ロボアドバイザーには手数料や為替リスク、ポートフォリオ偏重のデメリットが

ロボアドバイザーのデメリット:元本割れリスク

次にロボアドバイザーのデメリットについてご説明します。

まずは大前提としてロボアドバイザーは「投資」です。そのため相場や投資対象によっては、元本割れの可能性があります。というか購入直後などは手数料があるのでマイナスからのスタートはどこでも同じです。

ただロボアドバイザーは長期運用するものですから、長期的な目線ではだいたいがプラスになっています。しかしこれは長期的に見ればの話であり、短期的にはマイナスになって元本割れする時期だってあるわけです。そういった値動きに一喜一憂しない余裕資金で長期的に運用することが前提になっています。

「リスクを取るのが嫌」「元本割れは嫌」「短期的な投資を考えている」などの人はそもそもロボアドバイザーには向きませんので、利用しないほうが賢明です。

下記のように、リーマンショックみたいなのを経験していても、長期的に続けていればプラスになっているのは事実です。

ロボアドバイザーのデメリット:手数料がかかる

ロボアドバイザーのスペック的なデメリットとしては 「手数料」 「為替リスク」 が挙げられます。

ロボアドバイザーにはただ分析だけをするものと 「投資一任運用型」 といって分析から売買、その後の管理まで全てやってくれるサービスがありますが、後者の 「投資一任運用型」 は利用する際に手数料がかかります。当然ですが、この手数料がロボアドバイザー業者の収益となるわけです。

投資一任運用型ロボアドの手数料
楽天証券 楽ラップ 0.65%
マネックス証券 マネラップ(MSV LIFE) 0.80%
エイト証券 クロエ 0.88%
ウェルスナビ WealthNavi 1.00%
お金のデザイン THEO 1.00%
大和証券 ダイワファンドラップ オンライン 1.08%

 

手数料は資産の1%


上記は投資一任運用型運用対応のロボアドバイザーの手数料です。どこも預入資産に対して年1%近い手数料が取られます。1%というのは結構大きく、ちょっとしたインデックス投資信託のリターンよりも高い数値です。例えば日本国債で運用しているような投資信託では、年に1%以上のリターンを挙げられることはほぼありえません。

運用に負けてもかかる


この手数料はロボアドの成績が良くても悪くてもかかります。ロボアドバイザーの成績が悪くて、運用がマイナスになっても1%の手数料がかかってしまうので、運用に失敗したときはダブルパンチというわけです。そのため各ロボアドバイザー業者は顧客に信用してもらうため、損をしにくいリスク回避に偏ったポートフォリオが多くなっています。

1%に全てのランニングコストが含まれている


株式や投資信託を購入する場合は売買手数料、投資信託の運用には信託報酬というランニングコストがかかります。ただ、ロボアドバイザーの1%の手数料というのは、この売買手数料や、信託報酬などの各種コストをすべて含んだものです。この1%以外に顧客が負担するコストはないため、自分で売買を行い、リバランスを行う手間を考えると高くはないともいえます。

ただ年利1%ものランニングコストが運用からマイナスになるため、自力でETF等を買うのに比べて長期に投資すればするほど手数料で不利になります。もしポートフォリオが自分で売買したりリバランスができるようなものであるなら、自分で運用したほうが成績はよくなります。

ロボアドバイザーのデメリット:為替リスク

次のデメリットとしては 「為替リスク」 があります。

多くのロボアドバイザー業者はアセットクラス的に分散投資しています。詳しく言うと、日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アジアなどの株式、債券、商品や金属など色んな商品へ分散投資しているのです。

当然日本以外の商品は円ではなく外貨になります。ほぼすべてがドル建てとなっているため、円に対する為替リスクがあるのです。例えば1ドル120円のときの運用を開始して、円計算では1年後10%の運用益が出たとします。しかしその時1ドル100円に円高になってしまっていれば、円計算では16%もの資産減になるわけです。運用には成功したのに為替のせいでマイナスになったというパターンがありえるわけです。

とはいえ、ドルベースでは年間平均3%~5%ぐらいの資産上昇が期待できますから、よほどのリーマン・ショック並みの円高が来ない限りトータルでマイナスになる可能性は低いです(短期的にマイナスにならないとは言ってない)。仮にそれほどの円高が起これば絶好の仕込み時でもあるので、どちらにしろ長期運用において為替リスクはそれほど心配は必要ありません。

ロボアドバイザーのデメリット:リスク回避型に偏重

現時点のロボアドサービスは、おまかせ志向であり、リスク回避志向に偏っています。前述のように負けて手数料がかかる仕様になっているので、多くのロボアドバイザー業者は顧客にできるだけわかりやすく、楽に投資してもらうと 「おまかせ機能」を充実させて、できるだけ損をさせないように 「リスク回避志向」 のポートフォリオを組みやすくしています。

しかしこれでは、投資初心者やリスクを取らない人のニーズばかりが重視されすぎていて、対極にある 「こだわり志向」 の個人投資家、「リスクテイク志向」の個人投資家のニーズは満たせていません。特に20~30代の若い世代においては時間という最大の武器があるため、積極的にリスクをとって大きく資産を増やすという選択肢があります。

そこに応えられるサービスが今のロボアドバイザーにはありません。

現時点の日本の業者が提供するロボアドは、いわば「おまかせ型ロボアド」であり、「リスク回避型ロボアド」であるわけです。将来的には、「DIY(Do it yourself)支援型ロボアド」と「リスクテイク型ロボアド」の登場が期待されます。

上図の通り、現在は、サービスの真空地帯が広大なままのです。

DIY(Do it yourself)支援型ロボアド


DIY支援型ロボアドは、ウェブ上のアプリケーションが実現しうる、フィンテック革命と極めて相性の良い商品です。現時点では、『マネックスアドバイザー』と『投信工房』が、この将来像に比較的近い仕様となっています。

とくに、前者は、同じマネックス証券の『マネラップ』の別ブランドです。おまかせ型とDIY支援型で、別ブランドにするという、先駆的な存在です。おまかせニーズとDIY支援ニーズとでは、顧客層もコスト構造も違うわけですから、将来的には他社も同様の別ブランド体制になると予想されます。

リスクテイク型ロボアド


現時点のロボアドバイザーは、 地理的・ アセットクラス的・ 時間的に分散された商品で、リスク分散の進んだ商品です。ところが、超一流の投資家は、逆に①地理的②アセットクラス的③時間的に狙いを絞って集中投資を行うものです。

分散投資とはある程度資産が増えてきた方や高齢で守りに入る方がやるべきことであり、まだ資産を築けていない方や若い世代はむしろ集中投資で資産を一気に増やすチャンスを選択すべきとも言われます。

とくに、③の時間的な観点からは、現在、米国株式は有史以来の最高値圏にあり、かのバフェット率いるバークシャー・ハサウェイ社は、現金比率を高めて、暴落時に安値拾いをしようと虎視眈々狙っている状況です。

日本のロボアドの中にも、入会時に「株価暴落時の対処法」を問うものが散見されるものの、具体的な対処法については明らかにされていません。

大多数のロボアドユーザーにとって大ピンチの株価暴落時に、ピンチをチャンスに変える、『ブラックサラマンダー型ロボアド』の登場を期待している個人投資家は、決して少なくないでしょう。「不況期に投資を拡大して、好況期には投資を控える」という、憧れのバフェット様と同じ戦略をとることができるのですから。

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