格差社会においてIT技術とグローバル化で没落した職業

IT技術とグローバル化によって没落する職業

IT技術の進歩は目覚しく、コンピュータは情報の集計や計算といった作業においては人間など足元にも及ばない驚異的な能力を発揮しました。今や、お客の相手からお金の取り扱いまでコンピュータが担ってくれるので、さまざまな作業をコンピュータに任せることによって、単純な仕事をする必要が無くなり、人間は企画とか計画策定等の、人間にしか出来ない複雑な作業に専念できるようになりました。

しかし、皮肉なことにグローバル経済において、IT技術の発達することは人間を必要としなくなることになり、多くの人がIT技術やグローバル経済化の影響を受けて失職することが多くなりました。かの漫画会の巨匠:手塚先生が危惧した 「ロボットがおらたちから仕事を奪っていく」 時代がすでに訪れているのです。ではどのような職業がグローバル経済とIT技術によって没落しているのでしょうか?

マスコミ関連

高収入の代名詞でもあるマスコミ関連ですが、この業界はIT技術の影響を大きく受けている業界です。IT技術が発展する前の時代では、メディアが貧弱であったため、人々は情報を得るために必然的にテレビやラジオ、新聞といったマスコミにお金を落とすメディアを使っていました。そのため、マスコミ業界はほっといても人々がお金を落としてくれる非常においしい業界でした。

【IT技術はマスコミを必要としなくなった】
しかしIT技術の発達とインターネットの躍進によって、個々人がマスコミに頼らなくとも世界中の情報を手に入れられる時代になりました。そのためテレビや新聞などに広告を出してくれていたスポンサーがどんどんネットに移行したので、従来のマスコミには広告収入が入りにくくなり、業界全体の収入が圧迫されるようになりました。

【格差業界になったマスコミ】
業界全体の収入が圧迫されるようになったマスコミ業界ですが、いまだに高収入のイメージが大きく残っています。これはマスコミ自体の誇大報告と、下請けの番組制作会社の賃金を極限まで削減することで、幹部の高給を保っているからです。マスコミの代表TV業界においては、キー局社員の年収が1,500万円になるのに対して、下請け制作会社の社員はわずか年収200万円になるという、超格差業界なのです。

旅行代理店の人員

これは旅行代理店に限った話ではありませんが、インターネットによるオンライン予約が普及するにつれ、従来の店舗を必要としなくなる業界が多くなりました。個人投資家にとっては、オンラインによって経費削減ができた証券会社のサービスによって格安で株式投資やFXなど利用できるのでうれしいことでしたが、オンラインの恩恵にあずかれない人たちもいたのです。

不動産業界や旅行業界では、オンラインでビジネスが進行することが多くなるために、人件費やテナント料がかかる既存の店舗はコストパフォーマンスが悪いものになってしまったので、こういった店舗をどんどん削減しました。そのため店舗で雇用されていた担当者たちは大勢クビを切られることになります。

コールセンターの人員

バイトや派遣の人にとって時給の高いコールセンター。電話対応のマニュアルがめんどくさいですが、電話を使えるだけで高時給のためにいろんな地域でセンターが設立されていました。特に秋田や山形といった地方においては人件費もテナントも安いので、多くの大企業が地方へコールセンターを設立しました。仕事が少ない秋田や山形においてコールセンターは、高給の仕事として非常に人気があったのです。しかしIT技術とグローバル化でそれは大きく変わります。

IT技術とグローバル化の影響で、コールセンターを世界のどこに置いても満足な事業ができるようになりました。そのため日本に限らずアメリカなどの先進国は、コールセンターを人件費の安い中国や東南アジアなどへ移しました。そのため国内にいたコールセンターの人員も大幅に削減され、多くの人がクビを切られました。また、残ることができたわずかな人たちも人件費の安い中国や東南アジアへ移されて、そこで薄給にあえぐことになります。少し前に中国へ飛ばされた若者の悲鳴が特集されていたことからもその劣悪な環境が見て取れます。

