くりっく365とは公設為替取引所

くりっく365とは

くりっく365とは、東京金融先物取引所に上場している 「取引所為替証拠金取引」 のことで世界初の公設為替取引所でもあります。つまり株の代わりに為替を扱う証券取引所みたいなものです。FXが投資の世界においても、スタンダートな金融商品として認められた証拠ですね。

しかしこのくりっく365、設立当初から税制差別を行っていたり、ずさんで傲慢な体質だったりして評判は最悪でした。現在も存在はしていますが、利用している人は余程何も考えてない方か、または情報を仕入れていない方だけでしょう。FX会社をちょっとでも使えば、普通に店頭FX会社のマネースクエアやGMOクリック証券の優位性がわかりますから。

なぜくりっく365ができたのか?

FX会社はいまでこそ数は少なくなりましたが、クリック365ができた当初は200社以上という膨大な数の業者が存在していたのです。では、なぜこれだけたくさん業者がいるにも関わらず公設の為替取引所を作ることになったのでしょうか?それにはFXの歴史を見てみると、その理由がハッキリとわかります。

1998年:FXの誕生

もともと日本の為替取引というのは、1949年12月に制定された旧外為法によって完全に管理され、大蔵大臣の認可を受けた公認銀行しか取引できませんでした。つまり個人が勝手に為替取引をすることは許されていなかったのです。しかし、閉鎖的な為替取引を開放し、新たな金融商品を作るために1998年4月、金融ビッグバンの一環として外為法が改正され、外国為替取引は原則として自由に行うことが可能になりました。つまり格差社会化がひどくなり始めた1998年にFXが生まれたのです。なんだか皮肉なものですね・・・。

2005年:金融庁が動く

上記のようにめでたく1998年にFXが誕生しました。

しかし日本人の多くは、長らく閉鎖的な投資環境におかれていたために、為替のことがほとんどわからない人が多かったのです。そのため無知な人を搾取しようとする悪質な輩が次々とFX業者に入り込んできて、できたばかりのFX業界は犯罪を犯す輩の無法地帯となってしまったのです。

さすがにお上も指をくわえて見ているわけにはいかず、2005年7月に、ようやく重い腰を上げてFXを金融先物取引法の対象商品としして、悪徳業者を徹底的に駆逐しました。そしてこれ以上被害が増加しないよう投資家が公正で透明なルールや規制のもと、いつでも安心して取引できる場所としてくりっく365を作ったのです。くりっく365は悪徳業者と重い腰を上げた金融庁の戦いの結果から生まれた産物と言っていいかもしれませんね。

  • 1949年~1998年 : ~大蔵大臣公認銀行のみの取引可能な時期~
  • 1998年~2005年 : ~金融ビックバンでFXが誕生、規制なし、悪徳業者の乱立~
  • 2005年~2008年 : ~金融庁動く、悪徳業者を駆逐、安全なくりっく365の出現~
  • 2009年~2012年 : ~くりっく365の異常レート、大証FXの廃止、税制統一によるメリットの低下~
  • 2013年~2016年 : ~対象FX業者が増加、サービスの刷新、一業者として優位性を持つ~

天下りポストのため※これが真実!

くりっく365ができた理由には裏の理由も存在します。くりっく365は金融庁の官僚の天下り先ポスト創設のために作られたと言われています。日本では海外のような証券・金融・商品先物を全て扱っている総合取引所というものがありません。証券は金融庁、商品は経済産業省と農林水産省と監督官庁が別々になっているんです。

本来ならこういうものは統合されるべきものなのですが、そうはいきません。

実はこういった取引所の役員ポストは、監督官庁の天下り先として用意されている事が多いのです。そう、くりっく365もその中の1つなのです。天下りを狙う官僚にとってはくりっく365が存続してもらわないと困りますが、くりっく365は他の店頭FX業者と比べて魅力に乏しいです。そのため店頭FX業者にどんどん規制をかけて魅力を減らし、公設取引所であるくりっく365へ呼びこもうとする意図があると言われてきました。

2018年にはくりっく365以外の店頭FX業者だけにレバレッジ規制をして、あからさまにくりっく365だけ ”特別扱い” をしようとしました。この企みは店頭FX業者とFX個人投資家の大反対にあって頓挫しました。また何時このようなことをやるのかわかりません。

くりっく365のメリット

それでは投資家が公正で透明なルールや規制のもと、いつでも安心して取引できる場所として作られた ”くりっく365” にはどんな特徴があるのでしょうか?

◇メリット1:流動性が高い◇
くりっく365では、常に複数の有力金融機関が価格を提示しているため高い流動性があります。そのため価格が出ないで注文が取り次げないといったことはほぼありえません。

◇メリット2:売り・買いのスワップの差がない◇
くりっく365ではスワップポイントを取引所が一本値で決定するため、投資家が余計なコストの負担をすることがなくなるため売りと買いのスワップポイントに差はありません

◇メリット3:税金が優遇される◇
これがくりっく365の最大の魅力です。いや唯一のメリットと言ってもいいかもしれません。くりっく365の課税税率は20%です。また、「分離課税」、「損失の3年間繰越控除」、「証券先物・商品先物との損益通算」 のメリットがあります。非くりっく365業者だと、雑所得として扱われるために利益にかかる税率は最低15%~最高50%以上にもなります。この税制は実に不公平ですね。これはくりっく365を天下り先として確立させたい官僚が、権力乱用を行い非くりっく365業者を不利にさせていることが原因です。なので利益が多ければ多いほど税金面で有利になります。また、損益通算ができるため日経225や商品先物の利益や損失と相殺が可能で確定申告には有利です。

