過剰労働によって命まで搾取されて過労死する人たち

過労死とは欧米では考えられない過剰労働による死亡

過労死とは、サービス残業のように周囲からの暗黙の強制のもとで長時間残業や休日なしの過剰労働を強いられる結果、精神的・肉体的負担で、働き盛りのビジネスマンが脳溢血、心臓麻痺などで突然死することです。この過労死は欧米で日本の長時間労働の酷さが欧米でも報道されることが増えたために、 ”work oneself to death” とは訳されずに、そのまま 「Karoshi」 として翻訳されていて、sushi や tenpura のように欧米に輸出されたとても不名誉な日本語でもあります。

基本的には新卒採用の抑制やリストラなどによる人件費抑制の結果、人員不足が問題となり、正社員が過剰に働かざるを得ない状況になったサービス残業の延長に、この過労死が待っていたのです。

参考ページ 無賃労働:時間という財産まで搾取されるサービス残業

年々増加する過労死と認められない労災

厚生労働省の 「労災補償状況」 のデータで、過労での労災の補償を請求した件数と、認定された件数、そして過労死と認定されて労災を実際に支給された件数の推移を表したもの

上の図は厚生労働省の 「報道発表資料」 の中にある労災補償状況のデータで、過労での労災の補償を請求した件数と、認定された件数、そして過労死と認定されて労災を実際に支給された件数の推移を表したものです。

ご覧のように過労での労災の補償を請求した件数は年々どんどん増加しています。今のサラリーマンというのは新卒採用の抑制やリストラなどによる人件費抑制ための人員不足のために労働時間が非常に多くなっています、もちろんその増加にともなって、過労による労災を申請する人が増加しているのですが、実際に過労と認められて労災が支給された件数は、年度を経てもほとんど変わりません。過労と感じている人がどんどん増えているのに、過労が認められていないケースが多いのです。

年々増加する精神障害も認められない

厚生労働省の 「労災補償状況」 のデータで、過労での精神障害(ストレス症状やうつ病)労災の補償を請求した件数と、認定された件数、そして過労死と認定されて労災を実際に支給された件数の推移を表したもの

上の図は厚生労働省の 「報道発表資料」 の中にある労災補償状況のデータで、過労での精神障害(ストレス症状やうつ病)労災の補償を請求した件数と、認定された件数、そして過労死と認定されて労災を実際に支給された件数の推移を表したものです。

ご覧のように精神障害(ストレス症状やうつ病)においても労災の補償を請求した件数は年々どんどん増加しています。今のサラリーマンというのは労働時間が非常に多くなっているほかにも、コミュニケーションの問題や厳しくなるビジネスによってストレスが非常にたまりやすくなっているのです。もちろんその増加にともなって、過労による精神障害(ストレス症状やうつ病)労災を申請する人が増加しているのです。しかし、実際に過労と認められて労災が支給された件数は、請求された件数に比べて非常に少ない件数にとどまっています。精神障害(ストレス症状やうつ病)がどんどん増えているのに、精神障害(ストレス症状やうつ病)が認められていないケースも多いのです。

追い詰められている労働者だが救済は進まない

過剰労働による脳や心臓の疾患、精神障害(ストレス症状やうつ病)など現代のサラリーマンは非常に厳しい労働環境にあり、どんどんその犠牲になっている人が増えているのです。これも企業の労働者に対するモラルの低下が原因です。今の企業というのは終身雇用や社員教育、年功序列など独特の雰囲気ながらも労働者のことをしっかりと考えていた昭和の時代など影も見せず、労働者のことなど全く考えずに人件費抑制のために新卒採用の抑制やリストラをしたように、正社員をもコキ使うようになっているのです。まるで、労働者は会社のために死んで当然といった感じです。

さて、そんな欧米の人も驚愕するような悲惨な日本の労働環境ですが、上記の図でも表されているように過労死や精神障害を認めた件数は一向に増えません。増え続ける労働者の悲鳴に、行政は全く対応しきれていないのが現状なのです。労働者の命よりも企業の利益優先。これが現実です。企業の力が弱くなると国力の低下につながるために、それを避けたい政府はこの惨状をほとんど黙認しています。政府も大企業も労働者のことなど二の次なのです。結局のところ、労働環境の改善は期待できず、己が努力し、己が賢くなり、己自身でなんとかするしかないのが日本の現状です。

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