団塊の世代の子供(団塊ジュニア)の格差はひどい

団塊ジュニアとは団塊世代の子供世代

1947~1949年の間に急激に出生率が高くなった人たちを団塊の世代という

”団塊ジュニア” とは1970年代前半の第2次ベビーブームによって団塊の世代と同じようにきわめて出生数が多くなった世代のことを指します。またこの年代は団塊の世代の人たちの子供世代にも当たり、団塊の世代の子供たちもたくさん含まれることから団塊世代のジュニア世代ということで団塊ジュニアと呼ばれています。

団塊の世代は就職による上京や結婚・出産、核家族化、退職など社会に大きな影響を与えた世代でした。この団塊ジュニアも団塊の世代の影響によって発生した世代ともいえます。しかし、団塊ジュニアは大規模な移住をしたり第3次ベビーブームを起こしたりしなかったので、団塊の世代と比べて社会に対して大きな影響を与えることはありませんでした。ただし、この団塊ジュニアは後述する ”就職氷河期” によって不遇の就職期を迎えることとなり、大量のフリーターやワーキングプアを発生させてしまう社会問題に巻き込まれてしまいます。不遇な時代に就職期を迎えてしまったことから、団塊ジュニアは別名 「貧乏クジ世代」 とも呼ばれます。

因縁の就職氷河期

団塊ジュニアにとっては因縁の就職氷河期

上の図は厚生労働省の 「職業安定業務統計」 による1990年からの有効求人倍率の推移を表したものです。ご覧のように、1970年代生まれの団塊ジュニアの人々が新卒就職期を迎える1990年から2000年前半にかけて有効求人倍率が大幅に下がっていることがわかります。特に1999年には有効求人倍率0.48%と0.50%を切るほとの低水準でした。

この有効求人倍率の低下は皆さんご存知のとおり1990年初頭からバブル経済が崩壊し、平成不況が進行して 「失われた10年」 と言われる時代が到来したことです。日本の高度経済成長によって、本来生きているはずの無い企業まで生きていたこの時代は、自然淘汰によって多くの企業が倒産します。それを避けるために企業側は、経費削減により中高年労働者のリストラと大卒新卒者の採用抑制を行い、代わりに非正規労働者を低賃金でコキ使う経営方針へ変更しました。そのため中途採用、新卒採用が尋常ではないほどに低下し、多くの大卒無職を発生させることになります。これが今の20代後半から30代に非常に多いネットカフェ難民やワーキングプアを生み出す要因となってしまいます。

団塊ジュニアは下流意識が強い

団塊ジュニアの人たちは中流志向が強かった団塊の世代とは違い、格差社会化して下流になったと感じている

上の図は内閣府の 「国民生活に関する世論調査」 による団塊ジュニアの階層意識調査で下流と感じている人の推移を表したものです。ご覧のように1990年代から社会に出た団塊ジュニアの人たちは、どんどん下流志向が強くなっていきます。大企業の経費削減による大卒新卒者の採用抑制と非正規労働者の低賃金労働で団塊ジュニアの生活は非常に苦しくなっていることが原因です。また、団塊の世代の階層意識と比較してもかなりの相関があることがわかります。親である団塊の世代に下流志向が強くなっていることと同様に団塊ジュニアも下流志向が強くなっているのです。

団塊の世代の人たちは一時は中流志向が強かったが、格差社会化して下流になったと感じている

同じように上の図は団塊の世代の人たちが、自分がどのような階級にいるかを調査したものです。ご覧のように団塊の世代も、団塊ジュニアも同様に下流志向が強くなっているということで、格差社会化はあらゆる年代において拡大しているということも確認できます。

団塊ジュニアの就職格差

団塊ジュニア層は年を増すごとに正社員が減っていき、非正規労働者が増える

この図は1992年、1997年、2002年における20~24歳の団塊ジュニア層新卒就職の労働形態の推移を表したものです。1992年にはまだバブル崩壊直後で、実態経済に大きな影響は無かったために、正社員は250万人以上存在し、非正規労働者は50万人程度にしかすぎませんでした。しかし年をますごとに雇用環境はどんどん悪化し、正社員は右肩下がりで減少し続け、非正規労働者は右肩上がりで上昇し続けています。この傾向は、男女ともに変わらず、どちらも非正規労働者が大幅に増加しているのです。

2002年の時点で、正社員と非正規労働者の人数差は男女ともに30万人程度にしか過ぎません。年々増加し続ける非正規労働者の数は減少することなく増加しているので、正社員の数より非正規労働者の数のほうが多くなるのは時間の問題といえるでしょう。

団塊ジュニアはどんどん希望を無くしている

 

団塊ジュニア層の人は、就職できなかったり、結婚できなかったりしたことで人生に希望が持て無い人が多い

上の図は団塊ジュニア層の人が 「今後の人生について希望があるか?」 という質問に対する回答を表したものです。ご覧のように正社員となった一部の ”勝ち組” 団塊ジュニアの方々は人生プランが描けているので将来に希望を持っている人が多くなっています。しかし、正社員になれず非正規労働に甘んじる ”負け組” の人々は、低賃金でいつまた解雇されるかわからない不安定な状況に大きな不安を抱えているために、将来に希望を持てない人が非常に多い傾向です。

希望をもてないということで、将来に絶望して自殺してしまう30代の人もかなり多くなっています。30代の自殺者も過去最高を更新しています。30代の人は問題になっているネットカフェ難民やワーキングペアの人が多く、前述の中高年のように救済される制度が全く無いために、絶望してしまうのです。

団塊ジュニア派遣・フリーターほど絶望している

団塊ジュニア世代の職業別の下流意識、無職やフリーター、派遣の人々の8割が下流と感じている

上の図は 「男性仕事・生活調査一次調査」 による団塊ジュニアの職業別の下流意識を表した図です。ご覧のように無職やフリーター、派遣といった社会的に弱い立場にある人々になるほど下流意識が強くなり、希望もなくなって絶望する人が多くなっています。

団塊ジュニアのフリータや派遣の人は下流志向が非常に強く将来に絶望している

上の図は、上記と同じように 「男性仕事・生活調査一次調査」 による団塊ジュニアの職業別の下流意識を派遣社員やフリーターに限って表した図です。派遣社員やフリーターは正社員とは異なり、勤続年数が長くなっても給料がそれほど増えるわけでもなく、昇進する事もほとんどありません。そのため高齢化による支出は増えても収入は増えず仕事も減っていくので、生活がどんどん厳しくなっていきます。そのため高齢の派遣社員・フリーターほど下流意識が強くなり、将来に希望をもてなくなっているのです。

企業には暗黙の領域で社員をエリート候補生、スペシャリスト、使い捨て労働者に使いわけています。結局のところ高齢層の派遣社員・フリーターの方々は、企業のエリートコースなどへ入れることはほぼありえません。そのため格差から脱出するには、司法書士や行政書士、簿記、社会福祉士、社会保険労務士など ”金になる資格” を取ってスペシャリストになる以外に道はありません。そのため最近のZ会のような実力のある資格講座や通信教育には30代の方の応募者が殺到しているのです。彼らは自分に残された道が数少ないことを知っており、必死で資格を取ろうと勉強しています。「お金が無い・・・」 とか言われそうですが、LECオンラインなどでは分割払いができて月に数千円程度の負担できるため、資金不足は理由にはなりません。

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