※2012年1月より店頭FX・CFDの税制が一律20%申告分離課税に統一されるため、このメリットは無くなります。

◇メリット4:信託保全以上に安全◇
くりっく365はその誕生の経緯と目的からもわかるように、安全面に一番気を使っています。まず、くりっく365に参加できるのは純資産30億円以上という厳しい条件を潜り抜けた優良業者だけなのでJNSのような犯罪まがいの登録業者など存在しません。そして取引所が全ての取引の相手となるため、業者の破綻リスクが事実上皆無でしょう。最後に金融先物取引法という法律で顧客資産は保障されているので万一業者が破綻しても資金やポジションは取引所に預託されており、全くダメージを受けません。まぁ最近は信託保全も100%完備されるようになったため、ほとんど差はつかなくなりました。

くりっく365のデメリット

ただし良いことばかりでもありません。”くりっく365”は安全性に重点をおいているために、その他の部分が置き去りにされてしまっている傾向があります。特にくりっく365の業者は安全性を高めるためにより多くのコストがかかってしまいます。そのため非くりっく365業者よりもコストの面で非常に割高になっており、あまり人気がありません。

◆デメリット1:通貨ペアの少なさ◆

SAXO業者が160種類の通貨ペアを扱う一方で、くりっく365にはクロス円のペアしかありません。具体的にはUSDJPY、EURJPY、GBPJPY、AUDJPY、NZDJPY、CADJPY、CHFJPYの7種類しかありません

2008年の年末に大幅に通貨ペアの改正が行われ、韓国ウォン/円、中国人民元/円、インドルピー/円などが採用されて20種類以上の通貨ペアが取引できるようになりました・・・

と思っていたら2013年には流動性の関係から珍しい韓国ウォン/円、中国人民元/円、インドルピー/円が取引停止になりました。

現在では高金利通貨として人気の高いZARJPY、TRYJPYなどを中心に取り扱っています。この点においては店頭FX会社との差はほとんどありません。

◆デメリット2:システムは不完全◆

くりっく365は設立当初からシステムが弱いと言われてきました。そのため各業者のトレードツールは貧弱なものが多く、本部のシステムも幾度となくダウンしてレートが表示されなかったり、取引ができなくなったりしています。非常に評判が悪い状況が続いており、改善しません。2009年には致命的な事件を起こしてしまっています。

またくりっく365は未だに朝6時から7時においてシステムメンテナンスがはいっており取引できない時間が存在します。日本時間早朝には日本人投資家のポジションを狙った海外勢の仕掛けのターゲットにされていいようにやられるなど、システム自体の信用性はあまり上がっていません。

◆デメリット3:コストは割高◆

外貨預金ほどではありませんが、くりっく365のコストは安全性を高めるために資金を必要とするため非くりっく365業者より高いです。手数料無料の業者は当たり前のFX業界で210円~1050円の高い手数料を取られます。また、スプレッドもFXブロードネットがUSDJPYを0.5pipsとしているのに対して5~10銭もの広いスプレッドを取ります。実質のコストは20~25ほどになり、0.5の業者と比べるとかなりの差です。最近は競争が激しくなって手数料もだいぶ安くなってきましたが、それでも高いことに変わりはありません。

◆デメリット4:スワップが低い◆

くりっく365のメリットのひとつにスワップポイントの売り買いの差がないことがあります。しかし純粋なスワップポイントの絶対値はあまり高くありません。あくまで売り買いの差がないだけであって、スワップポイントは低い水準にあるのです。例えばスワップが高いことで有名なセントラル短資FXと比較するとかなり水をあけられてしまっているのです。

◆デメリット5:レバレッジは低い◆

投資家の安全を確保するためなのですが、レバレッジは30倍ほどと低い水準になります。FXブロードネットが400倍ものレバレッジを掛けることに比べても拡張性に欠けるものです。また、取引所の命令によってレバレッジの変更がなされることもあり、その場合は追証になってしまいます。レバレッジ規制が起こったためにレバレッジでは差がつかなくなりました。

◆デメリット6:常識が通用しない傲慢な運営◆

2009年11月にくりっく365南アフリカランド異常レート事件が起こりました。

簡単に説明すると、くりっく365のシステムの不備でくりっく365だけとんでもない異常レートが提示され、多くの方がロスカットをされてしまった事件です。普通異常レートでの取引は、双方合意の上で取り消すことが暗黙の了解です。

しかしくりっく365の経営陣は、異常レートを正常と言い張って取り消しに応じなかったのです。常識もルールも通用しないということでくりっく365の信用はガタ落ちになりました。そしてロスカットされた被害者の方々が被害弁護団を結成して、くりっく365を提訴するなど波紋は広がっています。これはくりっく365が天下りのためだけに用意されて、そこに居座る人間共はFXのことはおろか業界の常識すら通じない最低な奴らであることの証明にもなりました。

メリット、デメリットのまとめ

◆ くりっく365のメリット
・ 流動性が高い
・ スワップの差がない
・ 税金の優遇 → 2012年から無くなる
・ 取引所による保証

◆ くりっく365のデメリット
・ 通貨ペアは少ない
・ システムは不完全
・ コスト割高
・ 低レバレッジ
・ GTC注文不可
・ 常識が通用しない

思ったほどメリットは少ない

実はくりっく365のメリットは安全性が高いという点くらいしかありません。

取引所による保証があるから安全という話です。ただ法律による保証は信託保全も同じなのでなにがなんでも安全性を重視しない限り気にするほどの差にはならないのです。

最近はMXN(メキシコペソ)、PLN(ポーランドズロチ)などの珍しい通貨ペアを導入しているので、こちらを利用する価値は多少ありますが、マネースクエアのトラリピのような ”その業者でないと利用できない唯一無二のサービス” といった強みは見つかりません。

 

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