そこそこ優良な投資信託を台無しにしているゆうちょ銀行(郵便局)
ゆうちょ銀行(郵便局)はどんな業者か?
世界最大の資産を持つ銀行
ゆうちょ銀行は皆さんもご存知の通り、時の小泉元総理の優勢民営化改革によって ”民営化した” 郵便局ですね。国有の時代の資産を引き継いでいるために、ゆうちょ銀行は総資産が約226兆円で、以前業界トップだった三菱UFJフィナンシャル・グループの約187兆円を抜き、世界最大の銀行になっています。
最も親しみのある金融機関
ゆうちょ銀行は、郵便局時代の行員を引き継いでいるので、郵便局のなごりが残っています。特に金融機関が限られている地方の方では、自宅近郊にある唯一の金融機関ということで、市民にとってはとても身近なものでした。今でこそ民営化によって一部の局が閉鎖されたりもしましたが、特に高齢者の方々にとっては一番入りやすい金融機関です。
投資信託を浸透させた
2005年、当時の郵便局が投資信託を取扱を始めました。定期預金や国債など元本の保証がされている堅実な商品ばかりを取り扱ってきた郵便局にとってこれは異例のことでした。身近な郵便局が投資信託を取扱始めたということで、良くも悪くも国民に投資信託を浸透させた大きな存在です。
全てが専用ファンド
ゆうちょ銀行(郵便局)が取り扱っている投資信託は7種類あります。なんとこの7つの投資信託は、全てゆうちょ銀行(郵便局)でしか購入できないゆうちょ銀行(郵便局)専用の投資信託なのです。投資信託の内容も、堅実な債券への投資ものや不動産REITへの投資、バランスが取れた投資など、かなりバラエティに飛んだものが揃っています。
ゆうちょ取扱投資信託一覧
・ 野村世界6資産分散投信
・ 大和ストックインデックス225ファンド
・ GS日本株式インデックス・プラス
・ 住信日本株式SRIファンド
・ 日興五大陸株式ファンド
・ 日興五大陸債券ファンド
・ DIAM世界リートインデックスファンド
親しい機関ゆえ相談がしやすい
ゆうちょ銀行は、郵便局のなごりから市民にとっては、自宅からも近く、とても親しみやすいので、入りやすい金融機関です。中で働いている行員の人も顔なじみの人が多いということで相談もしやすく、投資信託の初心者にとってはとってもとっつき易いところになっています。親しい人に薦められると、 『あの人が推薦するんだから大丈夫だろう』 と考えることを半ば放棄するような感じで購入する人がたくさんいそうですね。現に、2007年のサブプライムローンで投資信託が下がった時に、自分が何を買ったのか、そして投資信託がどういうものかさえ分かってなかった人もいるぐらいですから。
ゆうちょ銀行(郵便局)の欠点
手数料・・・高いよ!!!
ゆうちょ銀行(郵便局)の投資信託は全てゆうちょ銀行(郵便局)専用のものです。専用ということは同じ投資信託を他の機関が売れないということです。するとどうなるか・・・ライバルがいないので、手数料をバカ高く設定できるのです。そのためゆうちょ銀行(郵便局)の投資信託は全てに販売手数料がかかり、信託報酬も安くありません。投資信託自体は良質なのですが、販売手数料のぼったくりによって、ほとんど使えない商品になってしまいました。
結局、高齢者をカモにしている
郵便局が投資信託を販売したのは衝撃でしたが、何故投資信託を販売し始めたのでしょうか? それは、民営化のために儲かる軸を作るためでした。投資信託のコストでも説明しましたが、投資信託の販売手数料というのは販売する金融機関の収入です。そして信託報酬の半分ぐらいも収益になります。簡単に言えば、この手数料を稼ぐために投資の知識の少ない高齢者に手数料の高い投資信託をバンバン売っているのです。投資知識の無い高齢者には、多少手数料を高くしても分かりません。
高齢者の方々!
あなたたちはカモにされてますよ!
