CHF (スイスフラン) とは世界で一番信用されるためにリスク回避で買われる

スイス連邦のデータ

正式名称 スイス連邦(Swiss Confederation)
人口 746万人
面積 4.1万km2 (日本の九州ぐらい)
首都 ベルン
宗教 カトリック、プロテスタント半々
主要産業 機械・機器、金融、観光
名目GDP 3,669億2,900万(2005年)
一人当たりのGDP 50,611(世界第6位)
実質GDP成長率 1.86%(2005年)
インフレ率 1.2%(2005年)
失業率 3.3%(2006年)

CHF (スイスフラン) の特徴

CHFとはスイス・リヒテンシュタインで使われる通貨

CHF(スイスフラン)はスイス連邦とリヒテンシュタイン公国で使われている通貨です。しかしスイスの英語名はSwitzerlandとなるはずなのになぜCHFになるかというと、Confoederatio Helvetica Franc の頭文字をとっているからです。CHF(スイスフラン)はGBP(イギリスポンド)に次ぐ世界第5位の取引規模を誇り、国際決済通貨としても使われています。もちろん、AUDやNZDといった高金利のオセアニア通貨よりも流動性が高い通貨なのです。小さな国の通貨だからといって、あなどるべからずですよ。

スイス連邦の国旗スイス連邦の位置

スイスは武力で永世中立を守っている

ご存知のようにスイス連邦というのは永世中立国であり、どこの連合にも所属しない中立を宣言しています。ただし、2002年には半世紀にわたる国民投票の結果、国連に加入することにはなりました。しかしただ中立を宣言しても、それだけで中立を勝ち取れるほど世界はやさしくありません。そう、スイスはその永世中立を世界に認めさせるために、世界屈指の重武装軍隊を持っています。そのため武力の面でも国際的な信用がかなり高く、そのスイスが発行するCHFは 「金より固い」 信用を勝ち取っています。

世界の避難通貨として買われる

世界屈指の重武装軍隊で永世中立を世界に認めさせた強力国家:スイス連邦。その政府が発行しているスイスフランは、避難通貨として有名です。スイス連邦が自国の永世中立を世界に認めさせるために保持している軍事力には国際的な信用が高く、「金より固い」 信用を勝ち取っています。そのためスイス連邦がテロなどの有事の状況にまきこまれることはほとんどありません。最近では 「有事のドル買い」 は起こらず 「有事のフラン買い」 が起こるほどです。また金持ち御用達のPB(プライベートバンク)などやシェルターなども完成され、物理的にも世界の避難先になっています。スイス銀行・・・といえば、これ以上の説明は必要ありませんね。

日本に次ぐ低金利通貨

スイスフランは超低金利である日本の円:JPYに次ぐ低金利通貨と知られています。その金利水準はさすがに日本よりは高いですが、おおむね2%以下、最近ではゼロ金利政策も視野に入れた金利情勢になっています。世界でも日本に次ぐ低金利通貨で、グローバルキャリートレードの動きが活発なときには、売られやすいといった特徴があります。円キャリートレードと同じく、スイスフランキャリートレードがよく行われます。

CHF (スイスフラン) のリスク要因

キャリー通貨としてのリスク

スイスフランは低金利通貨のため、超低金利の円キャリートレードと同じく、スイスフランキャリートレードがよく行われます。そのため円の動きと同じように、リスク意識が後退した相場ではキャリートレードによってどんどん売られていきます。しかし、ひとたびリスク回避の動きが高まると、JPY(日本円)のように一気にキャリートレードが解消されて、スイスフラン高になってしまいます。そのためスイス中央銀行:SNBは、日本銀行と同じようにCHF(スイスフラン)の売り介入をすることもあるのです。

死者が出るほどの介入

スイスの通貨高対策は覚悟が違います。市場に大きな介入をし、外国人のフラン資産に課税する実質マイナス金利を実施したり、ユーロとのペッグ制をちらつかせて牽制するなどあらゆる手を打ちました。その成果が如実に現れたのが2012年9月6日のスイス中銀の介入です。その数週間前にセリングクライマックスで大きく上げたスイス相場が介入によって一時的に戻していましたが、相変わらず根強いスイス買いによってスイス高になっていた時です。スイス高官は会見で 「EURCHFが1.2を下回ることは許さない」 と再びの介入宣言を行いました。しかも 「その後は無制限の介入を行う」 という異例とも無謀とも思える会見内容でした。その会見と同時進行でスイス中銀の相当な市場介入がありました。なんと、USDCHFで700pips、EURCHFとGBPCHFで1200pips、もの超バク上げをさせたのです。CHFJPYは98円から90円割れと8円(800pips)もの急落が起こりました。今まで投機筋になめられっぱなしだったスイス中銀の覚悟が垣間見えた市場介入が行われたのです。下図を見ればチャートがぶっ壊れてんじゃないか?と思えるほどの超長いローソク足です。でもこれは実際に起きた相場なのです。

参考リンク:http://www.snb.ch/en/mmr/reference/pre_20110906/source/pre_20110906.en.pdf

スイス介入でユーロスイスが+1200pips

スイス経済はEU経済の影響を受ける

スイス連邦は永世中立国ですが、なんだかんだいってもそれは軍事面のことであり、経済面では地理的に近いEU圏の状況に影響されます。特に一番近い経済大国であるドイツ連邦の影響を大きく受けます。2007年ごろまでのEU圏の好景気によってスイスの経済も好調を続けていました。しかし2008年の金融危機でEU経済が落ち込むと、スイスの経済も大きく影響を受けました。上述のリスク回避によるCHF(スイスフラン)買いが続いて、円高と同じく急激なスイスフラン高が進んだために中央銀行が動かざるを得ない状況になってしまったこともあるのです。特にEUの通貨であるユーロとのペア、EURCHFは幾度となくヘッジファンドの売りに晒されて、そのたびにスイス中銀は介入をして相場を安定させようとしました。しかし何度となく買い支えに失敗し、2010年のEUR暴落に拍車をかけてしまったこともあるのです。

CHF (スイスフラン) の政策金利

スイス連邦の金利動向

スイス連邦の中央銀行であるSNBはインフレ予測に基づいて金利の決定を行っており、SNBの金融政策は透明性の高いものと受け止められています。スイス経済は、インフレが抑えられていることからも金利が日本に次いで低い状態が続き、一時は日本以外でも数少ない金利0.25%という状況もありました。しかし日本と違って頻繁に金利を下げたり上げたりしているのですが、総じて低金利の状態が続いています。今後も大きく金利を上げることは考えにくく、低金利通貨として扱われていくことでしょう。

CHF (スイスフラン) の祝祭日

1月1日 ニュー・イヤーズ・デー
4月6日 聖金曜日(移動祝祭日)
4月8日 イースター(移動祝祭日)
4月9日 聖月曜日(移動祝祭日)
5月25日 キリスト昇天祭(移動祝祭日)
6月4日 聖霊降臨節(移動祝祭日)
6月5日 聖霊降臨節の月曜日(移動祝祭日)
8月1日 建国記念日
12月25~26日 クリスマス

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