自動で投資して運用してくれるロボアドバイザー

ロボアドバイザーとは「人を介さずウェブ上で資産運用のアドバイスを行うサービス」

ロボアドバイザーとは、「人を介さず、ウェブ上で資産運用のアドバイスを行うサービス」(お金のデザイン社2016)のことです。この定義は「2017年12月時点での」「日本における」ロボアドバイザーにふさわしい定義で、時間と空間が変われば、定義の要件も変わってきます。

たとえば、「5年後の」「日本」においては、「人工知能の利用」こそが、ロボアドバイザー定義の要件となっているかもしれません。あるいは、「ウェブ上」の要件が、「スマートフォン上」に変わっているかもしません。

では、ロボアドバイザー=「人を介さず、ウェブ上で資産運用のアドバイスを行うサービス」は、世の中の何を変えたのでしょうか?

それは、「資産運用の一連の流れが、
すべてウェブ上で完結する」ようになったことです。

これまで対面型だった資産運用サービスが、非対面型となったことで、人的コストが大幅に削減されました。その結果、証券会社も、資産運用サービスの「最低投資額」と「運用手数料」を大幅に引き下げることが可能になったのです。

『ラップ口座』に価格破壊をもたらしたロボアド

ロボアドバイザーの影響で一番変化が大きかったのが、『ラップ口座』です。

ラップ口座とは、証券会社が個人投資家に提供する、包括的な資産運用サービスのことです。ラップ口座は、投資知識が十分でない人でも、証券会社に資産運用を「丸投げ」「おまかせ」できるメリットがありました。しかし、高額な最低投資額と高額な手数料のため、一部の富裕層を除いて、利用が難しい商品でした。 安いところでも預入できる資産が3,000万円以上ないと相手にされず、中には最低10億円の資産がないとスタートできないところもあったくらいです。

少額の資金しか預けてくれてない顧客に、証券会社がカウンセリングとフォローの時間を割くわけにはいきません。そして、資産の運用が包括的で「おまかせ」状態であったため、顧客の知識不足につけ込む形で、手数料が不当なまでにつり上げられていたのです。

下記は証券業界の巨人である野村證券が提供しているラップ口座の手数料です。最近ではロボアドバイザーの登場で手数料が引き下げられていますが、実際のラップ口座は右のものに相当します。前述のように5,000万円以上ないと契約できません。まさに ”既にお金持ちである” 富裕層向けのサービスであり、これを利用してお金持ちになるのは無理です。

『ラップ口座』に相当するサービスを格安で受けられる

ところが、いわゆるフィンテック革命で、①人的コストが大幅に削減され、②手数料がウェブ上で見える化されたことで、ラップ口座のサービスは、ロボアドバイザーとして生まれ変わりました。

ロボアドバイザーは、「おまかせ運用」の門戸を、非富裕層に対して開きました。

ロボアドバイザーの登場で
今まで富裕層しか受けられなかったサービスを
非富裕層も受けられるようになったのです!

一方、これまでラップ口座を利用していた富裕層の利用を排除するものではありません。手数料の大幅なダウンは、運用資産の「再投資」と「複利」を前提とすれば、投資成果に決定的な好影響を与えるからです。ロボアドバイザーは、富裕層にとっても大いに歓迎すべきものなのです。ロボアド業者にとっても、富裕層による利用が好ましいことは、言うまでもありません。

2017年12月時点では、日本のロボアド業者が提供するサービスは、実質的には「国内外のETFに対する分散投資」です。ETFとは、上場投資信託のことで、もともとリスク回避的な商品です。

国内外のETFに対する「積立投資」は、投資リスクを

① 地理的に分散
② アセットクラス的に分散
③ 時間的に分散

の三重に分散させることを可能にし、同一のリターンを、数学的・統計学的に最小化されたリスクと引き換えで獲得することが期待できます。実は現時点でのロボアドバイザーが提供するサービスは、「日本の年金制度」に近い商品なのです。

下記は年金を運用している独立行政法人の年金積立金管理運用独立行政法人が公開しているポートフォリオです。これと同じような投資をやってくれるのがロボアドバイザーというわけです。

日本の年金制度の存続の危機が、ロボアドバイザーへのニーズを駆り立てていることは、日本のロボアド業界の先駆者・お金のデザイン社も、強調するところです。「長生きしてしまう」ことへの恐怖、そしてそれに対する資金的な「安心」こそが、現時点でのロボアドへの本源的なニーズなのです。

ロボアドバイザーは、積極的な運用よりもむしろ年金の運用方針に近いリスク回避的な性格が強い金融商品です。