益を1人あたりで算出すると下記のグラフになります。特に2017年から総利益・決算損益が右肩上がりになっています。自動売買の運用の結果が出ているということです。
若いサラリーマンに利用者が多い
トライオートETFを利用している人の属性も公開されています。下記のように年代的には20~30代の若い世代のサラリーマンが圧倒的に多いです。これは自動売買ということで、日中忙しいサラリーマンにも利用しやすいということがあります。他の自動売買でもそうですが、やはりプログラムが自動で取引を行ってくれるため、自分が相場を見なくても投資ができるというのが人気の理由になります。
上記のことから若い会社員世代を中心に少しずつ利用者が増えていっているサービスになっていますね。特に2017年から大きく利益を出しているため、結果が出たことで流入者も増えている感じです。
ロボアドバイザーと似ているが大きな違い
ロボアドと似ている
海外ETFを自動売買するというサービスで似ているのは最近話題になっているロボアドバイザーがあります。特に「ウェルスナビ」や「THEO」といった代表的なロボアドバイザーは同じように海外ETFを中心に運用していきます。ともに売買対象が海外ETFになっているのは両者が似ている点になります。
ロボアドとは違い、プログラムは自分で選択
ただロボアドバイザーとの決定的な違いとは、自分でプログラムを選択したり、取引量を設定したりなどの裁量をいれることができるところです。ロボアドバイザーは一旦運用が開始されると、すべてが自動で行われるために自己の裁量を入れる余地がありません。始まったら後は続けるか止めるかくらいしか選択できません。
運用期間や方針は明確な違いがある
また運用方法にも大きな違いがあります。ロボアドはETFを保有するとそう簡単には売らず長期保有で資産を増やす方針です。そのため比較的安定している大きな株価指数連動ETFや債券ETFなどを中心に取引します。対してトライオートETFは売買を頻繁に行って差益を取りに行く短期売買になります。取引対象もボラティリティの高いものが中心です。両者には長期目線と短期目線でも運用方針に大きな違いがあります。
例えば下記は「ウェルスナビ」の運用ポートフォリオの一種になります。米国株全体に投資するVTIや日本・欧州に投資するVEAなどへ投資しています。トライオートETFでは値動きの大きなETFを選択しているため、安定運用中心のロボアドバイザーの取引するこれらのETFは取引対象に入っていません。GLDやVWOなど被っているものもありますが、トライオートETFで人気の銘柄はボラティリティの高いナスダックや日経、S&Pの2~3倍動く銘柄ばかりです。
:ウェルスナビの運用ポートフォリオ一例
このことから、両者はETFを取り扱うという点では似ていますが、運用方針が明確に異なっているため取引対象になっているETFもかなり異なります。もちろんトライオートETFでバランスをとった安定運用をすることもできますし、それに合致した比較的リスクの低いものも扱っていますが、大半が株式ETFなのがボラティリティ重視のものばかりです。長期安定運用ならロボアドバイザーですし、短期売買重視ならトライオートETFと住み分けができていそうです。
インヴァスト証券について、ETFについて
※ETFとは上場投資信託と言われる金融商品であり、株式市場で売買できる投資信託の一種です。投資信託というだけあっていろんな種類があり、日本からは直接投資しにくい海外の株価指数や個別株式、さらには新興国の株に投資するようなETFもたくさんあります。ETFの最大のメリットは現物で投資するよりも圧倒的にコストが安く、日本から投資しにくい投資対象へ手軽に投資しやすい環境が整っていることがあります。
※インヴァスト証券は、証券という名前が入っていますが提供しているサービスはFXやCFDが中心であり、FX専業の会社と位置づけられています。主に自動売買のサービスが中心であり、FX業界の中でも様々な自動売買を次々リリースする先駆的な企業と見られています。また証券コード:8709でJASDAQに上場しており、上場企業としての信用も高いです。
インヴァスト証券の株価推移:Yahooファイナンス
上場しており、信託保全もされているインヴァスト証券のため資金を預けても安全な業者になっています。万一インヴァスト証券が倒産したとしても、資金は分別保管されているため債権として回収されることはなく無事戻ってきます。また、ペイオフの対象外なので、保証金額の上限も存在しません。
