従業員より株主を優先させる大企業

大企業が儲けたお金はどこへ?

今、庶民の間では景気が悪く財布の紐は硬いままですね。しかしTVや新聞ではつい最近まで 『いざなぎ景気を超えた』 『戦後最長の景気好調』 という見出しがありました。どこがそんなに景気がいいんだ!?と怒られるかもしれませんが、あるんです!景気のいいところが。それは日本の経済界を牽引している誰もが知っている大企業です。

庶民や中小企業は全然景気はよくならず、それどころか悪くなる一方ですね。この頃に格差社会を拡大して”格差”と言う言葉も浸透していきました。格差の上流である金持ち大企業はますます金持ちになり、貧乏な庶民や中小企業はますます貧乏になるという2極化が叫ばれました。しかし庶民の中にはかなりの数の人が大企業に勤めていますね、大企業だからこそ従業員もかなりの数になります。 『大企業が景気いいのならその従業員の人も景気がいいはず・・・なのにこんなに景気が悪いと感じる人が多いのはなんで?』 と疑問に思うでしょう。そう、大企業が儲けたお金はその大企業に勤める従業員には還元されていないのです。では大企業が儲けたお金は一体どこへ行ったのか?

儲けたお金は株主へ

答えは 「株主」 です。

少し前に「モノ言う株主」として有名になった村上ファンドの村上さんのような会社の株をもっている株主たちです。大企業が儲けたお金は企業の将来のための設備や、景気氷河期のための貯蓄などにも投資されますが、多くの企業は株主へ配当として配分を多くしました。そこで儲けた資金のほとんどを株主へ配分したので従業員にはまわす余分なお金は残らないのです。

日本は従業員重視から株主重視へ

日本の企業は高度経済成長期を経営陣、従業員ともに頑張ってきた連帯感があります。会社は儲けたお金を従業員に多く配分し、従業員は給料が増えるため士気もあがり、また会社が強く大きくなり儲かる、そしてまた給料が増える・・・といった正のスパイラルが続いていました。しかし日本の成長期はバブル崩壊を期に終焉し、円熟期となりました。今後日本全体が豊かになることが望めなくなった企業はできるだけ出資してくれる株主を手放さないためにも株主への扱いを優遇しなければならなくなってしまったのです。

会社は誰のものか?

しかし日本の企業では連帯感のおかげで  『会社は働く従業員のものだ!』 という考えが浸透しています。そして 『いや、お金を出す株主のものだ!』 という意見と対立しています。しかしこの論争は日本特有のもので、欧米では 『株主のものである』 という意見で一致しています。

ここで問題です。日本の株をたくさん買っているのは誰ですか?

日本人・・・と答えたくなるでしょうがそれは違います。実は日本の株の6割以上が外国人によって保有されているのです。つまり株主には外国人が多く存在し、彼らには「会社は株主のもの」という考えが浸透しています。それでは会社は彼らの意見を尊重しなければならなくなります。彼らにヘソを曲げられて資金を引き上げられてしまうと会社が困ってしまうのですから。日本の企業の 『会社は働く従業員のものだ!』 という考えは立派ですが、欧米型の『会社は株主のもの』に押しつぶされてしまうのが現実です。

働くより株を買ったほうが儲かる・・・

結果的に言えば、従業員となって働くよりも株に出資したほうが儲かることが多くなったのは事実です。もちろん従業員本位の会社もまだまだ残り、役員レベルではかなりの報酬がもらえます。ですが、大多数の従業員には給料に反映されず株主の配当が多くなったのは事実です。給料を上げることのできない会社に「給料をあげろ!」というよりも株に出資して高い配当をもらったほうがお得なのではないでしょうか?一部の企業ではストックオプションといって給料の一部を株にして払っているところもあります。

2007年度では任天堂DSやWillの好業績のおかげで配当が多くなり、大株主の元任天堂社長の山内溥さんは配当だけで100億円の収入になったそうです。ちなみに彼の資産は株のおかげで8000億円まで膨れ上がりました。

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