若年層ワーキングプアは教育崩壊と就職氷河期により奴隷として搾取される

若年層と中高年に多いワーキングプア

若年層と中高年に多いワーキングプア

上の図は厚生労働省の平成19年度の 「賃金構造基本統計調査」 による年収200万未満の労働者を年代別に表したものです。日本ではる年収200万未満の労働者をワーキングプアとみなしていますので、これはワーキングプアを年代別に表したものでもあります。ご覧のようにワーキングプアは全ての年代で30%以上を超えており、年収200万未満の労働者が1,000万人以上いることも納得できます。そして特にワーキングプアが多い年代が、20~24歳の若年層と50歳以上の中高年です。

若年層ワーキングプアの実態

 引用:NHKスペシャル「ワーキングプア ~働いても働いても豊かになれない~」 

NHKスペシャル:
34歳の男性・小山良人さん(仮名)はホームレスで短期の仕事をくり返している。小山さんは正社員になることを希望してはいるが、履歴書には「業務請負」という経歴しかない。「業務請負」は何のキャリアにもならずスキルの蓄積にもならないために正社員の仕事は皆無だ。 「業務請負」で職場を転々とした小山さんは貯金がなくなり家賃を払えなくなり、住所を失う。住所がない人を雇う職場は建設現場以外なかなかなく、また建設現場へ行く交通費が捻出できないために、面接すら行けないことが多い。このような人に企業は交通費すら出してくれない。一番厳しいのは年齢制限だ。小山さんのような34歳職歴なしの人間に仕事はほとんどない。窮した小山さんは、「群馬県邑楽郡~」と、最後にいた住所を履歴書に書く。いったん面接をパスし内定を得るものの、住所不定であることが分かると即刻内定取り消しとなった。小山さんは公園でうなだれて疲れ果てる。後に彼はビルの地下で洗車するという仕事をようやく見つけるが、1日20台の車を洗っても手取りで10万。ほぼ最低賃金ラインで、生活保護水準以下で、いまだに住所をもてずにいる。

若年層ワーキングプアの原因:就職氷河期

若年層ワーキングプアに多い20代後半から30代の人に多い原因のひとつが就職氷河期です。ご存知のとおり、現在20代後半から30代の人が就職活動をした世紀末の時期においては、「失われた10年」 の中でもアジア通貨危機などによる金融不安の影響で新卒採用が大きく絞られた時期でした。この時期においての就職活動は難航し、ある学生は100社受けてもひとつも受からなかった実態があります。そうして新卒採用に入ることのできなかった人たちは仕方なく非正規の労働をして食いつなぐしかなくなります。

もうひとつの問題が雇用情勢です。日本はいまだに雇用に対する流動性がほとんどない新卒社会です。そのため新卒でもれてしまった人たちには中途採用の枠しかありません。しかし中途採用における条件は非常に厳しいものであり、主に即戦力となるスキルの高い人材を必要とした雇用です。そのため社会に出ても非正規労働や 「業務請負」などのスキルがつかない仕事しかできなかった人たちにとってはほとんど可能性が無いのです。そのために一旦新卒採用にもれてしまったこの年代の人は正社員への道がほとんど無く、非正規労働や業務請負に頼らざるを得ない状況に追い込まれているのです。

若年層ワーキングプアの原因:教育崩壊

雇用情勢の問題にもうひとつ影響しているのが20代後半から30代の人が受けた教育の問題です。これらの世代が受けた教育は、あの ”ゆとり教育” における初期の段階、つまり実験段階のゆとり教育を受けた世代です。

ご存知のとおり、ゆとり教育は学力を低下され、全く考える力がつかないバカを量産してしまった制度です。そんな教育を受けたこの世代の人々は非常に思考が浅く、考える力が欠如しています。そのため労働に関する知識もスキルも教育で得られず、企業に必要とされる能力が皆無のまま社会へ出てきてしまいました。そんな彼らと即戦力がほしい企業との雇用のミスマッチが生じてしまうために、企業は間違っても彼らを雇用しません。そして無知な彼らをずる賢い経営者が 「偽装請負」 などによってさらに搾取し、彼らはスキルも知識も得られぬまま、日々使い捨ての労働力としてコキ使われています。

知識もスキルも得られない教育を受けた20代30代と企業との雇用のミスマッチが起こっている

若年層ワーキングプアの話を聞くと、お偉い専門家の人には 『本人の努力が足らないためで自業自得だ』 と言う人がいます。しかし彼らは好きで知識もスキルも皆無になったわけではありません。彼らに知識やスキルを与える教育をせず、社会に出ても、そういった場が皆無だからです。彼らの多くは知識やスキルを得ようと必死です。しかしお金の余裕が無いために学校へも行けず、図書館などで勉強しようにも住所不定で本を借りれず、それどころか食うための労働で時間の大半を使い果たしてしまっているのです。