中小企業の就職は超売り手市場なのだが、すさまじく倒産も多い

就職氷河はようやく溶けてきた・・・?

就職氷河期には求人数と求職者数の逆転が起こった

上の図は平成に入ってからの有効求人数と有効求職者の推移をグラフにして比較したものです。ご覧のように1990年後半から2000年前半は就職氷河期と言われていて、見事なほどに求職者数のほうが圧倒的に多い環境になっています。つまりこの時期はとてつもなく就職しにくかった時期というのが、明確にデータからもわかります。この就職氷河期に就職時期を迎えた現在の30代の人には非常に不遇の時期でした。

しかし、この就職氷河期の時期も00年代の後半にもなると、ようやく回復に転じます。2002年の超就職氷河期の年度を境にだんだんと有効求人数と有効求職者の差が小さくなっていき、2006年にはついに逆転します。つまり求人数のほうが、求職者数よりも多い ”売り手市場” になったのです。実際に中小企業の就職情勢は大きく改善しています。

中小企業への就職はとってもカンタン?

実は中小企業の求人数は求職者数をずっと上回っている

上の図は、リクルートワークス研究所による従業員1,000人未満の中小企業の求人数と、その中小企業へ就職を希望する求職者の比較を表したものです。なんと、中小企業の求人数は、求職者数を大きく上回っているのです。中小企業に対する就職活動においては、就職が非常に難しい大企業とは逆に売り手市場になっているのです。特に就職情勢が改善した2006年以降には、求人数がグンと伸びている ”超売り手市場” になっているのです!

こんな ”超売り手市場” 状態なら、大企業のような高望みをせずに中小企業へ就職活動をすれば、簡単に内定がもらえて就職できたのではないかと思ってしまうでしょう。しかし、大企業と違って中小企業というのは ”倒産しやすい” という頭が痛い問題点を抱えているために、そうカンタンに事は運ばないのです。

中小企業はどんどん倒産している

中小企業は就職氷河期にどんどん倒産していた

上の図は 「東京商工リサーチ」 による全国企業倒産件数の推移を表したものです。平成不況といわれた1990年中旬に入ると中小企業の倒産件数が飛躍的に上昇していることがわかります。2000年ごろの就職氷河期においては、倒産件数は2万件に肉薄するほどのものでした。21世紀になり、一時的に倒産件数は減っていますが、それでも尚1万件以上の中小企業が倒産しているのです。

これほどの中小企業が就職氷河期には倒産していました。そのため、 ”超売り手市場” の中小企業に採用されたとしても、業績悪化や倒産などの要因で就職できない可能性が非常に高いのです。世界的な金融危機が起こった2008年には、業績が悪化したということで一方的に内定を取り消した中小企業がたくさん出ました。運良く中小企業に採用されて入社しても、次の年には会社がなくなっていたことなどよくある事なのです。特に世界的な金融危機が起こった2008年以降の数年は、世界的な景気後退期に入るために日本の平成不況や失われた10年の再来が起こるとも言われています。これから中小企業を取り巻く環境はすさまじく悪化するために、入社するべき企業がなくなってしまうことがたくさんあるでしょう

大企業なら安泰だと考えるのは愚か者のすること

ただし、中小企業が100%ダメであって大企業しかありえないという極論を考えないようにしてください。確かに中小企業のほうが大企業よりも倒産しているのは確かなことですが、いつの時代であっても、ちょっとのミスをするだけで世界的な大企業ですらあっという間に消えてしまうのは世の常なのです。

日本に深刻なダメージを与えた昭和恐慌の時代には三大財閥(三菱、三井、住友)を圧倒的に超越していた鈴木商店はあっけなく消えました。同時に世界恐慌では、人類史上有数のお金持ちロスチャイルドのクレジットアンシュタルトが消えました。アジア通貨危機からの金融危機が起こった1990年代には 「破綻などありえない」 と思われていた金融機関の山一證券や北海道拓殖銀行が消えました。そして一番最近の世界的な金融危機が起こった2008年には160年もの歴史をもつリーマンブラザーズが消えました。そしてビッグ3やAIG、シティなどが崖っぷちに追い込まれたのです。

こうして歴史を振り返ってみると、そこには 「大企業なら安泰だ」 と己の状況にタカをくくった愚か者たちが、激変する世界情勢に対応できずに崖っぷちに追い込まれて破綻する構図がたくさん見られています。大切なのは他の何かに頼ることではなく、己自身で時代を生き残っていける知恵と力をつけることなのです。だから 「大企業しかありえない」  「大企業なら安泰だ」 といった愚かな考えは止めたほうが賢明です。そのような考えをしていると、後々になって身を滅ぼすことになるのですから。今、中年リーマンというとても参考になるケースがあるのですから・・・

 

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