NZD (ニュージーランドドル) とは高金利だが新興国なみのリスクをもっている

ニュージーランドの詳細データ

正式名称ニュージーランド (New Sealand)
人口415万人 (とっても少ない)
面積27万km2 (日本の4分の3)
首都ウェリントン
宗教英国国教等、現地宗教
主要産業畜産を中心とする農業 (特に羊の放牧が盛んで、人口よりも羊のほうが多い)
名目GDP1,284億USD
一人当たりのGDP27,060USD
実質GDP成長率2.05%(2005年)
インフレ率3.0%(2005年)
失業率3.7%(2005年)

NZD (ニュージーランドドル) の特徴

NZDとはニュージーランドで使われる通貨である

NZDはニュージーランドドル(New Zealand dollar)といい、ニュージーランドの他、クック諸島、トケラウ、ニウエ、ピトケアン諸島で用いられる通貨です。ニュージーランドの英語名が New Zealand であり、ドルの明記が Dollar となることからNZDと表記されるのです。NZD、NZ$などとも略され愛称はキウイといい、キウイドルといわれることもあります。もちろんフルーツのキウイではなく鳥のキウイであることは説明するまでもないですよね。NZDは歴史的にも高金利が続いていることで有名であり、スワップ投資家に大人気です。

ニュージーランドの国旗ニュージーランドの位置関係

先進国では一番高金利

NZD(ニュージーランドドル)は同じオセアニア通貨であるAUDと同じく高金利であり、国際的にも高金利通貨として有名です。そのためスワップ金利狙いでFXをする個人投資家から絶大な人気を誇ります。特に同じオセアニアのオーストラリアよりもニュージーランドのほうが政策金利は高いので、その人気は南アフリカランドやトルコリラが出てくるまではダントツのNo.1でした。

日本の重要な貿易相手国

後述しますが、以前のニュージーランドは旧宗主国であるイギリスに貿易を依存する経済状況でした。しかしそのイギリスがEEC(後のEU)に加盟してヨーロッパに重点をおいてしまうと、お得意様がいなくなってしまいニュージーランド経済は追い詰められました。このため貿易相手国の多様化を志向し、特に日本との貿易にも力を入れ始めたのです。その結果、日本はニュージーランドにとって3番目ないし2番目の貿易相手国となっており、経済的な結びつきも強いのです。

小さいけど、とってもいい国

ニュージーランドは人口がわずか400万人と非常に小さな国ですが、非常に優秀な国家として知られています。OECD諸国の中でもっとも高い成長率を達成している国の一つであり、実質GDP成長率はプラスを示し続けていて力強い経済活動が見られます。財政もどっかの国とは違い、とても健全であり、失業率も低く治安もいい評判のよい国です。留学生のホームステイ先やリタイア世代が移住していることからも日本人に人気の国であることがわかります。

財政破綻から立ち直った

ニュージーランドは過去に財政破綻を起こしかける非常にピンチの時期がありました。1970年代、このころのニュージーランドは独立したとはいえ、旧宗主国であるイギリスとの貿易が大半を占める経済状況でした。しかし、イギリスがECに加盟してヨーロッパ諸国との結びつきを強めたため、相対的にニュージーランドの農産物輸出額は激減して大打撃をうけてしまい、さらにオイルショックが貿易収支の悪化に追い打ちをかけました。この時は財政破綻の一歩手前まで追い詰められたのです。しかしニュージーランドはここから大規模な改革を起こして、不死鳥のごとく復活をとげます。その復活の立役者となったのが、ロンギ政権です。労働党のロンギ政権は以下のような大幅な改革を行いました。

1 : 中央官僚の大幅な削減
2 : 電信電話、鉄道、航空、発電、国有林、金融などの国営企業を民営化
3 : 大学と国立研究所の法人化

この大改革の結果、ニュージーランドは財政破綻の危機から見事に脱出することができ、OECD諸国の中でもトップクラスの生活水準をたたき出す優良国家となったのです。そして赤字続きだった国家財政は黒字化、さらに経済の発展などの成果を出して経済は財政が健全化しています。どっかの国も見習ってほしいものですね、特に1970年代の国家破産一歩手前などそのどっかの国の現在の状況と全く同じなのですから。どっかの国が財政破綻を起こすほどのピンチに陥ったとき・・・果たして破綻を回避できるでしょうか?

NZD (ニュージーランドドル) のリスク要因

経済指標は金利動向に注目

いわずと知れた高金利通貨であるNZDですが、その高金利に注目されるがゆえ金利動向によって激しく動く性質があります。特に金利動向にともなうNZ中央銀行総裁の記者会見の内容に注意が必要です。NZ中央銀行総裁が 「将来的な利上げ、据え置き」 を示唆する言葉を発すれば高金利状態が続くと見られて大きく買われるのに対して、「利下げ」 を示唆する発言をした場合は暴落ともいえるほどの下げを見せることがあります。最大の魅力である高金利が最大のリスク要因でもあるのです。

