顧客資産を私的流用したビットステーションに業務停止命令

2018年3月8日に7つの業者に行政処分が下る

2018年3月8日、すべての登録済み仮想通貨取引所とみなし業者に金融庁が立入検査を終え、その結果を発表しました。なんと30社くらいある業者のうち、実に7社という3割近くの業者に問題が見つかり処分が下りました。下記表はそれぞれの業者の処分内容とその処分にいたった行為です。

3/8 に行政処分された業者とその内容
ビットステーション
▶業務停止命令
顧客から預かったビットコインを
私的に流用していた行為
FSHO
▶業務停止命令
取引確認や疑わしい取引の確認せず
取引検証体制の未整備や社員教育未実施など
社内規則に則った運営がされていない
コインチェック
▶業務改善命令
取扱リスクを適切に評価していない
内部管理体制の強化がされていない
経営管理体制・内部管理体制に重大な問題
ミスターエクスチェンジ
▶業務改善命令
顧客資産の不適切な管理体制
テックビューロ(Zaif)
▶業務改善命令
システム障害、不正出金、不正取引、
多くの問題がありながら原因分析不十分、
再発防止策もせず、顧客への情報開示も不十分
バンクリメンツ
▶業務改善命令
顧客資産の不適切な分別管理、帳簿書類の一部未作成
GMOコイン
▶業務改善命令
システム障害事案頻繁でも
その原因分析不十分、再発防止策もない

簡単にまとめるとテックビューロ(zaif)とGMOコインはシステム障害が多発しているのに再発防止策がされてない点に処分が下り、他の業者はまともな顧客の資産管理すらできていなかったということになります。

特にビットステーションの私的流用は悪質性でも抜きん出ています。またFSHOも高額取引や疑わしい取引の検査を行っておらずマネーロンダリング対策がされていないことで業務停止命令が下っています。こちらは悪質性ではなく、ずさんさが際立っています。

金融庁はすべての仮想通貨取引所とみなし業者に立入検査したということなので、現在知られている業者の悪質行為はある程度把握できたのでしょう。これらの業者は使わないほうがいいのはもちろんです。

ビットステーションの情報:
会社情報
商号 ビットステーション株式会社
役員 代表取締役社長戸田 俊司
本社 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内1-17-31 清原名古屋ビル8階
設立 2016年8月
事業内容 仮想通貨取引所の開発、運営および管理
仮想通貨関連メディアの運営および管理
独自仮想通貨の発行・管理
取引銀行 三井住友銀行 三菱東京UFJ銀行 名古屋銀行
加入協会 FinTech協会

ビットステーションは顧客の仮想通貨を私的に流用

7つの業者に行政処分が下りましたがその中でもビットステーションの行為については悪質性が非常に高く目立ちました。なんと顧客資産に手をつけるという最悪の行為を行っていたのです。

顧客資産に手をつけるという最悪の行為は、FX黎明期であった10年前にも行われていました。当時のFX札幌やアルファFXといった業者はFX会社がまだ信託保全などなかった時代に顧客資産を横領して豪遊三昧をしていました。「過去に横領や夜逃げをしたぼったくり・詐欺・犯罪FX業者」にて解説しています。結局それがバレた頃にとんずらするという最後まで悪質極まりない結末でしたが、このビットステーションも同じでしょう。

 

ビットステーション株式会社に対する行政処分について
平成30年3月8日
東海財務局

1. ビットステーション株式会社(本店:愛知県名古屋市、法人番号6180001124469、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)附則第8条に基づく仮想通貨交換業者)(以下、「当社」という。)に対し、資金決済に関する法律第63条の15第1項の規定に基づき、平成29年10月6日(金)に当社の業務の状況等に関する報告徴求命令、平成30年2月1日(木)にシステムリスク管理態勢に関する報告徴求命令を発出し、2月26日(月)に金融庁において立入検査に着手した。
2. 資金決済に関する法律第63条の15第1項に基づく報告及び立入検査により当社の業務運営状況を確認したところ、100%株主であった経営企画部長が、利用者から預かった仮想通貨(ビットコイン)を私的に流用していた事実が認められており、同法第63条の11(利用者財産の管理)及び同法第63条の10(利用者の保護等に関する措置)に違反するものとして、本日、以下の内容の業務停止命令及び業務改善命令を発出した。
(1)業務停止命令
平成30年3月8日から平成30年4月7日までの間、仮想通貨交換業に係る全ての業務を停止(利用者財産の返還のための業務等を除く)
(2)業務改善命令
適正かつ確実な業務運営を確保するための以下の対応
1)利用者財産の残高確認・照合等を適切に実施するための態勢整備
2)利用者財産の移動及び処分を適切に実施するための態勢整備
3)利用者財産を適切に管理するための態勢整備
上記1)から3)の対応・実施状況について、講じた措置の内容を平成30年3月22日までに、書面で提出

 

ビットステーションは廃業を決断

なお業務停止命令をくらったビットステーション、来夢(らいむ、三重県鈴鹿市)、ビットエクスプレス(那覇市)のみなし業者3社は金融庁への登録申請の取り下げがあったことが発表されています。金融庁が定める安全管理やセキュリティなどを満たせないと判断して仮想通貨業を廃業することを決断したのです。

金融庁はまた、ビットステーション、来夢(らいむ、三重県鈴鹿市)、ビットエクスプレス(那覇市)のみなし業者3社から、登録申請を取り下げたいとの申し出があったことを明かした。同庁による監督の大幅な強化に伴い、対応が間に合わないと判断した模様だ。顧客資産の返還方法などを詰め、仮想通貨交換業を廃業することになる。

今回の大量処分のきっかけは、1月下旬にコインチェックが起こした仮想通貨の不正流出。同庁が一部の登録業者とみなし業者への立ち入り検査に入り、システムの安全性や顧客保護の仕組み、資金洗浄対策を調べたところ、複数の業者で問題が見つかったため、処分に踏み切った。同庁幹部は「法令が求める体制を、実効性をもって整えられていなかった」としている。

(朝日新聞デジタル 2018年03月08日 13時38分)

 

 

ビットステーションについてはネットでも怒り心頭

7つの業者が一斉に処分されたことで処分内容の比較が行われやすかったこともあり、ビットステーションの悪質行為は多くの人が最悪であると判断しています。

 

私的流用の仮想通貨はすでに弁済されていて、顧客への影響はなかった

なお、その後のニュースにてビットステーションで私的流用されたビットコインはすでに弁済されており、顧客への影響はないということが伝えられています。当人の経営企画部長は懲戒解雇され、刑事告訴も検討されているという話。本人はビットステーションの100%株主、つまりは実質のオーナーだったわけで、いろいろ悪質なことをやっていたのだろうと考えてしまいます。いずれにしても廃業することと、顧客への影響が出ないまま消えていくのは良いことです。

 

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