富裕層だけが利用できるプライベートバンクが日本に増えている

日本にもプライベートバンクサービスが増えてきた

日本は中国に抜かれて世界3位になってしまったとはいえ、いまだに世界に名だたるお金持ちの国です。実際に富裕層の数はアメリカについで多くなっており(中国の非公式の富豪を除く)、まだまだ富裕層の数はかなりのものがあります。ただ、日本は相続税や戦争など大きな財産の継承することができない出来事が多かったため、「三代続けば資産は家を手放す」 という言葉があるようになかなか資産家が続かなかった時代もありました。ヨーロッパのような1,000年代々続くお金持ちや貴族、豪族、王族といった家系は天皇家と他の一部のところにしか残っておらず、中世では戦国時代、江戸の豪族は明治維新でと、天下の大変動によって支配階級が入れ替わってきました。しかし最近では明治維新後の文明開化の時代から続くお金持ちの家系が戦争よって打撃を受けたとはいえ、代々富裕層を継承できている家も増えてきており、富裕層が富裕層であり続けるためのサービスを提供するところも増えてきました。銀行のプライベートバンクもその一つです。

プライベート・バンクといえば有名なのがスイス系のプライベートバンクがあげられます。プライベートバンクという言葉は、元々は、無限責任をとる銀行員による個人出資によって運営される銀行を指すものでした。無限責任制や個人出資である事から何かあった場合は担当者がすべての責任を取る形をとっており、そのため過度のリスクを取らず(取れず)、自己勘定で証券の引受業務なども行わない為、顧客に無理に商品を勧めるということがなく、富裕層の信頼を得やすい金融機関でした。その信頼を重ねていった結果、富裕層に絶大な信頼を持てるようになって、プライベートバンクもそれに応えるサービスを提供して今のプライベートバンクの形が出来上がってきました。そのプライベートバンクといえばスイスを始めとした外資系が多いイメージですが、近年日本にもそのプライベートバンクが増えているのです。

プライベートバンクの主なサービス内容

顧客に合ったオーダーメイド型の金融商品の提供が可能
プライベートバンクは顧客一人一人に対してマンツーマンで面談を行い、顧客が何を求めているかをはっきりさせ、それに対して一番適切な商品を提供できる体制が整っています。そのためプライベートバンクは私募投信やテーラーメイド型の債券など顧客のニーズに合わせた特別な金融商品も提供できます。プライベートバンクにおすすめ商品は存在しないのです。顧客一人一人におすすめ商品は違うのですから。ただし、近年は一般の方でも買える公募投信なども充実しているため、オーダーメイド型の金融商品の提供の意味は薄れてきているかもしれません。

社内でも優秀な人材によるコンサルティング
上記のようにプライベートバンクは顧客に最も適切なサービスを提供します。そのため顧客の要望や目的を聞き出すサービスは最も重視されています。顧客に対して一度担当者が決まれば、顧客から要望がない限り生涯にわたって担当者は変わらないのです。信頼できる専門家に相談することができる、その信頼こそがプライベートバンクの最も重視していることです。

優秀な担当:
プライベートバンクにお金を預けるのは富裕層です。正直、預け入れ資産の条件があるためお金を持っていない人は相手にされません。その銀行の重要顧客を相手にするサービスですから、銀行でも最上級の人材が適用されます。例えば国内系のプライベートバンク部門やウェルスマネジメント部門には、社内でもトップクラスの人材のみが配置されていると言われています。顧客を担当する人材の優秀さは、富裕層向け金融サービスの特徴といえるでしょう。

高い入会基準と割安な手数料率
プライベートバンクにお金を預けるのは富裕層です。メガバンクのプライベートバンク部門といえど、富裕層向け金融サービスの最低預け入れ額は1億円を超えます。高いトコロだと5億円や10億円をかぞえ、それ以上にいくらお金があっても信頼できる紹介者の紹介がないと付き合いをしてくれない非常にクローズなところもあります。対して運用への報酬ですが思ったより低く設定されています。これは運用額が多いため、手数料率そのものは一般の金融商品よりも低めに設定されている場合が多いようです。

相続対策や事業継承など、金融関連のサービスも充実
プライベートバンクは富裕層が悩み、望む要望に応えることが仕事になっています。そのため金融商品が充実しているだけではなく、富裕層が最も悩む問題とも言われる相続税などの節税対策、企業オーナーのための事業承継サービスなど、付加的なサービスが充実していることも大きな特徴です。また富裕層顧客が多いことから富裕層同時の交流によるビジネスのサポートや、人脈のマッチングなどを 行う場合もあるそうです。特に近年は、先進国にて富裕層に対する課税を強化する流れがあり、節税に関するコンサルティングの需要は高まっています。