流通量が少なく値動きが激しい

先進国の通貨と認識されがちなNZD(ニュージーランドドル)ですが、その流通量はきわめて少ない分類に入ります。知名度がマイナーなSEK(スウェーデンクローナ)よりもはるかに少ないのです。そのため機関投資家から大きな売りが入ると暴落することがよくあります。資源産出国であり大きな国であるオーストラリアのAUDよりも暴落の変動幅が大きいです。JPYやUSDのようなメジャー通貨よりも、ZARやHUFなどのマイナー通貨の値動きに近いと思ってください。ただし取引停止なるほどではありません。

経済指標は商いの少ない早朝に発表

ニュージーランドは日本よりも東に位置し、市場をもっている国の中では日付変更線に一番近い国です。そのためニュージーランドの経済指標が発表される時間というのは、東京時間の早朝である 5:00~6:00 なのです。この早朝というのは市場参加者がかなり少なく、商いが閑散としている時間帯です。そのため経済指標のインパクトが小さなものでも相場が大きく動く可能性があります。ただでさえ流動性が少ないNZD(ニュージーランドドル)なのに、さらに流動性が悪い時間ですから値が飛びやすいのです。

オーストラリアからの影響を受ける

ニュージーランドは周辺に国がいない完全な島国です。そのため唯一隣国といえるオーストラリアと地理的に経済・政治での結びつきが強いことから、NZD(ニュージーランドドル)はAUD(オーストラリアドル)と連動して動く傾向が強くあります。同じ大英連邦であることも影響の1つです。この特徴を比喩してAUDとNZDは 「姉妹通貨」 とも称されます。もちろん大きな国であるAUDのほうが姉ですね。そのため2つの通貨のペアであるAUDNZDを取引すれば、為替変動リスクが少ないままスワップをとれる方法:さや取りができるとよく言われています。しかし厳密には違う国ですからあまり参考にはなりません。

NZD (ニュージーランドドル) の政策金利

ニュージーランドの政策金利動向

ニュージーランドは歴史的にオーストラリアと同じく高金利の状態が続いています。これは主となる産業が少ないために海外からの投資を確保する目的から高金利政策を継続しているためです。要するに “高金利” をエサに海外からのお金(投資)を集めているということですね。それにつられて、日本の個人投資家などは有り金をたくさん注ぎ込んでしまっています。そのため先進国の中でも金利は高く、ニュージーランドドル建て債券などは人気を集めていて、中央銀行であるニュージーランド準備銀行(RBNZ)は政策金利を、海外からの投資による好調な経済を背景に引き上げてきました。

しかし、逆に言えば高金利以外では魅力に乏しい通貨であるということです。そのため2008年の金融危機において政策金利を1%一気に引き下げたときや将来の利下げを示唆する発言があった場合などに、暴落とも言うべき下落を起こしてしまいました。NZDJPYは2007年に97.73という高値をつけましたが、その一年後には44.19まで下落してしまったのです。たった一年間で実に50%以上という下落を起こしてしまったということです。この下落率は南アフリカランドやトルコリラとほとんど変わりません。このことから、先進国通貨とは思わずに南アフリカランドやトルコリラといった高金利のマイナー通貨に投資していると思うべきです。

NZD (ニュージーランドドル) の投資情報

ニュージランドの情報はマネースクエア

高金利通貨で有名なニュージーランドドルの情報は長期投資サービスに特化しているマネースクエアがとても良い業者となっています。マネースクエアはトラリピなどの長期運用に有用なサービスを様々に用意しており、【オセアニア・レポート】はオセアニア通貨に特化した市況レポートを毎日配信(土日を除く)しており、10年以上継続しているマネースクエアの代表的なマーケット情報です。他にも高金利通貨普及プロジェクトなどを開催しており、こちらではオーストラリアやニュージーランドの現地の情報などを写真付きで詳しく解説しています。またマネースクエア社は自社提供で日経CNBC「FXマーケットスクウェア」スペシャル【The Power of a Nationオーストラリア篇・ニュージーランド篇】を放送・配信しました。

ニュージーランドドルの相場情報

NZドルは歴史的にボラティリティが高い通貨であるとして知られています。下図は2000年からの15年におけるNZDJPYの相場チャートを示したものです。3年区切りでの高低差はおおよそ20~30円ほどとなっているのですが、リーマンショックにおけるときには97.78から47.81と実に50円もの暴落をしてしまい、NZDは円に対して半分の価値になってしまいました。その後また上昇し始めていることから、マネースクエアのトラリピを低レバレッジで仕掛けておけば高いところで購入したポジションもスワップの恩恵を受けながら、含み損を含み益にまで回復できるチャンスがあったことがわかります。しかし50円もの大幅下落ではとても高いレバレッジでは耐えられません。実に50%以上における下落をただただ耐えうるにはレバレッジは2倍未満にしなければなりません。無論、下落局面で売りやオプションによるヘッジができる方ならそれでカバーもできますが、それができないであればレバレッジ2倍未満で投資しないといけません。

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NZD (ニュージーランドドル) の祝祭日

1月1~2日新年
2月6日ワイタンギデー(建国記念日)
4月14日グッドフライデー
4月16日イースター
4月17日イースターマンデー
4月25日アンザックデー
6月5日女王の誕生日
10月23日レイバーデー(勤労感謝の日)
12月25日クリスマス
12月26日ボクシングデー
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