債券投資信託はとてもリスクが少なく初心者向けである

債券投資信託とは

債券投資信託とは、国家や地方自治体や会社などが発行する ”債券に投資する” 投資信託です。債券とは国家や地方自治体が 「お金を貸してください!貸してもらえれば数年後に数%多くして返しますから」 といった感じで発行する有価証券です。投資家がこの債券を買うと、あらかじめ決められた期間ごとに銀行預金のような ”利息” が支払われます。この利息は発行体である国家や地方自治体が完全に保障してくれるので極めて安全性の高い投資先になります。債券の基本的な投資先になるのは、株式と同じく日本の国債と海外の国が発行する外国の国債になります。

日本の国債に投資するもの

海外の国債に投資するもの

債券投資信託のメリット・デメリット

債券投資信託のメリットは、発行体が信用ある会社や国家ということで安全性が高いことが挙げられます。高い信用があるために株式よりも値動きが少なく、安定していることが株式投資信託との決定的な違いです。また、債券は株式とは逆の動きをするため、株式投資と一緒にやればリスクヘッジにもなります。逆に、メリットがそのままデメリットにもなります。信用が高く安定している代わり、値動きがとても小さく、差益による大きなリターンは期待できません。債券投資信託は値動きによるリターンよりも利息による安定的なリターンを得るものです。そのためリスクを極力少なくしたい長期投資や年金世代の人に適している投資信託といえます。

メリット


・ 値動きが小さい
・ 株式投資のヘッジになる
・ 安定している 
・ 安全性が高い

デメリット


・ 大儲けはできない

リスク


・ 債券価格変動リスク
・ 金利変動リスク
・ デフォルトリスク(国家破産で債券が紙くずになるリスク)
・ 為替変動リスク(海外債券の場合)

向いている人


・ リスクをとりたくない人
・ 安定的な収入を求める人
・ 長期運用をしたい人

安定的でリスクが低い種類です

債券の特徴(リスクと利息の関係)

債券というのはそれ自体の値動きがとても小さいため、利息が大きな収入となり注目がされます。この利息ですがリスクによって決まる特徴があります。債券というのはリスクが低いものほど利息が少なく、リスクが高くなるほど利息が高くなります。例えば信用が高い地方自治体や会社の債券は、リスクが少ないことがわかりますので利息を高くしなくても皆が買ってくれます。逆に大阪府など財政が危ないことがわかっている所の債券は、他の債券と同じ利息では買ってもらえません。債券を買ってもらうためには利息を高くして投資魅力を上げなければいけないのです。結果としてリスクの高い債券は利回りが高くなります。

債券の利息はその発行体の信用度によって決まる!

投資対象 : 日本国債

投資対象となる日本の債券ですが、その種類には国家である日本が発行する 「日本国債」、東京都や大阪府などの地方自治体が発行する 「地方債」、NTTやトヨタなど信用がある企業が発行する 「社債」 などがあります。

「日本国債」、「地方債」、「社債」

それぞれの発行体が違うために、リスクと利息が違います。しかしこれらの債券は全て日本国内のもののために、為替変動のリスクを受けないのでとてもリスクが低くなります。日本の債券の主なリスクは価格変動リスクと金利変動リスク、そしてデフォルトリスクですが、債券の価格変動はとても小さく、金利変動も少なく、国家破産はかなり可能性が低いでしょう。よって日本の債券へ投資するのはとてもリスクが少ない投資になります。しかし知っての通り、日本の政策金利というのは歴史上類を見ないほどの低金利水準にあります。よってほとんどの債券の利息が1%を切るものです。確かにリスクは小さいのですが、そのリスクに見合わないリターンなのが日本の債券です。

【日本債券の特徴
・ 為替の影響を受けないため、とても安定している
・ 総じてリスクは小さい
・ ただし利息が小さい
・ しかも日本のデフォルトリスクと利息が合っていない

投資対象 : 海外の国債

海外への投資として有効なのが、この債券への投資です。知っての通り日本の政策金利というのはとても低く、そのために日本国債の利息は1%ほどにしかなりません。しかし海外の国というのはどこ国であっても日本よりもはるかに金利が高く、債券の利息もとても高くなります。債券は主に2種類に分類されています。

「先進国債」 と 「新興国債」

先進国の国債(ソブリン債)】

先進国でも高格付けの債券をソブリン債といいます。グロソブなどでも有名ですね。先進国の国債として代表されるのがアメリカ国債になります。金利変動が激しいアメリカですがおおむね3~6%程度の利息があります。また、先進国でも5%以上の高金利として有名なのがイギリスやノルウェー、そしてドイツ国債になります。特にドイツというのは1920年代の超ハイパーインフレの悪夢があるために、周辺諸国よりも金利が高い傾向になります。このように同じ先進国であっても日本とは金利が全く違い高いリターンが期待できます。また、先進国は政治や経済が成熟して安定しているために信用が高く、デフォルトリスクはかなり小さいです。特に赤字だらけの日本よりデフォルトリスクが高い先進国はないでしょう。

新興国の国債(エマーシング債)】

対して新興国の国債ですが、先進国とはまるで正反対です。政治や経済がまだ成熟されていない新興国は総じてリスクが高く 「エマーシング(危険)債」 とも呼ばれます。金利は南アフリカが12%、ブラジルが13%、トルコが17%と先進国とは比べ物にならないほど金利が高く設定されています。しかしリスクも多いです。新興国の通貨は安定せず、為替変動がとても大きなものになります。また、金利変動も激しく、政情不安などのリスクもあり、最悪の場合デフォルトが行われる可能性もあります。高いリターンの裏には高いリスクがあること忘れないでください。

先進国債の特徴


・ 3~6%ほどの高い金利
・ 政治・経済が安定しているのでリスクは小さい
・ 為替変動リスクは小さい
・ 日本よりもデフォルトリスクは小さい

新興国(エマーシング)債の特徴


・ 日本とは比べ物にならないほど金利は高い
・ 政治・経済が安定していない
・ 為替変動リスクが大きい
・ インフレによって激しく金利が変動する
・ 最悪の場合デフォルトが起こることもありうる

関連記事