<シニア>60代以降・年金生活である高齢者からの自分年金プラン

60代以降・年金生活高齢者の運用方針

必ず安定運用


60代以降になると定年退職する方も多く、主だった収入源は年金ぐらいになります。そのため過度なリスクは取らずに堅実で安定した運用を心がけなければいけません。もしもハイリスクな投資をして失敗したら、頼みの綱の年金すら失ってしまうことになるので、自分だけでなく家族にも迷惑をかけてしまいます。必ず安定運用をしましょう

ハイリスク投資は入れない


たまに高齢者の方が ”新興国ブーム” に流されて貯蓄や退職金の全てをハイリスクな新興国へ投資してしまうケースがあります。最初の頃は儲かっているのですが、いざ暴落が始まると大損して年金すら無くなって途方にくれている人がTVでもたびたび取り上げられました。このようなミジメなことにならないためにもハイリスクな投資は絶対に避けたほうが賢明です。欲張ってはいけません、身を滅ぼすことになりかねないのですから。

一番狙われている世代


わが国ではお年寄りを呼ぶ敬称がとにかく多いです。高齢者、退職者、年金生活者、リタイア世代、シルバー世代、シニア世代、老人、年長者、ご老体、挙げればキリがありませんが逆に言えばそれだけこの世代は注目をされていることの裏返しでもあります。特に団塊の世代が年金生活に入ったことで高齢者向けの商品がたくさん販売され始めましたが、それに便乗して ”ぼったくり商品” を売りつけようといろんな金融機関が高齢者向けの商品を取り扱い始めています。まさに一番狙われている世代なのです。 くれぐれもやたら手数料がバカ高いぼったくり投資信託を買わないようにしましょう

60代以降・年金生活高齢者の資産配分

債券比率を高く


60代以降の高齢者には安定運用が欠かせません。そのため値動きの激しい株式よりも安定した債券への投資比率を高めておくことが重要です。この点は40~50代の方の資産配分と同じですが、彼らよりも債券比率を高くしましょう。

日本債券を重視


一口に債券といっても外国債券は為替変動リスクがあるために円相場の影響をかなり受けます。そのため堅実な安定運用をしなければいけない60代以降の高齢者には日本債券が重要な投資先になります。利回りが低く投資魅力の少ない日本国債ですが、どんなに悪く言われようとも国家が崩壊しない限り安定した運用ができるので60代以降の高齢者には欠かせません。

株式も組み込む


リスクを取らないのなら100%債券にしてもいいんじゃない?と思うかもしれませんが、投資対象を1つにしておくのはリスクになります。株ばかり上がり続けて、債券だけ下がり続けるといったことだってあるのです。そのため100%債券にするといった極端な配分はせず、ある程度株式を組み込むことで総合的な投資対象のリスク分散をしましょう。

新興国投資はやらない


くどいようですが、ハイリスクである新興国への投資は絶対に避けたほうが賢明です。安定運用をしなければいけない60代以降の高齢者にとっては、為替変動リスクがある外国債券でさえできるだけ避ける運用をすべきなのです。ハイリスクである新興国への投資など安定運用には必要ありません

60代以降の定年退職した高齢者・団塊の世代の資産配分は安定を重視!確実な日本国債で大半を占めて、海外投資はわずかに抑える。もちろん新興国投資は厳禁である!

60代以降・年金生活高齢者の具体的な投資先

60代以降の高齢者の資産運用に用いる具体的な投資信託を紹介します。紹介する投資信託の選択基準は、投資信託選びの基本である 「低コストのインデックスファンド」 であることを重視します。例えば 「日本株式」 であれば、代表的な日本の株式指数:TOPIXに連動するものを選び、海外株式の場合は世界株式の指数でもある:MSCIコクサイインデックス指数、海外債券の場合は世界債券の指数でもある:シティグループ世界国債インデックス指数に連動するものを選んでいます。また、投資信託にこだわらず、外貨MMFやETFなども投資候補になります。なお、新興国ファンドは厳禁ですから紹介はしません

※信託 ・・・ 信託報酬     ※解約 ・・・ 信託財産留保額
※kabu ・・・ カブドットコム証券    ※ebank ・・・ イーバンク銀行
※monex ・・・ マネックス証券     ※投信SC ・・・ 投信スーパーセンター

各会社の特徴


楽天証券 ・・・ 取扱数も多くETFもできてとても便利
SBI証券 ・・・ 取扱数も多くETFもできてとても便利
カブドットコム証券 ・・・ 日本投信に偏っていてETFもないので向いていない
イーバンク銀行 ・・・ ETFが無いので向いていない
マネックス証券 ・・・ 取扱数は少ないが、ETFもできてとても便利
投信スーパーセンター ・・・ 取扱数はとても多いのだが、ETFがない

