成行(成り行き)注文は今すぐ取引できる注文方法

成行注文(成り行き)注文とは

FXの注文方法には、株取引と同じものからFX固有のものまでユニークなものがたくさんあります。その中でも、一番スタンダートな取引方法が成行注文です。この成行注文は株取引と同じもので、 「いくらでもいいから買います」 「いくらでもいいから売ります」 と価格にはこだわらずに現在の為替レートで取引を行います。つまり、価格は成り行きまかせの注文方法といったところですね。あまり知られていませんが、欧米ではこの注文方法をマーケットのプライスですぐに取引することからマーケット注文(Market Order)と言うらしいです。

この成り行き注文は、注文を出してからすぐに約定するために直感的にわかりやすい取引方法でもあります。例えばドル円を取引する際に 「101.70 – 101.72」 とレートが表示されているところに、成行の買い注文を入れればすぐに101.72の買いが成立します。成行注文は、わかりやすい注文方法であり、すぐに約定できる取引方法でもあるのです。

最も早い成行注文はワンクリック注文

成行注文の特性としては、すぐに約定ができることがあります。その利点を最大限に生かした方法が 「ワンクリック注文」 です。主にFXブロードネットや外為オンラインなどの短期売買向けのFX業者に多い方法です。このワンクリック注文というのは、その名前の通りクリック一回だけで成行注文が出せるというものです。

ワンクリック注文

全てのFX業者が成行注文をすることができますが、多くの業者では成行注文を出すまでに何度もウィンドウを立ち上げたり、注文の内容を確認する画面が出てきます。これは注文のご発注を避けるためのものですが、熟練者にはとてもウザッタイものです。その確認作業を全て省いた成行注文というのが 「ワンクリック注文」 なのですね。もちろんご発注したら取り返しがつかなくなりますが、1秒をあらそうデイトレ・スキャルの取引ではワンクリックで注文を出せるのはとても有難く使いやすい方法でもあります。

成行注文は取り消しが利かない

しかしワンクリック注文でも指摘しましたが、この成り行きまかせの注文方法が逆にデメリットにもなるのです。ご存知の通り、成行注文は即座に注文を発注できるので非常に早く約定ができます。しかし約定が早いので、逆に訂正ができないという点も併せ持っているのです。

例えば、 「よし、ここで成行注文だ(注文発注)」 ・・・ 「あ、やっぱり止めた!取り消しだ!」 といっても注文を取り消しすることはできません。非常に早く約定できる分、間違った注文の取り消しが間に合わないのです。特に注意すべきなのが上記のワンクリック注文です。間違ってクリックしちゃった ~ なんて言っても取り消しは利きません。成行注文は、当たり前なのですが、注文発注後は取り消しがきかない方法であることを覚えておきましょう。

成行注文はスリップページが多い

もうひとつ成行注文にはデメリットがあります。それは価格を指定しない注文のために、スリップページが非常に多いということです。スリップページとは注文価格と約定価格との差を指す言葉です。例えば成行注文を出した後に急に相場が変動したときなどは、表示されていたレートで約定するとは限りませんね。さっきの 「101.70 – 101.72」 のレートが急に変動したら約定価格が 101.72 ではなく 101.78 とかにズレてしまうことがあります。このズレこそがスリップページです。例えば、先ほどの図ではFXブロードネットで 89.959 に買い注文を入れていましたが、スリップページが起こると下記の図のように 89.977 と全然レートが違った約定になってしまうことがあるのです。

成行注文はスリップページも多い

※FXブロードネットはスリップは少ないですよ

そして成行注文というのは、 「今すぐ取引したいから価格は成り行きまかせね~」 という軽い感じで取引をします。ですから注文を出したレートと約定したレートにズレが起こることが非常に多いのです。急激にレートが変動する米雇用統計や失業率などの重要な経済指標の発表直後などは、上に下に激しくレートが動くので、大きなスリップページが発生します。また悪質な業者では意図的にレートを操作して、とんでもないズレを顧客に押し付けるところも存在します。成行注文というのはスリップページが起こるのが非常に多いことを覚えておきましょう。

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