ノルマに追われている
ゆうちょ銀行は民営企業です。つまり郵便局のようにお役所仕事で定年を迎えられる状況ではなくなりました。そのため投資信託の販売にはノルマが存在します。ノルマを達成するにはとにかく買ってもらうしかありません。だからあれほど投資信託を執拗に薦めてくるのです。ゆうちょ銀行さんが投資信託を薦めてくるのは ”あなたのためではありません” 自分たちの利益のためなのです。
知識に不安がありますよ
ゆうちょ銀行の行員は、ほとんどが元郵便局の行員の人たちですね。では、彼らは投資信託の運用といった資産運用の知識を持っているのでしょうか? いいえ持っていませんね。それどころか、逆に聞いてくるほど彼らの知識は貧弱です。投資信託を始めたのは2005年ですから、いくら勉強しても、知識の不安はぬぐいきれません。
外貨MMFの扱い無し
非常に有利な外貨投資である外貨MMFですが、残念ながらゆうちょ銀行(郵便局)では外貨MMFを取り扱っていません。それどころか日本のMMFも取り扱っていません。証券会社ではなく、銀行なのですから仕方ないですけど。
海外ETFの扱い無し
コストの安く便利な海外ETFも、ゆうちょ銀行(郵便局)では取り扱っていません。
ゆうちょ銀行(郵便局)の総合評価
ゆうちょ銀行(郵便局)はどんな人に向いているか?
・ 郵便局が身近な人
なんだかんだ言ってゆうちょ銀行(郵便局)は、市民にとっては自宅から近く、身近で親しみやすい金融機関です。相談にも親身にのってくれますし、なんだか買ってあげたいなと思う方もいるでしょう。その辺は、個々人の判断です。ゆうちょ銀行(郵便局)がいいな~と思う方は買ってもいいのではないでしょうか。損得はおいといて考えられるなら・・・の話ですが。
・ 給料が振り込まれるゆうちょ銀行口座から積立をしたい人
ゆうちょ銀行の積立制度は、ゆうちょ銀行の銀行口座に対応しています。ですから給料が振り込まれる銀行口座がゆうちょ銀行なら、直接投資信託の積立を自動ですることができます。
★ 野村の優良ファンドではなく、こちらへ投資するのが賢い
ゆうちょ銀行専用の 「野村世界6資産分散投信」と「野村資産設計ファンド」 は世界中の資産へ分散投資ができて、信託報酬も0.7%代とかなりの好条件でした。しかしこの投資信託には販売手数料が1.50%も取られるのです。正直これが無ければ購入を検討してもいいのですが、残念です。もしもこれらに投資を考えていたら、下記の投資信託のほうがコストが安くて圧倒的にオススメです。
低コストのバランス型投資信託 | |||
ファンド | 販売手数料 | 信託報酬 | 信託財産留保額 |
×野村世界6資産分散投信 | 1.5% | 0.798% | 0.30% |
×野村資産設計ファンド | 1.5% | 0.903% | 0.30% |
○マネックス資産設計ファンド | 0% | 0.9975% | 0.30% |
○セゾンバンガードグローバルバランスファンド | 0% | 0.77% | 0.10% |
○住信SBI資産設計オープン | 0% | 0.714% | 0.15% |
○ジョインベストグローバルバランスファンド | 0% | 0.63% | 0.20% |
下記の4つのファンドは1万円からの自分年金で分析しています
ゆうちょ銀行(郵便局)の詳細データ | |
会社名 | ゆうちょ銀行(郵便局) |
URL | http://www.jp-bank.japanpost.jp/index.html |
設立 | 2006年9月1日(郵便局から、ゆうちょ銀行になったとき) |
資本金 | 3兆5,000億円 |
株主・出資 | 日本郵政株式会社100% |
投資信託の取扱数 | 7 |
ノーロードの取扱数 | 0 |
積立制度 | ○ |
積立できる投資信託 | 7 |
銀行口座からの積立 | ゆうちょ銀行口座 |
積立の形式 | 再投資・分配 |
独自ファンド | 野村世界6資産分散投信 大和ストックインデックス225ファンド GS日本株式インデックス・プラス 住信日本株式SRIファンド 日興五大陸株式ファンド 日興五大陸債券ファンド DIAM世界リートインデックスファンド |
特殊ファンド | × |
外貨MMF | × |
海外ETF | × |
ボーナス制度 | 特になし |
セミナー | 特になし |
キャンペーン | 特になし |
投信積立も投資も全部できます