キプロス金融危機では預金封鎖が行われ、ビットコインは急騰した

地中海の小国:キプロス共和国について

地中海の一番東のところに小さな島があります。

その半分くらいの国土をもっているのが地中海の小国キプロス共和国です。

大きさとしては日本の山形県くらいの小さなものであり、人口も80万人ほどと日本の一都道府県のような大きさにとどまっています。古くはローマ帝国の時代から文明が存在しており、島であることや地中海の要所としての地理的要因として、多くの国家の軍事的要所として歴史を刻んできました。近代になるとイギリスの支配を受けた後に独立をし、観光と金融を主な産業としています。

なお、島全体がキプロス共和国というわけではなく、1974年にトルコ系住民を主とする北キプロス・トルコ共和国と、ギリシャ系を主とする南部のキプロス共和国に別れており、キプロスというとだいたい南部のキプロス共和国のことを指します。

 

小国だが金融立国


キプロスは小国であるがゆえに目立った産業を持つことができず、主な産業は観光と金融に依存しています。FX会社も本拠をここに構えている企業は多く、XMやFXPRO、TradersTrustなど、キプロスの金融ライセンスを取得してFX事業を展開しています。

このように外国から金融企業やマネーを呼び込んでいるのはアイスランドと同じような形になっています。しかしキプロスの場合は丁度、西欧と東欧の境目に位置する地理的要因もともなってタックスヘイブンとなっており、西欧と東欧(主にロシア)の不透明なマネーが流入していることで知られていました。

キプロスにある銀行資産はキプロスのGDPの約8倍、預金残高は約4倍に達しており、キプロスの経済規模に対して銀行が巨大すぎるなど、過度に金融依存経済に偏っていました。

 

現代での預金税・預金封鎖がされたキプロス・ショック

キプロスは小国ではありましたが金融を海外から誘致することで比較的高い生活水準を保っていた国でした。

しかし2008年のリーマンショックに伴う世界的不況と、同時期にユーロ圏に加入したことによる経済的混乱が混ざって金融機関の経営が悪化、キプロス政府の公的支援が必要な状況に陥りました。支援額は175億ユーロ(約2兆円余)と同国の名目GDPに匹敵する巨額になったため、キプロス政府はユーロ圏諸国に支援を要請しました。

しかしギリシャをはじめとしたPIIGS処理に頭を抱えていたユーロ諸国は、キプロス国内の銀行預金に課税するなど自力で58億ユーロを捻出するなどの一定の条件を押し付けました。これがいわゆる 「預金税」 と呼ばれる、国民の預けているお金を税金という名目で勝手に奪い取っていくと預金封鎖を実施しろということでした。

 

すべての預金者の預金を強制的にカット

銀行に預けた自分のお金が勝手に政府によって奪われていくのですからたまったものではありません。当然キプロス国民や議会が大反発しましたが、噂を聞きつけた預金者が自分の預金を引き出そうと殺到、銀行は大混乱に陥りました

。預金税の内容は10万ユーロ(13万ドル)未満の銀行預金には6.75%、10万ユーロ以上に9.9%の課税と高額預金者のほうが多少多いものの、すべての預金者が対象であるため、金持ちも庶民も関係なく対象になりました。

結局、預金税はEU諸国とキプロス政府の間で合意され、およそ2週間もの間預金封鎖が続き、封鎖が解除された後も引き出し制限がかかるなど、預金者には大きなショックとなりました。また現代を反映して銀行口座からお金を引き出せないだけでなく、他の口座への送金や入金もできないようロックされていました。

なお、この件ではロシアが非常に怒っていました。

キプロスの預金の3分の2はロシアマネーとも言われており、打撃をうけたロシア政府とEUとの間で軋轢が生じました。 メドベージェフ首相は「他人の資産を没収しようとしているようだ」と指摘し、プーチン大統領も「不公平で専門的な規範に反しており危険」と批判しました。

 

預金税、内容

10万ユーロ(13万ドル)未満の銀行預金には6.75%、
10万ユーロ以上に9.9%の課税

 

キプロスショックの経緯

2012年:ギリシャ国債の元本減免。
2012年6月25日:欧州連合に緊急融資を要請。
2013年3月15日:ユーロ圏財務相会合で銀行預金への課税を条件とする100億ユーロのキプロス支援策を決定。
2013年3月19日:キプロス議会は銀行預金への課税に関する法案を否決(賛成ゼロ、反対36、棄権19)。
2013年3月25日:アナスタシアディス大統領と欧州連合が交渉、支援条件で合意。
2013年3月28日:銀行が約2週間ぶりに営業を再開し、ユーロ圏で初の資本規制(預金引出制限など)。