日本におけるプライベートバンクなど富裕層サービス

今までプライベートバンクといえばスイスの名門プライベートバンクが有名でした。UBSやクレディ・スイスといった有名なグローバル銀行からピクテやベルゲンといった老舗のプライベートバンクなどです。しかし年々国際銀行がプライベートバンク部門を立ち上げてシェアを奪うなどの苦戦を強いられる中、リーマンショックによって打撃を受け、さらにアメリカによる圧力にスイス議会が屈したのをきっかけに富裕層のスイスからの資金引き上げが始まってスイスのプライベートバンクは苦境に立たされています。中にはヴェルゲンなど17世紀からの歴史を持つ老舗が廃業するなど激変が起こっていますが、そのプライベートバンクを買収しているところもあります。実は日本の金融機関もです。

現在も日本では昭和の時代からクレディ・スイスやUBSなどのスイスの大手金融機関が進出していますが、これらはプライベートバンクだからというより国際銀行だから進出している傾向が強くなっています。そして外資系よりも日経のメガバンクが国外のプライベートバンク部門を買収してサービスを提供するようになり、それが日本国内の富裕層へ大きなシェアを抱えるようになってきています。三菱東京UFJ銀行はモルガンスタンレーと、三井住友銀行は英系のバークレイズや仏系ソシエテ・ジェネラル、横浜銀行や静岡銀行などの地銀グループはスイスのロンバー・オディエとそれぞれ提携や買収を行いプライベートバンクサービスを強化しています。銀行以外にも野村證券や大和証券などがサービスを始めています。もともとプライベートバンクというと外資系に一日の長があり、サービスのノウハウも豊富でした。しかし海外とは違う日本人のお金に対する考え方やガラパゴス化する日本の税制や規制の強化によって英HSBCが日本から撤退したように、外資系は日本からの撤退のリスクが表面化しています。そのため日本人は同じ日本の金融機関へサービスを求める傾向がより強くなり、それに応えるように日本の金融機関もサービスを次々開始しています。どうしても外資系と比較して足らないノウハウや歴史などを買収や提携によって補い、日本の富裕層へ提供しているのです。

【みずほプライベートウェルスマネジメント】
預入資産:10億円以上(金融資産以外を含む)
サービス開始:2005年
特徴:資産クラスのバーが高く、みずほフィナンシャルグループのトップ顧客を対象に、オーダーメードの金融商品やポートフォリオマネジメントサービス、富裕層の関心が高い健康・医療・教育情報などを幅広く提供している。

【三菱東京UFJ銀行(三菱東京モルガンスタンレーPB証券)】
預入資産:1億円以上(金融資産以外を含む)
サービス開始:非公開
特徴:三菱UFJフィナンシャルグループの各社が連携をし、資産運用、相続、事業継承を中心に総合的なコンサルティングをオーダーメイドで提案している。

【三井住友フィナンシャルグループ・バークレイズ(英)】
預入資産:5億円以上(金融資産以外を含む)
サービス開始:2010年
特徴:三井住友銀行の上位顧客へ、英国バークレイズのプライベートバンクを日本用にカスタマイズし提供している。特に、顧客の投資性向分析に行動ファイナンスを応用していることで有名である。

【野村證券】
預入資産:非公開
サービス開始:非公開
特徴:富裕層向け営業を手がける部署を全国の特定の営業店に配置。最低投資単位が3億円の投資一任サービス等も取り扱っている。

【大和証券】
預入資産:非公開
サービス開始:非公開
特徴:上場企業や非上場企業のオーナー層を中心に、法人運用や為替取引、また事業継承や相続対策などを支援している。

【クレディ・スイス(スイス)】
預入資産:10億円以上
サービス開始:2009年
特徴:日本では10億円以上を対象としており、また口座開設審査などが厳格といわれている。オーダーメードの債券提案などに強い。日本では2012年にHSBCの日本の富裕層向け事業を買収するなど攻勢をかけている。近年行政処分を受けた。

【UBS(スイス)】
預入資産:2億円以上
サービス開始:2004年
特徴:プライベートバンクの聖地ともいわれるスイスの最大手。一人の顧客に組織的に管理を行うチーム制度が特徴的。東京の他にも名古屋や大阪に拠点を設け、攻勢をかけている。

【ロンバー・オディエ・ダリエ・ベンチ(スイス)】
預入資産:1億円以上(金融資産3億円以上)
サービス開始:2008年
特徴:投資一任運用を中心にサービスを提供している。その他、遺言代用信託や、子弟の教育支援なども手がけている。

 

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