対象ファンド信託解約楽天SBIkabuebankmonex投信
日本株式ファンド
トピックス・インデックスファンド(大和)0.65%0.00%   
ニッセイTOPIXオープン(ニッセイ)0.55%0.00%    
インデックスファンドTSP(日興)0.55%0.00%    
トピックスオープン(三菱UFJ)0.65%0.00%  
[ETF]ダイワ上場投信-トピックス0.23%0.00%  
[ETF]TOPIX連動型上場投資信託0.22%0.00%  
[ETF]上場インデックスファンドTOPIX0.22%0.00%  
ひふみ投信:独自ファンド1.03%0.00%      
日本債券ファンド
DLIBJ 公社債オープン(短期コース)0.31%0.05%
安田日本債券ファンド(愛称:ホワイトウィング)0.57%0.00%
PRU国内債券マーケット・パフォーマー0.53%0.01%
中央三井日本債券インデックスファンド0.52%0.00%
年金積立インデックスファンド日本債券0.47%0.10%
東京海上・物価連動国債ファンド0.50%0.00%
海外株式ファンド
トヨタアセットバンガード海外株式F1.28%0.00%     
中央三井外国株式インデックスファンド0.84%0.20%     
ステート・ストリート外国株式インデックス0.99%0.30%   
ドイチェ・世界株式F(インデックス連動型)B1.08%0.30%   
PRU 海外株式マーケット・パフォーマー0.84%0.20%   
年金積立インデックスF海外株式(ヘッジ無)0.89%0.30%     
[ETF]上場インデックスファンド海外先進国株式(1680)0.26%JPY  
[ETF]MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信(1550)0.26%JPY  
[ETF]上場インデックスファンド世界株式(1554)0.31%JPY  
[ETF]iShares MSCI KOKUSAI Index(TOK)0.25%USD   
[ETF]iShares MSCI EAFE INDEX FUND(EFA)0.34%USD   
海外債券ファンド
PRU海外債券マーケット・パフォーマー0.68%0.10%  
年金積立インデックスF海外債券(ヘッジ無)0.71%0.10%     
中央三井外国債券インデックスファンド0.99%0.10%     
三菱UFJ世界国債インデックスF:毎月0.78%0.30%   
グローバル・ソブリン・オープン(1年決算型)1.31%0.50%   
[ETF]上場インデックスファンド海外債券(1677)0.26%JPY  
新興国ファンド
eMAXIS 新興国株式インデックス0.63%0.30%
野村インデックスF・新興国株式0.63%0.30% 
STAM 新興国株式インデックス・オープン0.69%0.30% 
年金積立インデックスF海外新興国株式0.93%0.30%   
新興国株式インデックスオープン1.05%0.30%     
[ETF]上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)0.26%JPY  
[ETF]iShares MSCI EMERGING MKT(EEM)0.74%USD

まとめ : どの投資信託へ投資したらいいか?

どの会社がいいか?


上記の表を通して見ると、楽天証券、SBI証券、投信スーパーセンターが取扱が多く、イーバンク銀行とカブドットコム証券には低コストインデックスファンドが少ないことがわかります。また、イーバンク銀行と投信スーパーセンターは証券会社ではないので、国内外を問わずにETFが取引できません。以上のことから楽天証券、またはSBI証券での積立投資がオススメです。

ETFのほうが断然安上がり


上の表を見れば一目瞭然ですが、ETFは信託報酬が普通の投資信託に比べて格段に安くなっています。そのため積立の鉄則である 「低コストのインデックスファンド」 に従えば断然ETFのほうがお得です。ただし、ETFは単元数があり投資金額が10万円ぐらいないと購入できない欠点があります。そのため毎月少額で投資信託を積み立てて、ある程度貯まったらETFへスイッチングできるようにもETFが取引できる会社で取引するのがよいのです。

優秀なひふみ投信を組み入れてもいい


本来なら日本株のインデックス指数に連動するインデックス投信がよいのですが、こと日本株にいたってはひふみ投信という低コストで優秀なファンドがあるのでこちらを組み入れてもよいです。ひふみ投信は身軽な運用や優秀なファンドマネージャーによってギリシャ・ショックや東日本大震災ショックでもプラス成績を維持している5年連続最優秀ファンド賞を受賞しているファンドです。信託報酬は1%とさすがにインデックスファンドよりは高いですが、ひふみ投信には資産形成応援団という長期保有者優遇措置があり、信託報酬が0.2~0.4%下げられるのでコスト面はほぼ同じです。そして運用面ではインデックスがマイナスの時も+30%以上を出すなどはるかに高いリターンを出しているので、クズみたいに上がらない日経よりも信用できます。

候補のETF販売手数料信託報酬信託財産留保額
ひふみ投信0.00%1.03%→0.83%→0.63%0.00%

日本債券はMMFでもよい


低リスクな日本国債は、ただでさえ利回りが低いです。そこに投資信託という形で投資するとさらにコストがかかって利回りが低くなります。特に日本債券ファンドは平均利回りが1~2%ほどなのに、信託報酬が0.5~0.6%もかかってしまいます。そのため円MMFや流動性を犠牲にして日本国債を買うという選択肢もあります。

