安全なFX会社の証明とも言われる信託保全とはどんなしくみなのか?

信託保全とは何か

FX業者の多くは、「当社は信託保全されていますから安全です。」、「信託保全でバッチリです。」 といった信託保全によるメリットをどんどんPRするようになりました。FX業者のホームページを見たことがある人は、信託保全していれば安全なんだなというイメージがあることでしょう。

しかし一言に信託保全といわれても難しい言葉であり、わからなかった人も多いでしょう。では信託保全とはどのようなことなのでしょうか。

詳しい説明をするととてもわかりにくい

ウィキペディアによると 「信託保全とはFX業者が自社の資産と顧客の資産を分けて管理する為に、信託銀行と信託契約を締結し、顧客からの預かり資産を信託口座にて管理することをいう」 と記載されています。

しかしなんだかやたら難しい言葉ばかりですね。そもそもどうして安全なのかがわかりにくいです。そこでまず信託保全のしくみを勉強してみましょう。めんどくさい・・・とか言わないでくださいね。信託保全はあなたのお金を守ってくれる重要なしくみなのですから。

信託保全が安全であるしくみ

まずFX業者が扱うお金には大きく2種類のお金があることを認識してください。その2種類とは 「FX業者のお金」 と 「顧客の預かり資産」 の2つです。ここで大切なのはそれぞれのお金を誰が管理するかということです。業者のお金はFX業者が利用する分には構いませんが、顧客の預かり資産を勝手に使われては困ります。これは他人のお金を勝手に使うことですから、横領という犯罪です。

しかし犯罪なのに自分の金のように横領したアルファFXやくにやすFXがありました。そこで、ここの横領を防止するために顧客の預かり資産をFX業者が勝手に扱えないしくみが必要となったのです。それが信託保全です。

信託口座に入った資金は横領不可能

信託保全は、預かり資産をFX業者ではなく信託銀行という特殊な銀行の信託口座をいうところへ入金するのです。そしてFX業者とは全く無関係な第3者の 「受益者代理人」 という人物が常に横領できないように目を光らせています

これによってFX業者の横領はできなくなるのです。さらに信託口座というのは特別で、名義がFX業者にも銀行にもないのです。つまり信託口座にあるお金というのは、完全に独立したお金として存在します。

なんかわかりにくいなぁ・・・と思うでしょうが、ここが一番大切なポイントですよ。

もしもFX業者が破綻したら、FX業者の資産は債権として全て差し押さえられてしまいます。もし信託保全されていなければ顧客の預かり資産も債権として差し押さえされてしまうのです。ですが信託口座のお金はFX業者のものではありませんね。ということは、例えFX業者が破綻したとしても、FX業者の資産でない信託口座のお金が差し押さえられることはないのです。このためFX業者が破綻したとしても、顧客の預かり資産が安全に返されるのです。

信託保全のしくみ

FX業者が破綻した場合のお金の流れ

信託保全はFX会社の義務である

最近FX業者の不祥事が後を断ちません。FXは1998年にできた比較的歴史の浅い金融商品のために、資産の管理方法とかが明確に定められていません。そこに付け込み、悪質な業者は顧客から預かった資金を自社の運転資金に回したり、ひどいところでは完全に個人のお金として横領しているところもある始末です。しかしこれではいけないと、ようやく重い腰を上げた金融庁は2005年にFXを金融取引法の管理下におき、分別管理を義務化させました。それでもなお、FX札幌やアルファFXなどの業者が犯罪を犯すので、ついに2009年4月にFX業者に信託保全を義務化させました。そう、これからはFX業者が信託保全をするのは義務になったのです。

安心してFXできる時代になった

最近では、信託保全をするのはFX業者の間で暗黙の了解になりつつあったので、ほとんどのFX業者は信託保全を導入しています。したがって義務になったからといって急に何かが変わるわけではありません。ですが、コストのかかる信託保全が義務になったので、資金力のないFX業者が今後は駆逐されていくことになります。分別管理を続けていく業者は、信頼が落ち、顧客も離れていき、いずれはFX業界から撤退していくでしょう。このように悪質業者だけでなく信用の低い業者も駆逐されてきたので、今後は安心して取引できる業者しか残らないでしょう。顧客資産の安全管理も徹底されてきており、これからはFXを安心して取引していけそうですね。

信託保全先の金融機関について

信託保全はFX業者が顧客からの預かり金を信託銀行の信託口座で管理することはわかりましたか?しかし、心配性な人はここでも疑問をもつことでしょう。それは 「信託保全している銀行そのものが破綻したらどうなるの?」 ということです。確かにFX業者の破綻も心配なら、信託先の金融機関の破綻も心配ですね。

信託保全先の銀行が破綻しても大丈夫

ではどうなのかというと ・・・ 結論から言えば、まず大丈夫です。実は信託銀行の財産は、受託銀行である信託銀行の固有の資産と明確に分別して管理しなければならないことが信託法28条で義務付けられています。例え受託銀行が倒産した場合でも、その債権者が信託財産を差し押さえることができないことが信託法16条に記されているのです。

つまり、信託銀行が破綻したって、分別管理の時のように顧客の預かり金まで差し押さえされることはないのです。天変地異でもおきなければ、あなたのお金はまず安心です。

各信託保全先の金融機関

◆三井住友銀行:格付AA-◆
いわずと知れた3大メガバンクのひとつ。危機に陥れば、またどこかと統廃合したりするので破綻することはまず考えられませんね。ここに保全している業者は、FXブロードネット外為オンラインマネーパートナーズマネースクエアなどがあります。ほとんどすべてのFX会社がこちらを選ぶようになった今では、銀行の破綻リスクなどまず心配ありません。

◆日証金信託銀行:格付A+◆
平成10年にできた日本証券金融(8511)傘下の信託銀行です。歴史が浅いのですが、主だった不良債権がないので破綻する可能性は低いです。ただし、歴史がない分は中堅の銀行になるのでコストは安く、ここを保全先にしているのは撤退したFX会社が多かったです。今ではこちらを選んでいるFX会社はありません。

◆新銀行東京:格付—-◆
かなり評判の悪い都出資の銀行です。石原都知事の鶴の一声で作られた感が強く、財政基盤や信頼度などの点がかなり劣ります。事実、不正が明るみになっていますね。ただし都出資の銀行のため、何かあれば税金を投入するので破綻する可能性は低いでしょう。税金を負担する都民の人には気の毒ですが。その不評と信用の低さからFX業者も避ける傾向が強く、今ではこちらを選んでいるFX会社はありません。 2018年5月1日に東京都民銀行、八千代銀行と合併し、きらぼし銀行となりました。

以上のように、どこの信託銀行も破綻の可能性は非常に小さなものです。
信託保全されていれば、あんまり心配しなくても大丈夫ですよ。

関連記事