お金に卑しいイメージを持つ日本は貧困層を助けない先進国で最低の格差社会

欧米の人から見ても無残な日本の格差社会

日本の格差社会はアメリカに次ぐ酷い惨状であり、後10年もすればアメリカを超えて世界一の格差社会になりうる可能性が高い状況です。そしてその労働環境は、先進国はおろか新興国にも劣る、見るも無残な状態になっています。そんな日本の格差社会の酷さは、欧米から見ても、見るに耐えないもののようです。

日本の最低賃金は世界的にも最低のレベル。先進国の中ではビリであり、新興国と同じ水準に過ぎない

米国の著名社会政治学者であるハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、日本の格差社会の現状は欧米以上であると警告をしています。教授は福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、先進国で一番冷たい格差社会であるとまで言い切ってしまいました。さて、どのような点がつめたいのでしょうか。格差社会の先進国でもあるアメリカを例にみていきましょう。

お金持ちが貧困層を助けるアメリカ

みなさんもご存知だとは思いますが、アメリカという国は 『自由の国』 がモットーになっています。そのため変に規制したりすることがあまりないので世界で格差が一番ひどい国とも言われています。ですが、そんなイメージとは裏腹に日本よりもしっかりとした社会のセーフティネットが存在しています。NYの非営利団体はホームレスのシェルター(無料宿泊所)を運営したり、食事や古着を提供したりしていますし、ハーバード大学の学生も忙しい勉強の合間にボランティアで恵まれない子供に勉強を教えたりしています。

また、日本と決定的に違うことは、アメリカではお金持ちが貧しい人を助けてくれることにあります。ご存知のとおり、シリコンバレーにはIT革命の時流にうまく乗ることができて、人生に成功した人がたくさんいます。そういった人生に成功したシリコンバレーのお金持ちは、そのお金で社会貢献活動をするのがブームになっているのです。アメリカではお金持ちはアメリカンドリームを成し得た人間ということで、ある種の尊敬がなされています。そのためお金持ちの人は、人々に尊敬されると共に、貧しい人を助けるべきであるという責任感が生じているのです。自由経済がお金持ちと貧乏人を生み出しているので、なんだか矛盾している感じもしますが、ともあれアメリカのお金持ちは貧しい人をできるだけ助けてくれるのです。世界一の投資家でもあるウォーレン・バフェット氏が資産の85%にあたる約374億ドルをビル&メリンダ財団に寄付したことは有名な話ですね。日本ではこんな話を聞きません。このようにアメリカには、政治に対する意識とは別に自分が社会に何を還元できるのかを考える人が多いのです。

日本は貧困層を助けない

お金持ちが貧困層を助けるのが、お金持ちの責務であるという認識があるアメリカと違って、日本は福祉制度が非常に弱く、また困っている人や貧しい人へ手を差し伸べるようなことが極めて少ないのです。

それは生活保護の面にも存在しています。意外なのですが、自己責任を謳っているアメリカよりも生活保護の受給条件は日本のほうが厳しいのです。アメリカでは個人に受給資格があれば受給できますが、日本では家族の所得も事実上調査されるので、家族が所得を持っていたり、ある程度の貯蓄があると生活保護を支給されることは極めて稀です。マルガリータ・エステベス・アベ教授の知人は裕福ですが息子は生活保護を受けています。日本だったらこんなことはまずありえません。この息子が生活保護を申請しても、日本の役所は 「親が裕福だからダメだ」 と完全拒否するでしょう。NHK特集のワーキングプアの人を見ても、非常に生活に困窮しているにも関わらず、ある程度の貯金があるだけで生活保護を認めないケースが紹介されていました。日本は貧困層を助けない社会なのです

【貯金がわずかにあるだけで・・・】(NHKスペシャル:ワーキングプアより)
秋田県仙北市角館町で服の仕立て屋を営んできた74歳の鈴木勇治さん。町に40あった商店は11にまで激減し、鈴木さんの店も売上が1万円にも及ばない。しかし鈴木さんにはアルツハイマーで寝たきりの妻がいて、鈴木さんの年金収入は入院代(月6万円)でほぼ全額消えてしまう。この状態なら生活保護を受給できるだろうと推測する人もいるだろう。しかし鈴木さんは妻の葬儀代として100万円の貯金を保有している。この100万円の貯金の存在はそれだけで行政側が生活保護を出さない絶好の理由になる。「結局、貧乏人は早く死ねってことと同じだ」 と鈴木さんは嘆いた。

日本人のお金持ちへの抵抗感が原因か?

アメリカではお金持ちが貧しい人を助けてくれます。これはアメリカのお金持ちの人は、人々に尊敬されると共に、貧しい人を助けるべきであるという責任感が生じているのです。しかし日本ではこのようなことをほとんど聞きません。以前神奈川県で10億円もの寄付をしてくれた女性がいましたが、高額所得者の寄付報道というのは聞きません。サントリー会長の佐治信忠氏や、森トラストの森章氏、アコム会長の木下恭輔氏、ソフトバンク社長の孫正義氏などは毎年数十億単位の所得を得ていますが、そういった高額所得者の寄付というのは聞いたことがありません。それには日本のお金持ちに対する抵抗感が問題ではないかと思われます。

ご存知のとおり、日本には 「お金のことを話すのは卑しいことだ」 という意味不明な風潮がまかり通っており、お金に対する一種の憎しみといった考え方が浸透していました。そのため戦前ならともかく戦後の日本ではお金持ちを尊敬することなど全くなく、お金持ちは卑しい人間である考えが浸透していました。そのため無闇やたらにお金持ちであることを告白すると、他の人にいっせいに叩かれてしまうのです。マスコミも国民が喜ぶのでお金持ちの悪口を面白おかしく取り上げます。

では、こんな日本でお金持ちである人がアメリカのように貧しい人を助けるべきであるという責任感が生じるでしょうか?おそらくそういった責任感が生じることは極めて少ないでしょう。お金持ちが卑しい人間かどうかはともかくとして、人間である以上は、自分を尊敬してくれる人に対してはこちらも助けてやりたい気持ちが自然に出てきますが、自分を貶したり迫害したりする人間に対しては、よっぽどの聖人でもない限り、助けてやりたいと思うことは少ないでしょう。2008年6月に秋葉原で無差別殺傷事件を起こした加藤被告は 「勝ち組は死ね」 といっていました。こんな人間に対して救いの手を差し伸べてくれる人はほとんどいないのではないでしょうか?お金やお金持ちに対して卑しいイメージが付きまとっている日本では、お金持ちが貧困層を助けないのも、むしろ自然なことなのかもしれません。

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