トライオートETFで売買する銘柄
トライオートETFで選択できる商品は約50種類、下記はその一例です。人気順にソートすることもできるので人気順で並び替えてみたものです。ご覧のようにナスダックトリプルや日経、S&Pなどの有名株価指数のものが人気が高いことがよくわかります。そして半分以上に「×2」「×3」がついていることからもわかるように、指数の2倍・3倍に値動きするボラティリティの高いものが好まれていることもよくわります。特に一番人気であるナスダックトリプル_スリーーカードは2位の4倍以上と圧倒的な人気を誇っています。
※スリーカードとは3タイプの連続注文を組み合わせ、上昇局面で利益を積み上げながら、下落局面でも反発を狙えるようにデザインされています。バックテストにて安定稼動が期待できる設定値を採用しています。
一番人気のナスダックトリプル_スリーーカードの成績推移です。収益率が132%と投資金額の倍以上のリターンを出していることからも人気であるに足る成績を出していることがよくわかります。ただその一方で評価損も大きいことから、見た目ほど実際に大きくも買っているとは言えないものです。特に相場の下落時に損失が膨らんでいることから、ナスダックが大幅下落し続けた場合の損失がひどくなることも予想できます。ナスダックはここ数年上げ続けていたため好成績になっていましたが、地合いが悪くなってからどうなるか。
トライオートETFのメリット・デメリット
日本円のまま取引:為替リスクがない
基本、海外ETFというのはアメリカで取引されているのが一般的であり、もちろんUSD建てです。日本から直接取引するには円をドルに両替しなくてはならず、手数料も高いです。しかしインヴァスト証券にて取り扱っているものは円建てになっているので為替リスクはありません。もちろん両替もしないので為替手数料もかかりません。コストが安く済みます。
1万円からの手軽な投資が可能
トライオートETFは売買の枚数を調整することが可能です。多くの商品は推奨証拠金が数十万円に設定されていますが、それぞれに投資する口数を調整することができるので、証拠金の少ない人は口数を減らしてリスクを減らすこともできます。下記のロジックを選択する場合は、標準が40口の推奨証拠金30万円がデフォルトでした。しかし口数を1口に下げることで推奨証拠金7560円と1万円に満たない額でも十分にセーフティに始めることができます。
自動売買なので人の心理は影響しない
これはどの自動売買にも当てはまることですが、自動売買には人の心情が入り込みません。よってどこまで行っても機械的に売買をしてくれて、人が持つ欲望 「もっと儲けたい!」 とか 恐怖 「これ以上損したくない!」 といった感情的なトレードがありません。そのため感情的になりやすい人ほど自動売買を利用したほうが成績は上がる可能性が高くなります。
リスキーなロジックも多い
提供している自動売買セレクトをみると「×3」がついている銘柄があります。これはトリプルと呼ばれて、文字通り対象指数の3倍の値動きをするものです。東証にも日経レバレッジという日経平均の2倍の値動きをする銘柄がありますが、その3倍バージョンということです。特に人気になっているのはボラティリティの高いNASDAQのトリプルです。
例えば下記は普通のNASDAQとNASDAQトリプルの値動きをグラフで比較したものです。赤いトリプルのほうは圧倒的にボラティリティが高く、とんでもない値動きをしていることがよくわかります。無論この動きを自動売買がしっかりと取ってくれれば大きな利益になりますが、反面売買に失敗すれば損失も大きなものになります。
相場に絶対がない以上、リスキーな銘柄を取引しているとたまに大きな負けを計上することがあります。それを許容できるかどうかも考えなければいけません。
予期せぬ値段でのロスカットもある
値動きが激しい銘柄というのは時たま注文が約定しなかったり、スリッページが大きくなることがあります。トライオートETFではロスカットの判定を有効比率200%以下では1分毎に判断していますが、NASDAQトリプルなどのボラの大きなものだときちんと約定するまでのタイムラグに損失が広がる可能性もあります。予めロスカットは有効比率100%と余裕をもって執行されるのですが、ボラの高い銘柄を取引しているということは、ロスカットがずれるというリスクも認識しておかなければなりません。