引用:毎日新聞 2006年1月4日
ヘッドセットを着けた日本人の若者が、海を隔てた日本の客に話しかけている。その声とキーボードを叩く音しか聞こえない。中国・大連。政府が「ハイテク区」に指定した地区の一角にライブドアグループのコールセンターがある。04年、現地に進出した。 働くのは同社の「中国語が学べるインターンシップ制度」に応募した約80人。堀江貴文社長がブログ「社長日記」で「マーケットが確実に拡大する中国でキャリアを積むことには意義があると思いますよ!」と紹介すると、説明会の申し込みは1時間で50件に上った。時給は20元(約288円)。大連の大卒初任給の2倍にあたる。同社は当初、日本語のできる中国人の採用を検討したが、片言では顧客が満足しない。低賃金の日本人を連れてくることでコストを40パーセント削減できた。海外で日本の最低賃金法は適用されない。 記者(28)より一つ年上の五十嵐洋彰さん(29)は大連に来て1年になる。大学を出て親元の新潟で大手食品会社の子会社に就職した。親会社からの天下りが多い。「この人たちの高給を出すために働くのか」と思うと、定年まで働く自分を想像できず、5年で辞めた。仕事は早朝、日中の2交代。社宅は28階建てマンションで、家賃は半分が自己負担だ。週3回の中国語レッスンは会社持ち。物価が安いから生活には困らないが、日本食レストランは高いから行かない。「確かな生活を捨ててきた。でも行けば何か変わると思った」。契約は1年ごとの更新で最長5年。契約期間の途中で辞めると、日本からの渡航費やビザの取得経費を返さなければならない。五十嵐さんはもう1年いて中国語をマスターしたいが、どこまで上達できるか不安も感じる。将来の仕事はまだ考えられない。グループの社員になれるのはほんの一握りだ。同様のコールセンターを運営するマスターピースは03年に進出した。まず時給10元で募集したところ120人もの応募があった。加藤舞子さん(26)は昨年2月から働いている。時給は20元。前は営業事務をしていたが「毎日の単調な繰り返しがいやになった」という。閉塞感の漂う日本。その隙を突くように成長企業が若者を引き寄せる。 記者は加藤さんに「使い捨てになるとは思いませんか」と尋ねた。 「はい。それでもいいんです」

エンジニア(プログラマー)

プログラマーといったエンジニアの名前を聞くと、IT技術の恩恵を受けている勝ち組の職業と思われがちですが、その実態はグローバル化の影響を最も大きく受けている最も過酷な業界です。ホリエモンや村上ファンドなどの一部の大金持ちだけに注目が集まりがちなIT業界は、新興業界のために労働組合が機能せず賃金が異様に低く抑えられていて、ホリエモンのようなトップの人だけが大金を手にするといった格差業界です。事実数百億円の資産があるホリエモンですが、その会社ライブドアの社員の年収はわずか300~400万円にしか過ぎません。

そして、さらにひどい状況に追い込んだのが新興国インドの台頭です。インドはご存知のとおり数学に非常に強い民族で、IT技術に関しては世界レベルの技術をもっています。その割りにインド人の賃金は非常に低額です。教育格差でバカが多く無能なのに高給な国内業者と非常に有能で低賃金であるインドと比べればどちらを選ぶかは至極当然、プログラミングの仕事のほとんどをインドへアウトソーシングするようになりました。そのため国内IT業者は仕事をインドへ奪われないように非常に低額な値段で引き受けるしかなくなります。低額のため儲けになりませんから、IT業界の現場では大量の仕事をかかえこむことになります。その結果、プログラミングをする現場の人たちは非常に低賃金で大量の仕事をこなさなければならないのです。

IT業界の過酷さは、元プログラマーでフリーイラストレーターのきたみりゅうじさんの作品で非常に面白おかしく読むことができます。もしも、エンジニアを目指す方がいらっしゃったら是非一読することをお薦めします。でないと、現場に入って大変なことになるでしょう・・・。

IT業界に興味がある・就職したいと考えている人は絶対読むべき!でないと・・・

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