 

キプロスショックで認識されたビットコイン

現代でも起こり得る預金封鎖の恐ろしさ


上記のように21世紀に入っても時の政府の都合によって預金税・預金封鎖が実施されて、預金者の預金が勝手に徴収され引き出せなくなるという現実をまざまざと見せつけられたのがこのキプロスショックです。

日本も今から半世紀以上前、昭和21年2月17日に突如として預金封鎖と新円切替が実施され、今までの預金が封鎖されて新円切替が実施されました。旧紙幣の預金は完全に封鎖され、新円のみを世帯主が300円、家族が100円しか出金することができませんでした。

これにより、いくら旧紙幣で預金してようがその資産はほぼゼロになり、政府がコントロールした額のお金しか手にすることができなくなったのです。

現代だからこそ実施できる対抗策


しかしキプロスの預金者たちもただ手をこまねいていたわけではありません。

預金封鎖を回避しようといろんな手を考えて実施しており、その一つとして有効性が確認されたのがビットコインでした。中央銀行という管理者をもたない仮想通貨:ビットコインは、管理者が存在しないため政府や金融機関の支配を受けることがありません。

そのため銀行が閉鎖された状況下においても、ビットコインは使えており、ビットコインで決済したり、ビットコインのATMで現金を引き出すことができていたのです。もちろんこれは前もって銀行の資金をビットコインにうつしておいた人たちだけができたことであり、封鎖された後では時既に遅しでした。

つまり通貨というリアルマネーの他に仮想通貨ビットコインに資産を ”分散” させておいた人たちが助かったのです。

日本の1946年に実施された預金封鎖でも、「預金封鎖を回避し世界1位の資産家になった森泰吉郎」 のように、現金や預金だけではなく別の資産に分散させておいた人たちが難を逃れています。

現在キプロスにはこの経緯を学んだ人達によって、いたるところにビットコインのATMが設置されています。他にも預金封鎖や通貨危機が頻繁に起こるブラジルやアルゼンチンでもビットコインの需要は高まり続けています。

21世紀は政府や中央銀行がコントロールする法定通貨から仮想通貨へ資金の移動が起こる時代になっていくでしょう。

預金封鎖への対策はどうすればいいか

さて、具体的に預金封鎖が行われてしまうのなら、どのように対策すべきなのかです。今回のケースでは国内の銀行に預けていた預金がターゲットにされてしまいました。対応策としては、国外の銀行に預金する、現金以外の資産をもつ、政府のコントロールが及ばない資産を持つケースがあります。キプロスの人がやったのは3番目のケースでありビットコインでした。

現在日本国内でビットコインを取引できるところはそれほど多くはありません。ですがビットコインは送金が容易であることから国内の取引所や海外の取引所に ”分散” して口座を作っておいたほうがよいでしょう。

加えてビットコインはその価値を保証してくれる発行組織がない上に、価格が乱高下して急騰急落は当たり前ですから大きな資産を移すことはまだまだオススメできる段階ではありません。大切なのはあくまで ”分散” することです。現金、預金オンリーが一番危険ですので、他にも株式、不動産、外貨、金、などの資産分散を行い、その一部としてビットコインが候補に挙げられてきます。

 

前もってやっておかないと意味がない

そしてもう1つ大切なのが、早くやっておくことです。

前述のキプロス・ショックのケースでも預金封鎖のニュースが出たあとでは預金をビットコインに両替するのは間に合っていません。預金封鎖は ”すぐ” ”唐突に” 行われるため事前準備がなにより大切なのです。

とにかく ”いつか始めよう” では突然行われる預金封鎖には対処できませんから、少額でもいいのですこしずつ始めましょう。

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ビットコインならビットコイン両替とビットコインでそのままFX取引もできるbitFlyerなどがあります。とにかく 「後で・・・」、ではなく知ったらすぐに対策をとっておくことが大切です。対策を怠っておくと、もしもの時に後悔することにもなります。キプロス・ショックでは泣くほど後悔した人が山のように出ました。同じ轍を踏むことだけは避けたいものです。

 

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