時間という財産まで搾取して無賃労働を強制するサービス残業

サービス残業とは無賃労働のこと

サービス残業とは、雇用主から労働基準法で定められた正規の賃金を払わずに、従業員が自発的に行うとされる時間外労働の名称です。賃金がもらえないのだから、無賃労働ともいえ、もはや正規の労働とはいえません。サービス残業の多くは、経営者という立場を用いて従業員を半強制的に働かせたりするケースが続発しています。これも新卒採用の抑制やリストラなどによる人件費抑制の結果、人員不足が問題となり、正社員が過剰に働かざるを得ない状況になってしまったのです。

労働時間は年々増加しつづけているのだ!

もはや会社の多くには雇用に関するモラルは崩壊しており、従業員に対して立場を利用した脅迫まがいの残業をさせたり、従業員の残業申請を行わせずにサービス残業にしたり、残業代を支給しなくてよい管理職へ昇進させてコキつかう ”名ばかり管理職” などありとあらゆる手を使って労働者を強制的に残業して、労働者の時間を搾取する行為が横行しています。最近では労働者の労働時間も一部を除いてどんどん上昇しているので、さらにサービス残業の被害が増加しているのです。

残業時間がどんどん増える

厚生労働省の 「毎月勤労統計調査」 によると労働者の平均残業時間は2002年の平均20時間から、わずか数年で24時間と25%もの急激な上昇を起こしています。しかもその残業のかなりの割合が無賃労働といえるサービス残業なのです。

労働者の残業時間はどんどん増加している

上の図は厚生労働省の 「毎月勤労統計調査」 による残業時間の時間の長さの分布を各時間ごとに表したものです。ご覧のように2002年から2006年と、年度を増すごとに残業なしの人の割合がどんどん減っていき、代わりに30~50時間もの残業を行っている人の割合がどんどん増加しています。そして、50時間を超す長時間労働が全然減っていないことがわかります。このことから、サラリーマンの方の残業はどんどん増加していることが証明されます。

大企業でも日常的に横行するサービス残業

サービス残業は労働基準法違反であるが、労働者は文句を言えば報復人事にあうおそれがあるため、いやおうなしに従っていることが多いケースがほとんどです。しかし、いつかは怒りが爆発するもの。2001年4月には厚生労働省からサービス残業を規制する趣旨の通達「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」(基発339号)が出され、労働基準監督署による調査、始業・終業時刻の記録・確認などの是正指導が強化されることになります。その結果、なんと相当数の大企業において、サービス残業が横行していることが明らかとなり、非常に多くの企業がサービス残業分の賃金を労働者へ支払うこととなりました。ただし、これは世間の目が厳しい大企業においてのこと。そういった目の届きにくい中小企業においては、サービス残業はいまだに横行している模様です。

サービス残業を支払った企業一覧


・ 関西電力22億9700万円(約11,000人)
・ 東京電力69億4800万円(約25,900人)
・ 中部電力65億円(約12,000人)
・ スタッフサービス大阪本部、約53億6500万円(全国の従業員と退職者計約3,400人)
・ ヤマト運輸関西支社管内、金額は不明(大阪主管支店管内の従業員約22,000人)
・ 富士火災海上保険2億7400万円(約1,000人)
・ ホテルグランヴィア京都2億700万円(約400人)
・ ミドリ電化JR尼崎駅前店、金額は不明(約5,100人)
・ ミズノ18億6,000万円(約2,000人)
・ 近畿大学約1億38万円(職員・退職者約563人)
・ 名古屋港イタリア村約700万円(外国人調理師3人)
・ 大阪大学金額は不明(教員の一部を含む職員約5,400人)
・ 学校法人立命館約900万円(大学・高校などの職員約460人)
・ 神戸ポートピアホテル約7,100万円(174人)
・ 群馬大学約2,500万円(付属病院を含む職員約900人)

無知や無力な人間こそ狙われる

サービス残業の多くは、残業代などの労働関係の法律に疎い人や、立場の強さを利用した半強制的な圧力に対する抵抗力を持たない無力な人間に対して横行しています。まさに今の企業のモラルは崩壊しています。

しかし、今の大企業の多くが社員の観測されないサービス残業のような縁の下の力によって支えられているのです。これらの労働に対して、律儀に賃金を払っていたら多くの企業がつぶれてしまうのです。サービス残業に頼らなければ存続できない企業なんてなんとも未完成なものですが、完璧な人間が存在しないように完璧な企業も存在しないのである程度は仕方ない面があります。ただし、結局はそれは企業の都合です。私たちはその企業に自分の人生を託す義理などありません。だからもらえるものはしっかりともらいましょう。それが私たちの権利です。その残業代の支払いで潰れてしまうような企業だったら、所詮その程度の企業だったのです。さっさと見切りをつけて他へ移ったほうが賢明です。

首都圏青年ユニオンは電話03・5395・5359

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