貧乏人を搾取して金持ちになる大企業と搾取されて貧乏になる家計

戦後最長の景気拡大

バブル崩壊によって日本は失われた10年とも言われる平成不況に突入しました。新卒は削られ、リストラが増えて格差が拡大します。しかし2002年から2007年ごろまではいざなぎ景気を超える ”戦後最長の景気拡大” が訪れました。しかしこの景気拡大は今までのものとは違い庶民にはまったく恩恵を感じられないものでした。なぜかというと、景気判断というのは庶民ではなく、一部の大企業のみを基準として判断されるからです。つまりこの時期に企業が金持ちになったから景気拡大と言われていたのです。

一部の大企業は、平成不況によって大量発生したネットカフェ難民やワーキングプアの人たちを搾取することでかなりの経費削減をすることが可能となり、どんどん富を蓄積することができました。しかしその一方で新卒削減や、リストラによって社会的地位を失い下流へ落ちた人々は、どんどん所得が落ちていきました。しかもその人々を雇用すべき大企業が ”非正規雇用” といった方法で彼らを徹底的に搾取し始めたからです。そう、景気拡大と言い方はよいですが、その多くは貧乏人の富を大企業が搾取したことによって成り立っていた金持ちだけの景気拡大だったのです。

どんどん金持ちになる大企業

戦後最長の景気拡大に偽り無く ”大企業だけ” は収益がどんどん増加していく

上の図は財務省の 「財務総合政策研究所」 が算出した法人企業統計による資本金10億円以上の大企業の経常収益がこの10年でどのように変化したかを表した図です。ご覧のように庶民が感じている苦しさなどどこ吹く風か、経常利益はうなぎのぼりになっています。これが政府のいう ”戦後最長の景気拡大” のことです。グラフも21世紀に入ったころから急激に急増していることがわかり、平成10年に10兆円程度だった収益は、平成18年には30兆円を超えるほどまで増加しました。政府が ”戦後最長の景気拡大” というように大企業だけは大儲けしていたのです。

この大儲けの構図は、新興国(特に中国)の経済成長と円安に助けられて輸出業が好調であったことと、政府による法人税の減額効果などがあります。しかし正社員を切捨て、ネットカフェ難民やワーキングプアの人たちを低賃金でコキ使う経費削減があったことも確かな要因の一つです。しかしそういった政府や大企業にとって ”都合の悪いこと” ですので、国会やマスコミで放送されることはほとんどありませんでした。

資本金10億以上の大企業経常収益データ
平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 平成15 平成16 平成17 平成18 平成19
12.4兆円 15.3兆円 19.3兆円 15.3兆円 18.3兆円 20.9兆円 25.7兆円 29.4兆円 32.8兆円 32.2兆円

どんどん貧しくなる家計

家計に入るお金はこの10年で20兆円近く減った

上の図は内閣府による 「国民経済計算」 で算出された一般家庭の家計所得がこの10年でどのように変動したかを表したものです。ご覧のように一般家庭に入るお金はどんどん減少していきます。平成10年には275兆円もあった家計所得も、平成16年になると256兆円にも減り、その差額は20兆円にもなります。 ”戦後最長の景気拡大” でうかれていた大企業とは正反対に、家計の所得はどんどん低下していきます。これは、大企業が自己の儲けのために正社員を切捨て、ネットカフェ難民やワーキングプアの人たちを低賃金でコキ使う経費削減が大きな要因の一つです

一般家庭に入る家計所得データ
平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 平成15 平成16 平成17 平成18
275兆円 269兆円 271兆円 269兆円 262兆円 258兆円 256兆円 258兆円 262兆円

大企業と家計の関係を見てみよう

大企業の経常収益と家計所得の関係

上記のように大企業がどんどん大儲けしている間、家計に入る所得はどんどん減少していきました。上の図は上記の大企業の経常所得の推移と、家計所得の推移を表したものです。上記の2つの図を見てわかるように、大企業はどんどん儲かり、家計はどんどん貧しくなるさまがよくわかります。その差は年を経ることにどんどん広がっていくのです。

ここで、大企業の儲けの理由と家計所得減少の理由を考えて見ましょう。大企業の大儲けは、新興国発展による輸出産業の躍進が大きな要因でもありますが、正社員を切捨てその切捨てられた人たちを低賃金でコキ使う経費削減という理由もあります。そして家計では正社員の切捨と、こちらの足元を見られて低賃金でコキ使われた理由があります。このことから、簡単な推論が立ちます。 ”大企業が家計のお金を搾取して大儲けしている” という推論です。上の図が確たる証拠とはいえませんが、大企業と家計の差がどんどん広がっている現状を見る限り、大企業による貧乏人搾取が行われている可能性は非常に高いと言えるでしょう。

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