楽天証券での例候補のファンド販売手数料信託報酬信託財産留保額
日本株式20%ニッセイ TOPIXオープン0.00%0.55%0.00%
日本債券50%DLIBJ 公社債オープン(短期コース)0.00%0.31%0.05%
海外株式10%PRU海外株式マーケット・パフォーマー0.00%0.84%0.20%
海外債券20%PRU海外債券マーケット・パフォーマー0.00%0.68%0.10%

楽天証券では一番低コストなものを選んでこのような選択ができます。ここに例えば投資金額が10万円なら
ニッセイ TOPIXオープン : 2万円
DLIBJ 公社債オープン(短期コース) : 5万円
PRU海外株式マーケット・パフォーマー : 1万円
PRU海外債券マーケット・パフォーマー : 2万円
このような配分で投資していきましょう

SBI証券での例候補のファンド販売手数料信託報酬信託財産留保額
日本株式20%インデックスファンドTSP(日興)0.00%0.55%0.00%
日本債券50%PRU国内債券マーケット・パフォーマー0.00%0.53%0.01%
海外株式10%ステート・ストリート外国株式インデックス0.00%0.99%0.30%
海外債券20%PRU海外債券マーケット・パフォーマー0.00%0.68%0.10%



ETFを用いた例 安くてお得

分類候補のファンド販売手数料コード信託報酬
日本株式[ETF]TOPIX連動型上場投資信託証券会社の手数料13060.22%
海外株式[ETF]上場インデックスファンド海外先進国株式(1680)証券会社の手数料16800.25%
海外債券[ETF]上場インデックスファンド海外債券(Citigroup WGBI)毎月分配型証券会社の手数料16770.26%
新興株式[ETF]上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)証券会社の手数料16810.26%


投資信託を買うならコストの安いものがそろってる楽天証券へ

まとめ : 1つのバランス型だけで済ませたいなら?

バランス型投資信託の注意


バランス型投資信託は1つの投資信託で、リスク分散や分散投資ができる万能型の投資信託です。ただし、その投資バランスは自分では変えられず、そのファンドの投資方針によって決められています。そのため60代以降の高齢者の方々の投資方針:堅実安定運用をしているバランス型投資信託を選ばなければいけません。

オススメの投資信託


よって積極的な運用をしている低コストバランス投資信託である 「マネックス資産設計ファンド」 と 「住信SBI資産設計オープンファンド」 をオススメします。この2つは高齢者にうれしい 「分配型」 があり、日本投資比率と債券投資比率が高い安定運用方針のバランス型投資信託です。60代以降の高齢者にとっては少し株式比率が高めですが、REITを組み込むことで全体のリスクが分散されています。そのため十分安定運用ができるのです。

買い付けを少なくできればゆうちょ銀行


ゆうちょ銀行にはある投資信託:野村世界6資産分散は 「ゆうちょ銀行は宝の持ち腐れ」 で説明した通り、ゆうちょ銀行が高い販売手数料をぼったくるために使えない投資信託です。しかし販売手数料は購入ごとにかかる手数料ですので、買い付け回数を少なくできればコストが削減できます。そのため何度も買うのではなく、一度にまとまった金額でドカンと買い付ければ販売手数料のぼったくりを最小限に抑えることができます。なので1,000万単位のお金をドカンと放出する覚悟さえ持てば、上記の2つのバランス投資信託にも匹敵する運用をすることができます。ただし、投資信託のまとめ買いはあまり好ましくないため、あまりオススメはできません。

↓安定運用型の低コストバランス型投資信託↓


マネックス資産設計ファンド(育成型)の資産配分名称:マネックス資産設計ファンド(隔月分配型)

(コスト1)販売手数料:ノーロード
(コスト2)信託報酬:年0.9975%
(コスト3)信託財産留保額:0.30%
(メリット)6資産への分散投資、債券比率が高い
(デメリット)コストが高い

資産配分:日本株17%、日本債券23%、J-REIT 13%、
外国株14%、外国債券25%、外国-REIT 8.0%

販売会社:マネックス証券専用


住信SBI資産設計オープン:資産成長型(愛称:スゴ6)の資産配分名称:住信SBI資産設計オープン(分配型)

(コスト1)販売手数料:ノーロード
(コスト2)信託報酬:0.714%
(コスト3)信託財産留保額:0.15%
(メリット)6資産への分散投資
(デメリット)バランス比率が悪い

資産配分:日本株20%、日本債券20%、J-REIT 10%、
外国株20%、外国債券20%、外国-REIT 10%

販売会社:SBI証券専用


野村世界6資産分散投信安定コースの資産配分名称:野村世界6資産分散投信(安定型)
※分配型は海外債券が多くリスク高め

(コスト1)販売手数料:1.575%
(コスト2)信託報酬:0.798%
(コスト3)信託財産留保額:0.30%
(メリット)6資産への分散投資
(デメリット)コストが高い!

資産配分:日本株5%、日本債券60%、J-REIT 5%、
外国株15%、外国債券10%、外国-REIT 5%

販売会社:ゆうちょ銀行専用
・・・ まとめ買いのみ有効


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